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山下義弘商店

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お店で売ってるもの、売ってないものだけど気に入ってるもの。熱量をもって書き綴っています。
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#私らしいはたらき方

リュックの肩紐の余りに、スッキリとした導きを【TAPE CLIP for Backpack】の話

リュックの肩紐の余りが気になったことはあるだろうか。 そう、リュックの肩紐を適正な長さに絞ったときに、垂れてしまうあの部分のことだ。 正直なところ、私はそんなに気にしてなかった。 別に行動が大きく阻害されるというわけでもないし、特に垂れていてもいいじゃないかと。 でもある日、原付での通勤の際のちょっとした不注意で、気づいた時にはそのあまり紐の先っちょが溶けてしまった。 エンジンなどの熱の高い部分に触れたのか、道路との摩擦でこうなったのかはわからない。 そんな経験を経て

クリエイティブの差は「筆圧」の差。 下敷き「Teriw(テリュー)THE BOARD」に嫉妬した話

見た瞬間に「やられた!」と思ったら、それはきっといい商品だ。 そんな風に思ったことはないだろうか。 私の身にもつい先日訪れた。訪れてしまったと言ったほうが正しい。 その商品がこちら。 一見しただけではなんなのかすらよくわからない。 でも説明をきいてみて、ひたすら悔しい気分になった。 なぜ、文具屋の店主はそんなに悔しさを前面に押し出しているのか。 そういったことも含めて、今回はそんなアイテム、多機能下敷き「Teriw(テリュー)THE BOARD」をご紹介したい。 悔し

まだまだ有線充電な僕らの500mの旅路

「部屋の中のデバイスが無線で充電できるようになる」 そんな研究が発表された瞬間、怖さもあるけれど「間違いなく便利だよね」と思った。 スマホやパソコンはもはや生活に欠かせないものとなり、いつだって電池残量のマネジメントは頭から離れない。 また、「Internet of Things ; IoT」なんて名称で呼ばれるモノのインターネットの技術は、日進月歩の進化をしていて、日常生活のありとあらゆるモノがネットに繋がり始めている。 ただ、現状それらの機器の「充電」にはまだまだ課題

コーン看板、歌舞伎町に立つ。 小さな文具屋のD2Cサービスが3年目に考えること

「三角コーンで看板を作ったりしながら生活をしています」 先日、学生の頃のバイト先に立ち寄った際、どんな仕事をしているのかを聞かれてとっさにそうこたえてしまった。 「え、なんならもう一度うちで働く?」と提案をいただくほど心配されてしまったので、逆に申し訳ない気持ちになってしまった。 しかしながら、「三角コーンで看板を作る仕事」は、親戚一同から心配をされる言葉の響きとは裏腹に楽しい。 むしろ、お店の経営を助けてくれている以上に希望を与えてくれている。 今回は三角コーンに魅せ

ボールペンの最高峰「ジェットストリームをオリジナルで」 小さな文具屋の妄想がまたひとつ叶った話

「オリジナルのボールペンとか作らないんですか?」 文房具屋さんを営んでいると、そんなことを悪気なくきかれることがある。 自分のお店を出した以上、頭をめぐるのはオリジナルグッズ。 その中でも文房具屋であれば、ボールペンがあってもおかしくない。 けど、なかなかその気にはなれないの理由があった。 それは、適当なインクのボールペンなんて自分が絶対に納得して使えないからだ。 ただただお店のオリジナルのものを作るだけならいくらでも作れる。 けれども、インクが詰まったり書き味が悪かっ

うちの商品は「復活の呪文」なのかもしれない

「しまった・・・。セーブし忘れた」 子供の頃から慣れ親しんだテレビゲームでも、大切な仕事のデータでも。 せっかく積み上げたことが、ちょっとしたセーブ忘れで無に帰すことがある。 昔にプレイしたロールプレイングゲーム、スーパーファミコン版のドラゴンクエストで、ソフトを起動した瞬間に「冒険の書」が3つ連続でおどろおどろしい音楽とともに消えたトラウマは、いま思い出してもゾッとする。 でも、現実ではそもそもセーブ機能なんてない。 一回きりの人生を、巻き戻したりできずに、時に勢いをも