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一番深刻なトラウマ~刃物とミステリーが怖い~克服した方法

皆さんこんにちは。
最近なんとなくステージが変わっていっている気がして、
これまでの経験の棚卸しをしようとしている私です。
今日は、私の病気の原因となったトラウマのうちでも一番深刻だったもの、刃物とミステリーが怖くなった、その経緯と克服について書きたいと思います。

それは、初めての入院から高知の実家に退院したときに起こりました。その時はまだ、統合失調症とはっきり病名を告げられてはおらず、「疑いがある」とだけ伝えられていました。そんな時教育テレビ(今のEテレ)で、統合失調症についての放送がありました。それを見て、私は妄想型の統合失調症だと思い、また、その時読んでいたお見舞いにもらったミステリー本が、妄想型の統合失調症患者が殺人犯という設定だったので、大きなショックを受けたのです。本は途中で読めなくなり、刃物とミステリーが病的に怖くなりました。「自分もそうなったらどうしよう」と思ったのです。
こういうことは、自分よりも周りの方の見解が正しくて、当時診察してもらっていた精神科の先生に勇気を振り絞って相談すると、「あなたは優しくて弱いから、そんなことにはならないよ」と諭されました。けれど自分には奥底に激しい気性があるとわかっていたので、それから自分の心を掘り下げることが、怖くてできなくなりました。心の奥を描く漫画や小説も読めなくなり、ドラマや映画も、クイズ番組すら、先がわからないというだけで、怖くて見られなくなりました。
けれど漫画家にはなりたかったので、このままではいけないと思い、話題になっている映画やドラマは怖かったけど少しは見ました。でも根本にある怖さは変わらず、あと一歩キャラの心に踏み込むことはできませんでした。
病気になる前はミステリーを描いていたし、ミステリー要素がないと物語は面白くなりません。例外はありますが、私にはそこまでのセンスはないのです。
ミステリーと刃物が怖い、作家を目指すには致命的なトラウマをもってしまいました。

時が経つにつれ、傷は少しずつ癒えていきましたが、恐怖感のために、落ち着いて深い話を読むことがどうしてもできませんでした。
そんな私に神様が与えてくれたきっかけが、宮部みゆきさんの「模倣犯」でした。その頃の自分は絶対に買わないこの本を、精神病院で知り合った友人が送ってきてくれたのです。とても怖かったけど、何か読まなくてはならない気がして、頑張って読みました。そして気がついたのです。殺人というのは歪んだ自己顕示であり、究極のマウンティングだと。
私はマウンティングについてはするのもされるのも大嫌いで、自己顕示欲はあるけれど、歪むほど強くはありません。私は殺人者にはなり得ないと、やっと腑に落ち、心の底から安堵したのです。

けれども長い間怖れを抱いていたことで、ミステリーを避けることが習慣化していて、なかなかもとのようには戻れませんでした。そんな中、ジャンル別の大きな漫画の新人賞の募集がありました。ギリシャ神話をモチーフにした「蒼のラビュリントス」は病気になる前にネームを描いた作品です。「歴史」ジャンルで応募しようと思い、入院中だったのですが主治医の許可をもらって描き始めました。
神話ミステリーであるこの作品は、人間の闇部分にフォーカスしていて、予想はしていたものの、特に絵の部分が辛かったです。ミノタウロスのビジュアルは自分でデザインしたのですが描くのが怖く、けれど慣れなくてはと思い、じっくり描きました。
そしてこの作品を仕上げたことが恐怖感を克服するきっかけになりました。怖さを感じながらもめげずに書き上げたことが大きな自信となり、底まで落ちていた自己肯定感を取り戻したのです。

これらは私なりの特殊な克服法ではありますが、他にマインドフルネス瞑想や、YouTubeのタロット占いなど、楽しくできる方法も試して成果を実感しました。(マインドフルネスは自分の内面と向き合わなくてはならないので、病気の状態によってはおすすめできません。主治医とよく相談して下さい。)

もしこれを読んでいる方が自己肯定感を取り戻したいと思っているなら、どうか私の経験を応用して、自分に自信を持てる方法を見つけて下さい。他人の評価を待つのではなく、「自分えらい!よく頑張った!」と自分を褒められるような努力をしてみてください。私の作品は入賞はできなかったですが、書き上げるだけで大変な効果がありました。希望を持って日々を過ごせば、必ずきっかけはやってきます。ぜひ、そのきっかけを掴まえてくださいね。

「青のラビュリントス」を書き上げてから3年が過ぎました。この3年の間、より安定した心を手に入れるために、神様の導きに従って体を浄化し、よく眠って休息することに努めてきました。今は強烈な眠気が昼間~夕方襲ってくるようになって困っています。薬の影響は大きいと思うので、主治医の先生と相談して少しずつ薬を減らしています。
また、この眠気は、もしかしたら体と心が大きく変化しているために起こっているのかもしれません。占星術では土の時代から風の時代に変わり、変化が起こりやすい時代だといわれています。やっと私の感覚に合った時代になったと実感していて、私の心は今とても自由です。

これからも、マンガや文章を書きながら、自由に生きていければいいなと思っています。壮絶な病気との戦いでしたが、いい場所に着地することができました。
まだ眠いので発表はゆっくりになると思いますが、noteにはマンガのネームや文章を上げていきたいと思っています。

ここまで読んで下さってありがとうございました。
皆様に神様と天使たち~光の存在のご加護がありますように。


久礼千晶紀


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