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山下義弘商店

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お店で売ってるもの、売ってないものだけど気に入ってるもの。熱量をもって書き綴っています。
運営しているクリエイター

#おうち時間を工夫で楽しく

繋がるのは「地球のどこか」だけじゃない。 進化が止まらないどこでも窓「Atmoph Window2」の話

「え!? なにこれ? 窓??」 初めて来られるお客様の反応もすっかり慣れてしまった。 そう。窓と言っても本物の窓じゃない。 店舗としては珍しく展示をさせていただいているのは「Atmoph Window2」というデジタルな窓だ。 おうちの中に居ながらにして、世界中の様々な景色を4Kな美しい画質で動画に収め、ステイホーム期間が長かった私の心も少なからず癒やしてくれたアイテムだ。 過去に投稿させていただいたnoteもいまだにたくさんの方に読んでいただいていてありがたい。 ただ

うねり暴れる配線を優しさで包みこむ 【インテリアに溶け込む保護チューブ】を作った話

そもそもコードはなぜ絡まるのか。 そんなことを初めて考えたのは、買ってもらった音楽プレーヤーの有線式のイヤフォンがかばんの中でわっちゃわちゃになっていた時だったと思う。 別に頼んだわけでも努力したわけでもない。 それにも関わらず、イヤフォンやスマホの充電ケーブルは気づけば絡まりあっていく。 カバンの中でなら、まだ歩行時の衝撃の積み重なりが原因かな・・・と思うけれど、家の中のケーブルだって気づけばうにょうにょとのたうち回っている。 このコードのうねりを誰かがなんとかしてくれ

今年の冬はこたつでみかんを「DAN-TEN」で

冬は寒い。 それは基本的なことだけれど、古いビルをリノベーションして作られているうちのお店は、屋内にも関わらずなかなかに寒くなる。 ホットカーペットを導入したり、アウトドアブランドのインナーウェアを着てみたり、毎年工夫をしながらすごしてきた。 今回ご紹介するアイテムも、そんな試行錯誤を続けているうちに出会ったアイテム。 日本の伝統的アイテムでもある「はんてん」の要素を取り入れながら、現代に合わせてミリタリー調にチューニングされた「DAN-TEN」を今回は紹介させてほしい。

本は「読んでなんぼ」のものだからオススメしたい 『Kuwabara BOOK TAILOR』の話

「人の数だけ思い入れのある本は違っていい」 仲の良い本屋さんと、ふとそんな話になった。 本を多くは読まない人も、たくさん読む人も、手元に置いておきたい本というのはなにかしらあるのではないだろうか。 でも、そんな本も本棚の中で、ほとんどの場合埋もれてしまう。 かといって専用の額にいれてしまうのも、気軽に読み始められなくて・・・本として読むことに手間がかかるというのもどうなのだろう。 そんな話をしていた矢先、出会った道具がある。 それがKuwabaraさんのBOOK TAI

拝啓 のたうちまわるケーブルに悩む皆様。 インテリアに溶け込む保護チューブを一緒に作りませんかという話

「なぜケーブルはごちゃつくのだろうか」 それは、現代人の共通の悩みだと思っている。 スマホの充電、パソコンやモニター周りの配線.. リモートワークやお家時間が生活の中心にある現在、私達の視界の中に、そのごちゃつきがノイズのように入り込んでくる。 小さな文具屋を営みながら、ずっとそんなもやもやを抱えて生きてきた。 そしてそのモヤモヤは次第に私をネットサーフィンに駆り立てた。 ガチのケーブル保護チューブを模索する旅の果てに、ついに気持ちいいぐらいにケーブルを効率的にまとめ

ハズレのない日本の道具を世界の仕事場へ 小さな文具屋の妄想が形になった話

「全部オリジナルで商品を作って販売されているんですか?」 実際にお店に来られたお客様から、そんな質問をよく頂く。 もちろんそんなことはなく、95%以上の商品はセレクトして販売させていただいている商品だ。 さらに言えば、「海外から仕入れてるんですか?」という質問も多いけど、8割以上の商品は国内の会社のもの。 お店を初めて改めて実感したけれど、日本の文具メーカーさんはすごい。 利便性も高くてコスパもよい文具が日本には溢れているし、新たに商品を作る余地なんてないのではないかとす

小さなお店の作る「堅物なノートカバー」と「いいかげんなノート」が出会って起きた、ちょっとした奇跡の話

「すきな薄型ノートと組み合わせて使ってください」 そんな文具屋ならではの感覚で去年の10月にオリジナル商品のクラウドファンディングを行った。 クラシックな雰囲気と、中のページがしっかり守られるハードカバーノートのハードカバーだけを分離して販売しようというアイデアは、どれだけの人の心に刺さるのか正直不安だった。 しかしながら、そんな不安をよそに、付け替えられるハードカバー「IDEAL A5」はおかげさまで目標金額を大きく超えて、100万円以上の支援を集める結果となった。

走り出せ! 全人類の子供心 「PLUS ハシレエンピツケズリ!」が最高な鉛筆削りだった話

「親父(といっても差し支えない自分をはじめとする年代の大人たち)が夢中になるわけだ」 そう。はじめは正直舐めていた。 車の形の鉛筆削りだなんて… しかも名前は「ハシレエンピツケズリ!」だなんて… テレビでも取り上げられていますよ…なんて情報、いつもならあまり注目しない。 でも、自分のお店でも取り扱い可能だとわかったものだから、とりあえず1台だけ入れてみよう… そんな気持ちから、ついつい発注ボタンを押してしまった。 思えばこの時点からなんとなく感じていたのかもしれない。 こ

ガチ勢のケーブル保護チューブを導入したら、大嫌いなケーブル整理が快感に変わった話

「電気の配線がごちゃごちゃになってるよ」 そう。 そんなことは、言われなくてもわかっている。 気づいたらいつの間にか、ケーブルはお互いに絡みに絡んでごっちゃごちゃになっている。 別に絡ませたいわけでもなく、絡ませるよう努力したわけでもなく、誰かが触ったわけでもないのに・・・。 小売チェーン店で働いていたときには、「スパイラルチューブ」なるものを使って複数の配線をまとめなさいと上司から指示を受けては、最寄りの百均なんかに買いに走った。 でも、このスパイラルチューブというの

書斎のない私達の在宅勤務を支えるパーティションパネル 「SASAU」の話

「在宅勤務にしてもいいよ」 販売の仕事から事務の仕事に転職して半年が経った頃。 東京から関西の実家に戻り、片道1時間かけて通勤していた私に上司がそんなことを言った。 時は新型コロナウイルスが流行する2年以上前。 これが噂に聞くテレワークってやつか!と、私の心は浮足立った。パソコンさえあれば、人類は自宅ではたらけるようになっているのか!・・・と。 そこから先はご想像の通り。 はじめは、通勤時間ゼロの恩恵や、その働き方の目新しさを楽しんでいた。 でも、自分の部屋がないことに

未来の手触りは優しい。 スマートホームデバイス「mui」がお店にやってきた話

デジタルなアイテムが大好きだ。 スターウォーズをはじめとするSFもので、未来の世界にワクワクしながら成長した自分は、iPhoneのようなスマートフォンの誕生に狂喜し、スマートウォッチ、スマート照明等にも食い気味に飛びついてきた。 そこで満たされる未来へのあこがれは、興奮とともに急速に世の中に広がり、いまや日常になりつつある。 ただ、デジタルなあれやこれやが増えるたび、通知やブルーライトに目をやる機会が増えつづけてきてもいる。 冷蔵庫、家の鍵、エアコンに至るまでをスマートフ

私はゴロ寝に使います『絨毯のようなヨガマット』

運動不足だ。 高校生までは野球部で明けても暮れても走り込んでいた。 大学時代も深夜にお弁当工場で働いて買った自転車に乗ってボチボチ運動していた。 就職してからも、基本お店の仕事は立ち仕事。 運動してないように思えて、意外と体重は増えなかった。 転職したあたりから、近所にみつけた飲み屋(締めに最高のラーメンが食べられる)でボトルキープをしだしてからがマズかった。 上がる体重。 増える脂肪。 いま、こうしてお店で使っている昇降式のデスクも常に最下段から上がることはなく、毎

今だからこそ送りたい「言葉のサービス」をはじめます

「甥っ子とヨーロッパのチャペルに行こうって、この前話してたばかりだったのに・・・」 百貨店へのポップアップショップ中。 甥っ子さんへのプレゼントを探している、素敵な年配の奥様との会話の中で、ふとそんなお話になった。 お客様の言葉が終盤にかけて萎んでいったのはもちろん、その甥っ子さんとの旅行が当分の間は叶わないことがわかっているからだ。 それはもちろん新型コロナの影響が、日々深刻になっているからに他ならない。 思えばこれまでは便利な世の中だった。 新幹線や飛行機に乗って国