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20240407春のにおい

「春の匂いがする」と、つい先日、会社の若手が言っていた。

きょう朝起きて居間の窓を開いたとき、僕も春の匂いが部屋のなかに流れ込んでくるのを感じた。湿り気と、暖かくなる予感と、少しの埃っぽさ。

春の匂いがするとはいっても、正直なところまだ若干肌寒い。もう少し暖かくなればと思いもするが、最近は気温は一気に上がるものだから、望むべくもないのかもしれない。気がついたら酷暑に見舞われて、冬が恋しくなっている自分の姿が思い浮かぶ。

今週は土曜日も日曜日も予定がなくて、家でだらだらしている。仕事のときは液晶を眺めてばかりいるから、休みの日くらいは散歩をして遠くを見た方がよい気もするが、いまのところまだ外出していない。

外の道を車が走ってゆく音がする。車が駆けたあとから風が巻き起こり、春の匂いは舞い上がり、この部屋まで運ばれてくるのだと想像する。

家の中で、春の匂いを嗅ぐ。それだけで、自分も世間の春に加わったような気持ちがする。

外に出たい気もするが、着替えるのが面倒だ。妻に誘われたら出掛けてもいい。薄ぼんやりした空模様を見て、そんなことを考える。

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