西武新宿線で泣いていたあの子は。

東京の電車でよく泣く男の子。
山手線、カラオケ夜勤バイトの後、どうしようもなくなり昼まで何週もして泣いた。
東海道線、人の多さと悪意に負けて帰宅できなくなり、神戸の友人に鈍行で行った。品川から乗った鈍行下りでも泣いた。
西武新宿線、家に帰る下り電車も、大学に通う上り電車も、泣いた。

自分じゃどうしようもないことが重なると、無力感と孤独感ですぐに泣いてしまう。
自分じゃ前に一歩も進めないのに、乗ってしまった電車は動いていくままだ。
もう進めない。進み続ける電車でなみだ。

学生時代の多感で、くだらなく、ひとりよがりな、高田馬場起点の涙たちとはお別れできると思っていた。

山陽新幹線、たった4か月の出張じゃないか、そうのぞみ55号は笑うようだ。

電車でまだ泣いちゃう。あの時のシクシク男の子のままだよ、4年前のワタシへ。

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