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xxxx PAYについて思うこと

消費増税にあわせて戦国時代に突入したスマホ決済。いわゆるQRコード決済先進国である中国から輸入する形で2018年ににわかに勃発したネット業界で最もホットな市場領域である。

リテール決済のネット化率はまだ10%台といわれ組み合わせによる伸びしろが大きい、デジタル化によるイノベーションやコスト改善効果による収益性が見込めるだろうと各社が大金をはたいて参入する分野。

既存のリテール各社も、ネット業界側からのOMOを見ているだけではなくてこれまで膨大に蓄積してきた内部留保による大量の新規事業用の資金を投下するからこそ面白い。ネット側だけはない投資マネーの流入こそがこの市場の本物感・出口戦略としての安心感を感じさせる。

2年ほど前まではfintechと言えばブロックチェーン分野が最もイノベーティブで、投資資金が投下されてきた分野だった。

グローバルな資金移動、要は半アングラだったかつてのオフショアマネー移動が表舞台にたち、カジュアル化しようとしたこと、インターネットを介した資金とデータの複利的な価値移動に、イノベーションと収益性が見いだせるとしてゴールドラッシュが起こったことは記憶に新しい。

とはいえその大半が緩い規制の中で詐欺や、ハッキングによって費やされてアングラな世界に消えた。開発の担い手だった若者はICOによって小金持ちになり、モチベーションを失いイノベーションの停滞、及びその分野を投資続けるマネーが明らかに不足しつつある中、fintechの主役は日本においては間違いなくxxxx  PAYに置き換わった。

そうしたかつてのブロックチェーン分野に残るのは初期のイノベーションに乗り遅れた技術に希望を持つ若者ばかりという現実。

もちろんそれを誰かが買い支えられればよいのだが、今はネット各社はxxxx PAY戦争に忙しいし、マクロ投資環境は厳しさを増すばかり。

考え方によっては今は死の谷なのだから、躊躇せず淡々と生き残るかいったん退場して再入場すればよいのだが、いずれにしても胆力が試されるフェーズだ。

金融行政ではがんじがらめの規制が包囲網を狭め、技術的イノベーションが起こる気配もいまだ感じさせないのも気がかりだ。

xxxx PAYの話に戻そう。

消費増税前後、テレビで連日のように特集が組まれる。C向け事業拡大にこうした世の中のマクロ的な動きに便乗するのは勝利のための必須事項だ。

3強・5強に入れたか否かは株価を買い支えしてくれたり、さらに多額の投資マネーを投下し、応援してくれる投資家に向けたメッセージとしては大きいしブランド価値はバブルのように勝手に膨れ上がっていく。

とはいえ実際は3社生き残れてやっとだろう。paypay、suica、あと一社あたりか。

paypayはヤフーのブランドに並ぶブランド価値の創造が着実に進んでいて、zozoの買収しかり、強力なネット・リテールコングロマリットの中核になっていくのかなと思う。

検索エンジンを中核としたヤフーグループが、paypayを中核としたネット・リテール経済圏を作っていくのだと用意に想像できる。

メルカリも、Lineも、家電量販店も、通信キャリアですら、もはやxxxx pay陣営側に買収される側の存在でしかなくない。

シリコンバレーの勢力と互角に打ち勝っていくためには、それぐらいの世界観が求められる。

国内陣営でそうした気概を感じるのは、唯一マネーの力に正面から立ち向かうpaypayぐらいだろう。

didiと提携しているのはそういう世界観の一環としてすばらしいといわずにはいられない。とっとと地場のタクシー利権を破壊してほしい。

いろいろ書いたけど、とはいえ決済事業は単体としてはさして儲かる感じはないが、企業グループの再編という観点とありあまるグローバル投資マネーの出口としてとらえるのがよいのではないかと思う。

それぐらいの大局観がないとこの分野では全員が負け組になってしまうのだろう。

この記事は「投げ銭」記事です。ポジティブにお金が回る仕組みにしてみたいと思いました。記事をおもしろいと感じてくださった方は「投げ銭」をよろしくお願いします。