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山下義弘商店

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お店で売ってるもの、売ってないものだけど気に入ってるもの。熱量をもって書き綴っています。
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2021年7月の記事一覧

小さな羽根が引き出す空調のポテンシャル。 ダクトレールファンが手放せなくなった話

クーラーが店にない。 それは結構致命的なのだけど、一応理由がある。 アパレルの倉庫として使われてきた古いビルをリノベーションして作られた1フロアの中心よりに位置するうちのお店は6坪程度の小さなお店だ。 ただ、家庭用のクーラーを設置しようとしたところ、室外機置き場が遠すぎるので業務用のクーラーを取り付ける必要性や、室外機置き場まで配管を伸ばすには壁のいろんなところをぶち破らなければならず工事費もかなりかかってしまう。 更には将来的にお店を移転するとしたら、その穴をどうやっ

まだまだ有線充電な僕らの500mの旅路

「部屋の中のデバイスが無線で充電できるようになる」 そんな研究が発表された瞬間、怖さもあるけれど「間違いなく便利だよね」と思った。 スマホやパソコンはもはや生活に欠かせないものとなり、いつだって電池残量のマネジメントは頭から離れない。 また、「Internet of Things ; IoT」なんて名称で呼ばれるモノのインターネットの技術は、日進月歩の進化をしていて、日常生活のありとあらゆるモノがネットに繋がり始めている。 ただ、現状それらの機器の「充電」にはまだまだ課題

コーン看板、歌舞伎町に立つ。 小さな文具屋のD2Cサービスが3年目に考えること

「三角コーンで看板を作ったりしながら生活をしています」 先日、学生の頃のバイト先に立ち寄った際、どんな仕事をしているのかを聞かれてとっさにそうこたえてしまった。 「え、なんならもう一度うちで働く?」と提案をいただくほど心配されてしまったので、逆に申し訳ない気持ちになってしまった。 しかしながら、「三角コーンで看板を作る仕事」は、親戚一同から心配をされる言葉の響きとは裏腹に楽しい。 むしろ、お店の経営を助けてくれている以上に希望を与えてくれている。 今回は三角コーンに魅せ

ボールペンの最高峰「ジェットストリームをオリジナルで」 小さな文具屋の妄想がまたひとつ叶った話

「オリジナルのボールペンとか作らないんですか?」 文房具屋さんを営んでいると、そんなことを悪気なくきかれることがある。 自分のお店を出した以上、頭をめぐるのはオリジナルグッズ。 その中でも文房具屋であれば、ボールペンがあってもおかしくない。 けど、なかなかその気にはなれないの理由があった。 それは、適当なインクのボールペンなんて自分が絶対に納得して使えないからだ。 ただただお店のオリジナルのものを作るだけならいくらでも作れる。 けれども、インクが詰まったり書き味が悪かっ

中川政七商店の大日本市で、「個人的に勉強になった3つのブランド」のこと

「プロのカタリベとして、どのブランドが気になりましたか?」 日本の工芸を元気にするべく行っている見本市「大日本市」 そんなイベントを主催する中川政七商店さんから、うちのお店のnoteでの商品紹介方法を面白がっていただき、実際に商品を紹介するnoteも書かせていただいた。 そして訪れた「大日本市」の会場を一通りめぐり終えたあと、そんな質問を投げかけられた。 とてつもなくハードルの高い質問だ。 どの出展ブースも興味深かったし、素晴らしい商品ばかりだったと思う。 でも、そのうえ

うちの商品は「復活の呪文」なのかもしれない

「しまった・・・。セーブし忘れた」 子供の頃から慣れ親しんだテレビゲームでも、大切な仕事のデータでも。 せっかく積み上げたことが、ちょっとしたセーブ忘れで無に帰すことがある。 昔にプレイしたロールプレイングゲーム、スーパーファミコン版のドラゴンクエストで、ソフトを起動した瞬間に「冒険の書」が3つ連続でおどろおどろしい音楽とともに消えたトラウマは、いま思い出してもゾッとする。 でも、現実ではそもそもセーブ機能なんてない。 一回きりの人生を、巻き戻したりできずに、時に勢いをも

リュックの革新は「定番」の顔をしてやってくる。 毎日の相棒「THE DAY PACK」の話

「リュックの取り扱いがなくなって残念です そう言われるようになって久しい。 過去に取り扱っていたバッグが、取引先の判断で輸入をやめてしまったため、人気商品だったものの泣く泣く販売を終了。 じゃあ、他の会社から取り寄せればいいじゃないかと言われてしまえばそれまでなんだけど、生半可なものを取り扱ってもお客様は納得してくださらない。 これはどうかあれはどうかと候補はあがるものの、なかなかに「これ!」と言えるものがみつからないまま1年ほどが過ぎてしまった。 でもようやく満足のいく