TakLog-20200403-0430
4月は5回でWired日本語版編集長の松島さんが登場。前半二回が松島さんで、後半は櫻井さんが登場。書きながら面白いのは、この記事をまとめるルールとしてフルのPodcastは聴かないようにしているのと、様々なキーワードを調べながら、語りのバックエンドにある背景を探ることかと思っています。
2020/04/02「2020年代の必須科目~これからの学び」/ 松島倫明
2020/04/09「半歩先の社会を読み解く作法」/ 松島倫明
2020/04/16「これからの必須科目『データ人類学』を考える」/ 櫻井稔
2020/04/23「一億総引きこもり月間:家での素敵な過ごし方」/ 渡邉康太郎
2020/04/30「未来の当たり前を考える〜with-corona時代の働き方・遊び方」/ 田川欣哉
2020/04/02「2020年代の必須科目~これからの学び」/ 松島倫明
keyword
・Future Literacy ・データマッシブ ・コンクアとコンサーブ
・世界は分けても分けられない
・ガイヤ仮説 ・ノバ・セン ・宇宙船地球号 ・ピアノの蓋
この回を聴いて思ったことは、自分なりの研究分野を持つこと。
VUCA時代に入り社会や政治により方向性に頼ることができない中で、どう自分のスキルを拡張していくのかが重要。ここ言うスキルとして大切なことは社会にとって役に立つかどうかではなく、自分が面白いと思うモノ、興味の赴くままに調べたり、探究することです。
もっと言えば、仕事に全く役立たないようなモノへ視線を向けることが良いかと思います。Takram Radioでもキーワードとして過去に出てきたレヴィ・ストロースの「野生の思考」で言う「ブリコーラジュ」ですね。ちょっと調べらヒラクさんの記事が。
個人的には占星術を勉強した方が良いというアドバイスがあったので、これに好きな音楽を掛けて、アーティストのホロスコープと発売したアルバムに掛けて、出生図から見た「音楽性分析学」みたいな物を考えています。
アイデアとしては、小川隆夫さんの「ジャズメン死亡診断書」がヒントになっています。小川さんの場合は、医師であることとジャズが好きなことの掛け算から成り立つことがポイントですね。足し算ではなく掛け算が大切かと。
2020/04/09「半歩先の社会を読み解く作法」/ 松島倫明
Keyword
・黒死病 ・シン・ニホン ・ミラーワールド
・ブライアンイーノ ・プルーストとイカ
・SFの想像力 ・サスペンションのジャッジメント
・わからないことを受け入れる訓練 ・海外からの情報を取る習慣
有償な情報源についても自分でお金を出してちゃんと取得することは大事なことです。情報を鵜呑みにしないこと。その情報の裏を取る、確証が得られるまで調べ尽くす。日本の情報のみで判断せず、海外の情報も加味しながら、自分なりの視線で物事を分析し、結論を決めすぎず、判断を止めたままわからないことを受け入れる事ですね。
これで思い出したのが内田繁さんの講座を専門学校へ入る前に受けたときにこんな事を言ってました。
縁側を始めとする「日本人の持つ分けられない感覚」を自覚するべきでは。日本人以外は明確に分けること良しとするが、このグレイの部分。つまり、分けらない事を感覚的に理解できる稀な人種なのではないか。
2020/04/16「これからの必須科目『データ人類学』を考える」/ 櫻井稔
櫻井さんが登場。TakramCastで神回があって、かなりに真面目な話から下世話に話に振って、おやじギャグをかます、という個人的には好きなキャラクターです。
とは言え仕事は凄いことをやっているので、とても面白い方だなぁと思っています。
Keyword
・テセラ ・認知限界 ・メンタルモデル ・ノックスの十戒
・フリップ K・ディック ・アイザック・アシモフ
・震災ビックデータ ・Resas ・市民データサイエンス
昔、仕事で商品の受発注を2シグマに発注予測モデルを作りましたが、前提が変われば普通に受注数は変わるのと、様々な閾値の設定が多すぎるので、予測はできないが正解。ある程度の精度であれば自動的でも大丈夫ですが、緻密にやろうとすると人間の判断が必要になります。
ここが重要で、AIは予測に基づくモデル、パターンを作って、その中で肝となるモデル、シナリオを人間が判断する。この部分って、AIには判断できないので、ここは人間の役割のままになると思っています。
あとは、AIを導入して受発注を任せ、発注担当者の人員整理して、一時的に在庫が急激に減って、ある時に急激に増えて、システム導入の犯人探しが始まるパターンですね(笑)
ここで考えないといけないのが、そもそも受注があれば、全て納品するってと言う既存のスキーム自体を見直しが必要だと思っています。
難しいのですが、価値を理解し、適切な価格で購入してもらえるユーザを育てることが重要でしょうか。あとは転売に関わるレギュレーションの整備も必要かと。
イントロのSF作家を調べて見たところ「フリップ・K・ディック」は、「マイノリティー・リポート」の原作者のが驚きつつ、「マイノリティー・リポート」はとても大好きな作品だからです。
エンディングでロナルド・ノックスの「ノックスの十戒」を確認していたら、小説の書き方を教えてもらえるサイトに辿り着きました。
本題に戻って、データの捉え方は気をつけないといけないですね。コロナの死者、感染者数等は客観的に見て、良し悪しの判断は必要かと。ファクトフルネスな視点で、世界と比較でデータを見る、この視点も必要。
そして、櫻井さんが震災ビックデータの分析で取材班から受けた指摘。データは、価値を平準化はできるが、個々の重みや物語性は語れないので。この点を肝に銘じて、扱うデータの重みと意味を考えないといけない、と思いました。
2020/04/23「一億総引きこもり月間:家での素敵な過ごし方」/渡邉康太郎
Keyword
・journeyの語源 ・自転通勤の役割 ・デフォルトネットワーク
・葛飾北斎 ・93回引越し ・改号30回 ・ムーミンパパの言葉
・暇と退屈の倫理学 ・遅延ニューロン ・結論を知っても意味がない
・結論の奴隷/公式の奴隷 ・名前のない時間
イントロのムーミンパパの格言が良いね。スナフキンも良いし。
大きな旅立ちというものは、書物の、第一行目の文章のように、重要なものなのだよ。その一行が、この一瞬が、すべてを決定づけるんだ
我が家の場合は、嫁もですがお茶や香りの良いモノが好きなので、緊急事態宣言で在宅が始まる前に千駄木で見つけたお茶屋さんの和紅茶が上手くて、2種類を1ヶ月で飲み切る計算だったのですが、3月から種類を増やして3種類にし、4月は4種類にしてみました。
昔、紅茶専門カフェで紅茶を淹れていて、仕入先の紅茶に限定されますがインストラクターの資格も持っていました。そのため、それなりに美味しく淹れられると思ってはいます。あと、BlueNote Tokyo近くにある日本茶の専門店の方から聞いた煎れ方も試していたりします。
最近は、専ら茶葉の出涸らしを使った炒って乾燥させて、「ふりかけ」、「クッキー」、「パウンドケーキ」、「ケーキ・サレ」と変化をつけています。水出しも美味しいですよ。別の記事として書けそうですね。なので、け本題に戻りましょう。
この回を聴きながらコロナと言う強制的な現象で仕事、家族、社会を大きなパラダイムシフトに遭遇することになったのですが、ここで思うのは、集めること、数を集約することの価値だけが評価されているのかもしれないと。
コンサートも人を多く集めれば良い。CDも多く売れれば良い。お店も詰め込めるだけ、詰め込んで儲ければ良い。飛行機も早く多く人を運べば良い。今回の出来事が良い意味で、過ごすことが人の距離を保てるゆっくりした空間で過ごせるようになることを期待していたりします。
また、労働時間って、本当に週40時間必要なのかしら。30時間で十分なのではないでしょうか。イメージとしては週休3日くらい。労働時間は1日8時間でも良いし、1日6時間を5日でもありになると良いかと。
法律に時間的な規定ではなく、会社と個人の裁量による労働契約にシフトするのかと思っています。ただ、最低賃金は2倍は必要かと。あと雇用する側の法律も変える必要があるとは思いますが、段階的に変化すれば良いと思っています。
エンディングの手前あたりで「結論の奴隷/公式の奴隷」と言うキーワードが出てきて、思い出したのが小沼ようすけさんの言葉。
あまりゴールを考えすぎると、通過地点に落ちているラッキーなことを見失うことが多いからね
前後の話の流れを含めても、結果は大切だけど、そこに至るまでの過程を楽しむこと、この視点は忘れたくないかと。
あと「名前のない時間」も大切かと。どうしても時間を有意義に使うことに注力してしまうので、個人的に在宅勤務で仕事ができてしまうのが、ちょっと嫌なのですが。
大人がもっといい意味で、子供と過ごす時間、妻とゆっくり美味しいお酒を飲みながら食事しながら、語らう時間等、もっとゆっくりと過ごせれば、精神的にも社会的にもよくなるのでは、と思っています。
これは金額の多寡ではなく、その時間を共有できることが本当の贅沢と思うからです。個人的には美味しい酒を遠慮なく飲めるようになったのがとても良かったなぁと思っています。
2020/04/30「未来の当たり前を考える〜with-corona時代の働き方・遊び方」 / 田川欣哉
keyword
・レスポンシブな働き方 ・時差のみが障害となる
・留学生が採れなくなる ・マズローの5段階欲求
・カウンターアーバニズム ・地球を横の輪切りから縦になる
田川さんが登場。昨今のコロナ化の前と後について、鋭く考察していきます。Takramの田川さん、渡邊さん、佐々木さんの立ち位置が面白いと思っています。
田川さんが歴史家か文化人類学者的なスケールの大きさと、大きな流れで物事を捉えるのに対して、佐々木さんはビジネス寄りの視点、経営者的な視点で物事を捉え、渡邊さんはどちらかと言うと消費者よりポジションで物事をみる。でも、3人は同じ会社の人。このバランス感は面白いなぁ、とみています。
番組でも紹介されていた企画展はこちら。出展されているデザイナーの方々のへのインタビューも貴重なので、とても良い企画ですね。田川さんが一番やりたかっただろうな、この企画。
で、この回を聞きながら社会、組織、個人に「アジリティ」が求められているのかと思いました。個人で言うと会社でしか収入がないことが不味い状態ですね。コロナ関連の記事で、社員が副業を始めると言う記事が目をしますが、これは不可逆な流れになるのかな、と見ています。
そして、嫁の実家が農家なので、こう言う時は強い。直売所で散歩がてら外に来るお客様が増えているので、大盛況らしいです。あと、コメは知り合いの農家から1年分買ってあるので、そもそも困らない。ただ、色々と聞くと自然を相手にする仕事だし、体を使う仕事なので、大変なこと多々ありますが、この状況下だと強い。
要は会社に属していながら、日銭を稼ぐ手段を普段から磨いておくこと。すぐに役立たなくても、いざというときに備えて準備する。何をしたらいいのか良いのか分からないと言う方はこちらのPodcastを。
さて、いつ完成するのか分からない卓上バックロードホーンのスピーカー作りを再開しなければ。10年後くらいに、もしかしたらサイドハッスルになるかもしれないので。