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晩秋はロードキルの季節

なんのこっちゃわかりませんよねコレ。説明します。

アメリカでは一部の大都市圏を除き自然がいっぱいで、生活していると多くの動物や鳥に出会う。以前春頃に書いた「赤い鳥・青い鳥・オレンジの鳥」でも、季節の移り変わりを鳥の来訪で知る話をした。

一番多く見かける動物といえばなんといってもリス🐿️。裏庭にはたくさんのリスたちが住み、毎日あちこち走り回っている。庭だけを走っていれば問題もないが、リスくんは道路を横切るのである。これが文字通り「死のロード」となる。

アメリカでは毎日、ほんっとに毎日、車に轢かれて道路でスルメになっているリスを見る。スルメならまだいいが、大抵は内臓が飛び出し、血のりがベターっと路面に張り付いてもの。おそらく管轄の市町村が掃除しているものと思われる。一日に全米で何匹のリスが道路で死ぬのか想像もつかないが、このように道路で死ぬ動物のことを「ロードキル」と呼ぶ。

リスは春から秋がロードキル・シーズンだが、コロナの初年度は春から半年くらい外出する車が激減したため、夏には例年より多くのリスが走り回っていて、いかに多くのリスが車に轢かれているかがよくわかった。

そこで晩秋が訪れ、もっとも多いロードキルが鹿🦌である。鹿は晩秋から初冬にかけて繁殖期となり、雄鹿は雌鹿を求めて通常の生活圏を超えて遠出する。鹿はたいてい森林の中で暮らしているが、餌に困ったり迷子になったりして町中に降りてくることがある。わが家の近くには大きな森林があり、そこには数百頭単位で鹿が棲息している。たまに近所の道路まで来ることがあるが、のんびりと道路を横切っても車もそんなにスピードを出すところではないので、轢かれたりはしない。

しかし盛りの時期には普段近づかないハイウェイまで到達してしまい、猛スピードの車に突っ込んでしまう。その結果、ハイウェイ脇に巨大なロードキルが横たわることになる。

先月私の二つ前の車のサイドドアに、横から飛び出してきた鹿がぶつかった。鹿はパニック状態だったが即立ち上がり去っていった。正面からぶつかると車はボコボコになり、保険でも処理されないため数千ドルかけて自腹で修理しなければならなくなる。目撃した車は、その意味でラッキーだった。

先日もサッカーリーグ戦のアウェーの試合のため遠くまで出かけたのだが、ハイウェイ脇に鹿の死体を何体か見かけた。

一番強烈な思い出は、かなり遠くの田舎町まで試合に行ったときのこと。公園内のサッカーフィールドは道路から数メートルしか離れておらず、サイドラインのすぐ横2メートルくらいのところに🦌くんが横たわっていた。

相手チームの選手に「ちょっとこれ・・・」と私が指差す「そうなんだよマイフレンドが」と申し訳なさそうな顔をしていた。

リスの死体は1-2日中に片付けられるが、鹿の死体はなぜか数日か数週間横たわったままである。気温が低くなっているので腐敗はしていないが、早めに片付けてもらいたいのである。

東部にはいないが南部のテキサス州ではハゲタカがやってきて鹿を丸ごと食べてしまい、骨だけが道路に残されているそうだ。それもまた強烈な光景だ😳

先週の日曜日負けてしまったアウェーの試合からの帰り、増えたロードキルを見ながら「秋が深まったなぁ」と実感した。

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