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「同居人が不安定でして」3巻感想

「同居人が不安定でして」の3巻を読みました。3巻であり最終巻。この素晴らしい百合漫画が終わってしまうというのは大変寂しいです。

それでは感想を……


「同居人が不安定でして」はタイトルの通り、仕事も同人活動もしっかりしている「しっかりさん」と、絵の仕事をしているけど生活能力が無くて気持ちも不安定な「不安定さんが」一つ屋根の下で暮らしているという同居コメディ漫画です。「新米姉妹のふたりごはん」しかり、「ふたりべや」しかり、同居をテーマにした百合作品は多いですが、これもそんな一作品。同居する二人がともに社会人というのがやや珍しいかもしれません。

内容も、普段は不安定さんとしっかりさんとの間で起こるドタバタコメディを中心にしているので、百合的な描写はそれほど多くはなかったのですが、今回の3巻は最終巻ということもあってか、今までより百合描写が多かった気がしました。しっかりさんが隙あらば「顔がいい……」ってほめるのがかわいい!

というか今回しっかりさんが不安定さんのこと(特に顔)を好きすぎるのががっつり描写されていましたね。すぐに顔褒めるし、ドキドキしてるし、服とか買ってあげようとするし……。自分は顔のいい女性に骨抜きにされている百合が大好きなので、3巻は特に大満足でした。

しっかりさんが「初恋なんです……」と告白ともとれる発言をしたり、不安定さんと離れたくないためにあらゆる努力をしたり、しっかりさんの気持ちが随所に描かれていたのがよかったです。描写は少なくてもしっかり好きだと伝わってくるのが本作の良いところだと思います。

私は、きっかけがたとえ些細なことでも、出会った二人が互いに強く求めあって、別れがたい絆を育んでいくという関係性がとても好きです。たとえば百合漫画ではないですが「きのう何食べた?」のシロさんとケンジは、きっかけはケンジの家が水没したことから始まった同居生活でしたが、いまや二人はすっかり人生のパートナーとして強い絆を作っていて、そういう作品を読んでいると幸せな気持ちになります。「同居人が不安定でして」もそんなところがあって、しっかりさんと不安定さんが同居している理由は「一緒にいて楽しいから」と語られているんですが、実際二人で住む理由はそのくらい単純でいいんだ! と思わせてくれます。ルームシェアというと多くの人が「金銭や生活文化のトラブル」「仲がいいだけじゃ我慢できないこともある」といったネガティブな意見をしてきますが、そんな心配「つまらない!」と吹き飛ばせるような爽やかさがありました。しっかりさんの「自分の好きをあきらめない」その姿勢はとてもかっこよかったです。

誰かと一緒に暮らすことのすばらしさを伝えてくれる、素晴らしい百合漫画でした! 完結は本当に残念! 以上です。

追記:そういえば同じ社会人同居百合「同棲生活 わたしを好きってことでしょ」も発売されましたね。そちらも読むのが楽しみです。

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