見出し画像

輪読会 書籍「インストラクショナルデザイ理論とモデル」第2章

こんにちは、やまおかです。

参加しているメンバーから学びの多い輪読会でのディスカッション内容をメモとして残しておきたいと思います。

輪読会 対象の書籍は『インストラクショナルデザイン理論とモデル』

第2章「コンピテンシー基盤型教育の原理」

著者は以下2名

  リチャード・A・”リック”・ボールヒーズ

  アリス・ベダード-ボールヒーズ

はじめに に記載されている文言が刺激的である。

「コンピテンシーは、学習の進捗状況を測定し報告してきた100年来の伝統に挑戦するものである。」

「教育者は学習成果を記録する代わりに、構造化された学習活動に費やした時間だけを判断材料にすることに慣れている」

「(学習に必要な)標準的な時間単位を、学問の価値を示す標準通貨の好ましい形として提唱した。この標準化は、教育の焦点を「産業工場方式と類似した教育機関の効率性と生産性」に移した。」

この単位のことをカーネギー単位というそうです。


1.コンピテンシーとはなにか

そもそもこの章で取り上げているコンピテンシーとはなにか?書籍では

「特定のタスクを実行するために必要なスキルと能力、および知識の組み合わせ」と1つのガイダンスを与えている。

書籍中でも、次の論文でも引用されている(10/12ページ)、Jones の コンピテンシー階層の図が解りやすい。

公衆衛生分野における人材育成の動向と課題 ―コンピテンシーに基づくアプローチ―

この図をみて、私達は、「学習過程の中での発達」の階層にあたる、スキル、能力、知識 に焦点をあてすぎていると感じた。視点をもう一階層引き上げて、コンピテンシーにも目を向けないといけないと感じた。

また、スキル、能力、知識 が相互作用し 統合的学習経験の結果、コンピテンシーが開発されることが示されている。


輪読会では、コンピテンシー と パフォーマンス の違いも話題にあがった。

Competence:ラテン語のcompetere(ともに努力するが語源)が由来。一定の時間やテスト条件の下で何かをする能力を持っていること。
Performance:日常的に行っていること。見ていないところを含めて。
Know-Can(Competence)-Do(Performance)でも表現される。
その他の違いとしてはSettingで、ちょうどIn vitroとin vivoの違いと似ている。

カリキュラム(Curriculum)とシラバス(Syllabus)の関係

シラバスは、学習者がマスターすべきリスト

2章の主題である、コンピテンシー基盤型教育では、「学習者に期待されるパフォーマンスに基づいてコンピテンシーを記述する。」を原理1としています。よって、シラバスには行動ベースで学習者が達成すべき目標をリスト化する。その際、パフォーマンスを学習者自身が確認できるように、定量化しておく必要があると記載されています。

カリキュラムは、シラバスを達成・完逐させるための道筋という話も輪読会で出ていました。

コンピテンシー評価の話では、ルーブリックにも話が広がり、授業設計として、逆向き設計(まずパフォーマンス評価、ルーブリックを作ってから、内容を検討していく)も話題として出てきました。

ルーブリック関連の資料

VALUE Rubric

カリキュラム・科目・課題の学習・教育達成目標の達成度評価法とこれらに使用するルーブリック作成法(Valueルーブリックのカスタマイズ)

VALUEルーブリックの日本語訳

ルーブリック作成の際に、参考になります。

コンピテンシー、パフォーマンスの話になると、必ずそれをどう評価するかの話もついてきます。今回は、評価の話を中心にルーブリック記述などの話に派生して、評価方法も再考しなければいけないと気付きを得られました。

よろしければサポート宜しくお願いします。研修用機材購入にあて記事にさせて頂きます。