見出し画像

「ここいらで一回しめないと」・・・先生の一年間伴走しています 初任者さん

静かにしなきゃいけないときもうるさくて、授業中もうるさいんです。
ここいらで一回しめないと!と思っています。

新学期が始まって2週間たったころ、初めて担任をもったA先生は、
私にこういいました。

「ここいらで一回しめないと」

この言葉、よく分かります。最初の一週間は様子をみていた子供たちが、
2週間して、日常モードに入り、「これもやっちゃえー」「あれもいいの?」といろんなことを出してくる時期です。

ガツンと起こって、今の先生との関係を上下でちゃんと構築したいと考えるのです。しかし、本当に「ここらで一回しめる」ことが解決策なのか?

A先生とのお話を通して、気づいたことをまとめます。


①A先生から見た現状はこんな感じです。

静かにしなきゃいけないときもうるさくて、授業中何度注意してもうしろを向いている子もいます。立ち歩いて、一人の子に集まって、しゃべっている様子もあります。今、しめないと大変なことになると思います。

私は小さいことを見逃している気がします。授業中には、ほかのことはしないとか、ノートをだすとか、そういう細かいことの指示が通っていない。
注意した直後に同じことを繰り返している子もいます。

②理想の状態はこんな感じです。
静かにしなくてはならない場面は判断できるようになってほしい。
友達の発言は静かに聞いてほしい。

理想の状態を聞いてみたら、問題点が出てきました。

A先生は、低学年は足し算や掛け算など、学習にとっても大事な時だから、ちゃんとさせなきゃって思っている。
それでも、授業中に折り紙してても、「ほかに迷惑かけなければいいや」って思って、注意しないこともある。
注意しないのは、毎日自分がいっぱいいっぱいで、子供に気が向けられていない、授業がおもしろくできない。指示があいまいで子供たちは混乱している。A先生が何を言っているのか子供たちに伝わっていない。

「子供をしめなきゃ」(子供をコントロールしなきゃ)という発想から、
自分は何ができるか?というところに話しながら視点が変わっていきました。

③これからどうする?

一番大事なのは、A先生は、「自分にゆとりをもつこと」だということなので、
☆一週間のスケジュールを学年で今よりも詳しく教えてもらうこと
「何を質問していいかも分かりません」と学年主任に話すこと
☆クラスへの今感じている危機感を学年主任に話すこと(相談する)

次に、クラスの子どもたちの目指す姿を共有することを挙げました。
☆クラスの共通言語を作ること
どんな姿になりたいのかを共有しておくために
☆学活の時間に、子供たちの目指したい姿を聞くこと
☆簡単な言葉でいいから「かっこいい〇〇」という感じでみんなの合言葉をつくること

をすることにしました。
A先生は、「余裕がない」と数回言っていたので、長期的な目標は持たずに
目の前のことを一つ一つ解決していく形が今はいいのiでは?と提案し、
週の途中で進捗状況を確認することにしました。


Aさんとの話が終わったふりかえりです。
Aさんの気持ち、痛いほど分かります。ざわつく子どもたちと見通しのもてない自分の余裕のなさで焦り、「しめる」という強硬な手段にでること。
「ちゃんとさせなきゃいけない」と「楽しく自由にやりたい」
というダブルバインドの中で、子供が指示を聞かなくなっていくという怖さ。でも、A先生のすごさは、自分にできていないことをちゃんと自己開示して、「助けて」が言えること。「なんて質問したらいいかもわからない」とはっきり言えることがすごいと思いました。学年主任ががっつり受け止めてくれることを願います。

がんばれ!A先生!応援しています。


自分の見ている世界から自分を高める
共に学ぶ舎「HAG」


この記事が参加している募集

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?