スタビライズドウッド作成方


Ⅰスタビライズドウッドとは

Ⅱ必要設備

Ⅲ作成方法

Ⅳ容器が二つ使える人向けの作成方法


Ⅰスタビライズドウッドとは
スタビライズドウッド(stabilized wood)とは、アクリル樹脂を木材の中に含浸させた後 に硬化させることで、木材を強化し耐水性、耐摩耗性を向上させたもの。樹脂を着色する 事で、木材内部まで色が浸透しており、塗装と異なり色が剥げるようなことがないのが特 徴。 木材の密度が硬く強い箇所には樹脂が浸透せず、逆に密度の無いところへはよく浸透する 為、天然の色と鮮やかな発色が複雑に絡み合った模様が特徴

・成功させるコツ

① 木材の乾燥が一番のコツです。
・乾燥を徹底的に行う。(火災に注意)
・乾燥させて随時重量を計る。それぞれ木材によって含水率が全く違う。
同じ材であっても全く違うので、とにかく軽くなるまで乾燥させる。 重量が減っていくならまだ水分が残っています。とにかく徹底的に乾燥を行う。

⓶ 容器を二つ用意出来る方が出来る方法 (Ⅳで解説)
・予め木材を真空容器に入れ空気を抜く
・真空になったタイミングで含侵液を入れる。
・含侵液注入時に混入した空気を真空ポンプで抜く。

Ⅱ必要設備
①真空ポンプ
②100度-110度で熱を供給し続けることが出来るもの
③食品乾燥機 (あると乾燥に便利)
④木材含侵材
⑤真空チャンバー

① 真空ポンプ
下記条件を満たすもの。
・真空度 100 ミクロンを達成できるもの
・ロータリー式真空ポンプ

② 100度-110度で熱を供給し続けることが出来るもの
アクリル樹脂を熱によって硬化させる為に使用する。
温度を 100度前後に保てるものであれば何でも良い。
1時間~3時間焼くことになりますのでタイマー付きをオススメします。

③乾燥機
木材をカット後、乾燥機で木材が乾燥しきるまで乾燥を行う。

④木材含侵材
ここで買えます。

https://www.creema.jp/item/14850466/detail

⑤真空チャンバー
真空で耐薬品性があれば何でも良い
ここで買えます。


Ⅲ作成方法

① 乾燥(火災に注意)
② 荒熱を取り真空浸透
③100 度で硬化 含侵した液の量によって焼く時間が違うのでそれぞれで検証してください。
④研磨・・・ベルトサンダーにて研磨がおすすめ

① 木材を乾燥させる。
スタビライズドウッド作成において、木材の乾燥が一番重要な工程です。使用する機材は 様々かと思いますが、下記機材が今のところよく使われている。
バッチ式乾燥炉は電熱線に木くずが混入して火災には十分注意してください。(経験済み)

・乾燥炉
含水率は木材によって様々で、同じ木材であっても部分によっては全く違う。含水計を用 いて水分がどのくらい含有しているかを調べることも出来るが、5%以下はうまく計測出来 ない含水計が多い。最終的には木材の重量が乾燥させることによって減るかどうかを目安 として乾燥を行う。
スタビライズドウッドを作成するには 10%以下の含水率が良いとされている。
10%以下だと容易に到達出来るが浸透に斑が出来ることが多い。
含水率の違いを応用して浸透しているところとそうでないところを意図的に作り出すことも可能。

②木材含侵液を浸透させる
乾燥させた木材を真空チャンバーに入れ、木材含侵液に浸す。
乾燥が十分であれば真空、浸透時間共に 10 分くらいで完了する。
乾燥さえしっかり出来ていれば真空のプロセスは簡単に完了する。
1時間で泡が出なくなることもあれば、24 時間泡が出続けることもある。
(乾燥具合による) 泡が止まったら真空ポンプを切り、真空状態を解除する。
この時に液が木材の中に浸透する。
③硬化させる。
100度前後で焼く
温度を上げすぎると液が木材から噴き出してしまう。 焼成
・100 度で 3時間以上熱を与える。(木材の大きさによる)
・温度は 100 度を下回らなければ多少高温でも良い。
・高温すぎると樹脂が木材から噴き出してしまう。

④研磨
冷却、余分な樹脂を削り落として完成。

Ⅳ容器が二つ使える人向けの作成方法

液を入れることが出来る容器を二つ用意出来る人向けの作成方法です。基本的にはⅢと同じですが、空気を抜くタイミングが違います。真空容器に木材を入れ、液は入れずに真空にします。その後液を用意している容器から真空状態を保ちつつ液を移動させます。

・木材を入れ真空状態にする、その後液を入れる。
・液を入れた後はしばらく真空ポンプを動かし、液とともに入った空気を抜く。
・真空状態を解除して液を木材に含侵させる。

それ以降はⅢと同じです。

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