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天風哲学で学ぶ社長のあるべき姿 3-1

社長の仕事は「金の管理」と「人の管理」で十分(3-1)
ここでは小規模企業の場合を例にとって述べる。極端なことかもしれないが、私の経験からいえることは、社長の仕事(管理)とは「金の管理」と「人の管理」で経営の80%以上をこなしたといってもよい。しかし実態は「金の管理」から逃げている姿が多く見受けられる。社長の奥さんや身内、あるいは従業員に経理を任せ、自らは営業や現場の仕事を優先している姿である。
 
社長が自らお金の心配(資金繰り管理)をするからこそ、模索し、対応策を考え、そして行動へと移るのである。「自ら営業活動して売上高を確保したいという意欲がわき、あるいはやらねばならぬ…いう強い危機感を抱く」、また「仕入原価などにメスを入れ原価率を下げ、利益を確保したいという前向きの行動が生まれる」、さらに「社長が率先して取引先に出向いて早めの回収に動きたいと…」、「無駄な経費を削減して資金繰りを楽にしたいなどと…」などの行動につながるのである。規模が大きな会社になれば、役割分担が明確になっており、また各部門の管理がしっかりしているので社長は組織全体の管理で十分であるが、小規模会社こそ社長が自ら率先して動かなければならない。
 
社長たるもの、その地位についたなら「イヤなことを率先して行う」という前向きな気持ちを持たなければならない。血液がまわらない人間は死に至る、同じように資金繰りが止まる会社は行き詰るのは当然である。責任あるトップがお金(資金)の心配や管理を行うのは当然であり、むしろ積極的に取り組むべき仕事である。
 
私は資金繰り表を作成してお金の管理をすることを推奨している。一般的に資金繰りを作成する場合は、金融機関の依頼からのケースが多く、作成しても直近3ヶ月ぐらいである。これでは当面の目先の管理しかならないので、できれば向こう1年ぐらいの予測をして管理しなければならない。
例えば、資金繰り表から3ヶ月先に資金ショートが発生することが判明したとすれば、今から対応を考えなければならない。今日の明日ではやりようがなくなるが、早ければ早いほど時間の余裕が生まれ対応策の幅が広がる。
 つづく

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