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アップサイクルにも妥協なき熱量を コクヨ×足立道具店のコラボがたまらんかった話

「アップサイクル」という言葉を目にした時、一呼吸挟んでからモノを見る癖がある。

日々ニュースを賑わす環境問題や資源・ゴミをめぐる報道を見ていれば、明らかにこのままのペースで同じようなモノづくりは続けられないことはわかっている。
けれど、「アップサイクル」を売りにした瞬間、「モノ」としての機能的な価値への感覚が甘くなる。
それは、環境のためなのだから、多少の我慢は必要だと言われてしまえばそれまでなのだけど、我慢だけでは長く続かないのが実際のところだと思うのだ。

アップサイクルでいて、長く愛せるもの。
その両立ができなければ、アップサイクルで作られたモノそのものがまたすぐにゴミになってしまう可能性だってある。

そんな私の考えを明るく吹き飛ばしてくれるようなアイテムがお店にやってきた。
文具メーカーであるコクヨさんの廃材を活用したシリーズは、コクヨインハウスデザイナーである前田怜右馬さんと、足立道具店さんの共同開発。
今回はそんなアイテム達のことをご紹介させていただきたい。

材料はフラットファイルとデスクの廃材

フラットファイルと言われて、どれだけの人がすぐにその道具のことを思い浮かべることが出来るかわからない。
でも、見れば確実にオフィスで使われていたのを思い出せるのではないだろうか。

2穴パンチで穴をあけた書類を綴じておくための薄めのファイル。
安価で使い勝手がよく、大量に生産されるフラットファイルには、生産過程でどうしてもB品と呼ばれるものが出てしまう。
徹底した品質管理のおかげで私たちは質のよい道具を安定して手に入れられると同時に、どうしてもロスが出てしまう。

そんな廃材を使って、コクヨさんが運営する「働く・暮らす」の実験場「THE CAMPUS」と、当店でも人気のカラビナでおなじみの足立道具店さんがコラボレーションして共同開発したのが、今回ご紹介するアイテムたちとなっている。

例えばこのツールトレーというアイテム。
フラットファイルの廃材を2枚重ね合わせることで強度と表裏のカラーリングを変え、デスクの廃材である鉄をうまくはめ合わせることで出来上がっている。
その出で立ちはこれまでにない挑戦的な構造から生まれていて、なおかつ普段安価なオフィス用品として認識していたフラットファイルのカラーリングをインテリアとして成立するところまで押し上げている。

実際に組み立ててみると、しっかり折り曲げたり、鉄パーツをきちんと差し込んだりといった少しの手間できちんと出来上がる。
ジグソーパズルの製造を手掛ける「株式会社福澤製作所」さんが紙パーツをてがけていて、紙の強度をうまく使いながらシンプルにデザインされていることが伝わってくる。

デスクオーガナイザーもまた、シンプルでいて作りやすい形をしている。

使われている鉄パーツが、上の写真でいう左上に写り込んでいる小さなパーツだけなのだけど、実用可能なレベルの強度をしっかりと与えてくれる。

そして、最も使い勝手に戸惑ったのが名刺ケース。
風呂敷のように名刺を包み込んでくれるのだけど、このフタの締まり方が理解できそうで理解しきれない絶妙な構造をしている。

上の写真のような角度で鉄パーツを差し込むことで、フタ自体はちゃんと固定される。

フタ自体はバシッと閉まる感じではなく、写真のようにふわっと浮くのだけど、使い慣れてくるうちに落ち着くとのこと。
でもなにより、この不思議な差し込み感覚はぜひ味わってみてほしい。

なおかつ上の写真を見てほしいのだけど、デスクオーガナイザーと名刺ケースは実は一枚のフラットファイルの紙材から生まれていることも興味深い。
限られた条件の中で無駄を極力作らずに製品化していることに、ただただ感心させられてしまう。

そして最後にご紹介したいのがデスクの廃材として出てしまう鉄をシンプルに曲げた造形のツールスタンド。

パッとみただけでは何に使うかわからないけれど、このようにスマホ置きとして使うことが出来る。
シンプルでいて使いやすいので、気がつくと愛用してしまっている。

こんな素敵なアイテムたちを、ありがたいことにうちのお店でも販売させていただくことになった。
もともとイベント用に作られたアイテムだし、廃材にも限りがあるので数量限定。
今後の生産はこの売れ行きによっては継続販売も……とのことなので、木になっている方はぜひぜひ手にとっていただければと思う。
そして、アップサイクルである意味をしっかりと捉え直した、妥協のないモノづくりの熱量を感じていただければ嬉しい。

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