新型コロナウィルスの影響直撃、香港コスメショップ大手、莎莎國際控股有限公司(Sa Sa International Holdings)の旧正月期間(1/25~1/31)の販売実績▲76.9%
開示内容まとめ
・2020年の旧正月期間は1/25~1/31。2019年は2/5~2/11。この期間での比較。
・店舗売上高▲76.9%
・既存店売上高▲75.5%
詳細
新型コロナウィルス勃発による中国からの旅行客が激減したこと、また香港住民の消費センチメントの落ち込みなどにより大幅減収となった。
香港の店舗売上高▲77.9%。マカオの店舗売上高▲73.4%。
香港
香港での店舗売上高は▲77.9%。香港入国管理局(Hong Kong Immigration Department)によると、旧正月中の中国からの旅行客数は前年比▲85.5%と大きく減少。
Sa Sa店舗への来客数(Store traffic)▲54.4%。中国人観光客の購買数▲92.1%、香港住民の購買数▲8.0%。
また、中国人観光客一人、一購買あたり平均売上高(the average sales per transaction of mainland tourists)は▲14.5%、香港住民(its of local customers)は▲25.6%。全体での一人顧客、一購買あたり平均売上高(overall average sales per transaction)は▲51.5%。
マカオ
マカオでの店舗売上高は▲73.4%。主な要因は販売数量が▲70%。中国人旅行客の購買数が▲76.5%、マカオ住民が▲29.4%。
会社の対応、戦略
非常に厳しい状況ではあるが、当社としても製品戦略を調整し、新型コロナウィルスへの感染を防ぐためのマスクやそれに関連する製品を調達し、適正価格で販売することで、消費者をサポートしていくとしている。
また赤字縮小するために抑制政策を強化、具体的には、いつくかの店舗を閉鎖すること、人件費のカット、在庫抑制、役員の給与3ヶ月間75%削減など。
会社概要
莎莎國際控股有限公司(Sa Sa International Holdings)はコスメ製品の小売事業を手がける。主な製品はスキンケア、フレグランス、メイキャップ、ヘアケア、ボディケア、サプリメント。店舗は、香港を中心にマカオ、中国、シンガポール、マレーシアに店舗を展開。
地域別売上高構成は、香港・マカオで全体の82%、マレーシア6%、中国4%、シンガポール3%、E-commerceが5%。
時価総額はHKD4.62B(約646.8億円)。2013年には株価HKD8を超えていたが、足元株価はHKD1.5を割れる水準まで下落している。株価下落は▲80%超。
市場環境変化
過去10年の間で市場環境が大きく変化した業界である。コスメ業界の中ではSa Saは代表的。というのも、種類豊富なコスメ製品を目当てに、中国から大きなスーツケースを持った観光客が押し寄せる光景がSa Saの店舗でよく見られていたからだ。加えて、香港は消費税がなく中国より割安というのも中国人観光客には魅力的だった。しかし、ここ数年で、競合企業が増え、さらに中国でECが消費者の間で主流になり、様々なコスメ製品が安く手に入るようになったことから、Sa Saの力強い成長は見られなくなってきた。そこに、昨年、毎週末のように行われた抗議活動、そして今回の新型コロナウィルスの影響もあり、大苦戦を強いられている。
参考資料
https://www1.hkexnews.hk/listedco/listconews/sehk/2020/0206/2020020600297.pdf
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