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三角コーンに優しいまちは、きっと人にも優しい

夏に三角コーンを光る看板にする方法をシェアして、はやくも3ヶ月の月日が流れました。


あの投稿をきっかけに、イベントに出店させていただいたり、オーダーでのご注文を頂いたりと自分の環境がじわじわと変わっていきました。
中でも深刻なのは、私が感染した「三角コーン過敏症」という病です。
なにかをみれば三角コーンと結びつけて考えたり、まちで見かける三角コーンの使用方法をチェックしたり写真を撮ったり・・・。
寝ても覚めても三角コーンのことを考えているような気がします。
そんな私が先日新しい商品を出しました。

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それは個人的に作らずにいられなかった、シンプルでかっこいい駐車禁止の看板です。
今日はその商品をなぜ作るに至ったのかというお話です。

三角コーンに優しく手をかけてあげると、まちの景色って変わるんじゃない?

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三角コーンが生まれたのはwikipedeiaによれば1900年代初頭のアメリカ、ニューヨーク。当時はコンクリート製だったそうです。
それから100年ほどの月日を要して、世界の各地で使われている三角コーンは工事現場だけでなく、お祭りやイベントでも使われています。
重ねると収納スペースを節約できる。安価でホームセンターで気軽に手に入る。屋外での使用にも耐えることから三角コーンはまちの至るところで目に入ってきます。その扱われ方はまさに値段相応で、まちを歩いていると彼らの傷ついた姿や、力尽きてなお残る姿を目にすることもよくあります。

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そして、働き者の彼らの役割は三角コーンとしての簡易な警告や誘導に留まりません。あるときは駐車禁止を。ある時は車椅子専用駐車場を。ある時は喫煙禁止エリアであることを表示するために様々なオプションツールやラミネートされた印刷物を装備して働きます。

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一体どれぐらいの三角コーンが一年間に消費されているのでしょうか。
その統計は全然見つからなかったのですが、かなりの数の三角コーンたちが私達のまちで働いてくれているのは間違いないと思います。
それほどまでに三角コーンは意識さえすれば私達の視界に入ってきます。
三角コーンで看板を作るという生業をはじめた私にとってはなおさらです。
しかも正直三角コーンで作られた駐車禁止などの看板って正直ダサい
工事現場等の命の危険を伴うケースでは赤い色は「血液」や「火」の色を連想させるために必要性があるけれど、ちょっとした標識としては注意を引きすぎる。まち中にあふれかえる三角コーンってどうにかなんないもんなのか・・・。

そして同時にこうも思いました
三角コーンに気をつかって優しく手をかけてあげると、まちの景色って変わるんじゃない?
ひるがえってはそこで過ごす私達もごきげんになるんじゃない?と

三角コーンは自分だけのスペースで使うものではありません。
三角コーンを自宅に多く置いている人は・・・一人の漫画家さんが思い浮かびますがそう多くはないでしょう。
公共空間に置くものだから安く適当にすませがちになる。
けれど、そういった適当の積み重ねが公共空間に溢れていれば、人にもなにか影響を与えてしまうように思ったんです。

それから私はその考えを検証するために、まずはどこかにいい感じの三角コーンが売っていないかをインターネットで探し始めました。

ラグジュアリーだったりする三角コーンたち

世の中にはやはりいろいろなものが売っているもので、これまで知っていたものも含めて様々なかっこよい三角コーンタイプの看板を見つけることができました。

アメリカの西海岸を感じさせるようなデザインのもの
こちらでだいたい4000円〜5000円程度

また、こちらのテラモト ミセル メッセージポールは施設などでもよく見かけることができます。
文章などもオーダーできることからカスタマイズも可能。お値段は1万2000円ぐらいからサイズによって変わっていきます。
東京ではこちらに上からなにかを塗ってアレンジしているものも見かけたことがあります。

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更には高級感にあふれる「ラグジュアリー」を謳うラグジーコーンなんてものも
こちらはなんとアマゾンでも2万円以上の金額をつけています。(メーカー希望小売価格は4万円以上) 
実際に東京の一等地の銀行の前でも置かれています。

意外と高級なコーンの世界って広がっているもので、多分自分と同じように悩んでたり問題意識を感じている人がいるんだなと調べていて思いました。
そして、その上でもっとグラフィックのデザイン等にこそこだわって、相手に必要以上に警告をするのではなく、必要な情報だけ伝えられる。そんな三角コーンがあったらいいのになとより強く感じました。

そこから知り合いのデザイナーさんと相談を行い、前回の投稿から3ヶ月で作り上げることができました。それがこれからご紹介する「PREFAB SIGN」という商品たちです。

「PREFAB SIGN」という提案

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PREFAB SIGN(プレハブサイン)は、プレハブ小屋のプレハブを由来とする三角コーン看板のブランド名です。
プレハブというと安っぽいイメージや被災地での仮設住宅のイメージが湧きますが、「PREFABRICATION」を語源とする言葉だったりします。
プレハブ工法(プレハブこうほう)は、建築物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で製作し、建築現場で建物として組み立てる建築工法ですが、このPREFAB SIGNも同様に既にメーカーで生産されているものを組み合わせて作成するため安価に製造することが可能となっています。

市販の白の三角コーンと三角コーン用の看板を組み合わせ、そこにカッティングステッカーを合わせることでシンプルな三角コーン看板を提供しています。
いま提供しているのは下記の4種類となっています。どうぞ見てやって下さい。

NO PARKING(駐車禁止)

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NO PARKING(駐輪禁止)

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車椅子専用駐車場

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STAFF ONLY(関係者以外立入禁止)

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それぞれ、既製品と私の手作業でステッカーのカッティングを仕上げているために少しずつの生産にはなっていますが、1万円を切る価格でこれまでになかった三角コーンの看板ができたと思っています。

なぜ作ったのか・・・という話をこれまでも綴ってきましたが、ここまで文章を書いていて改めて思ったのは「自分が欲しかったから」という言葉に凝縮してもいいのかもということ。

アメリカのポートランドというまちに昔行って、(トラブルもあったけど)そのときにこのまちかっこいいなーって素直に思ったんですよ。
同時にどこか悔しいなって感じて、日本にはこんなんあるんやで!って言えるようなものを作りたかったというのが大きい気がしています。

もちろん、まちづくり的な考えとして、この三角コーンがまちに与えられる影響はきっと微々たるものだと思います。
ただ、神は細部に宿るではないけど、みんなで使う場所をかっこよく、心地よくすることを積み重ねていくことって大事だと思っていて、この三角コーンには、日々眺めてくれる人になにか感じ取ってもらえる。少しでもそんな役割を担ってほしいなと思っています。

個人事業の身ではじめたニッチなサービスですが、ぜひ機会があれば使ってやって下さい。また、使ってもらえそうな人にご紹介をいただければとっても喜びます。







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