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最近の記事

箱庭にて

「よし、これから期末テストを返却する」 「60 点に満たなかった者は再テストだからな」 「次も落第したら名前を公表するから覚悟しとくように」 はるか未来、高度に技術が発達し、日常にロボットが溢れる時代。 大方の作業はロボットによって自動化され、供給源である電力さえも自発されていた。 生活は便利になる一方、持て余した時間が様々な問題を引き起こしていた。 作業を奪われた吐口が見つからないのか、現状の娯楽で満たされなくなったのか。 人型ロボットに対する暴行事件が頻発しており、今月

    • 禁域

      あそこには行ってはいけないとされていた というより、そもそも行くところではないと 外には危険が溢れているから 外の世界には謎の光線が満ちていた 誰が何のために、いつからそれが行われているかもわからなかった 絶え間なく続く攻撃、それを防ぐバリア網、バリア内での生活 生まれてから死ぬまでそれは当たり前の光景としてあり、幾度となく繰り返された 周りの連中は口を揃えて言う ここにいれば安全なのに何故外に出ようとするの 別に場所が狭いわけでもないし食料がないわけでもない 昨日と同じ

      • 消去

        どこにでもありそうな古びたビルの目の前に青年はいた。 ビルを見上げるその青年は疲れ切っていた。 この所何をやっても上手くいかず失敗続きだったためだ。 懸命に尽くしてきた会社で大きなミスをしてクビになり、それが起因して様々なトラブルに巻き込まれていた。 たった今も、苛立っていたことから殴り合いの喧嘩になり、相手に殴られた頬が鈍い痛みを伝える。 もう限界だ。 あれもこれもあの失態さえなければ。 ビルを目の前にして重くなった足取りを立て直した。 「よくぞお越しくださいました」

        • neuron

          その国は平和だった。 決して裕福ではなく小さな国だったが、国民達は力を合わせて豊かな日常を維持しようと奮闘していた。 王政側は国民が幸福に暮らせるように統治方法を改善し、外交にも力を入れていた。 国民達もまた、国を維持するために精一杯働き、日々の暮らしの利便性を求めて様々なものが開発されていた。 そんな中、王宮の一室にて何人かが浮かばない顔をしていた。 「国王、やはり今年も3%減っています」 ある調査員がそう告げ、国王はまた深い溜息をついた。 国の健全性を測るた

        箱庭にて

          戦火取り巻く戦場に相対する武将の姿があった。 両軍どちらも引けを取らず、戦況は五分五分。 まさにこの戦の勝敗を決定付ける一騎討ちがこれから始まろうとしていた。 「ようやく相見えることができたな」 相手はそう口にする。 前にも聞いたような台詞だ。いや、台詞だけではない。 この状況を前にも経験している気がしてならない。 過去の戦と混同しているのだろうか。 「我が名は〜である」 相手に続こうとするが、自分の名前が出てこない。 どうしたことか、様子がお