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ブックレビュー『三千円の使いかた』原田ひ香(中公文庫)

三千円の使い方で、人生が決まる。
……そんな内容の書き出しで始まる、連作小説。
節約術も紹介されてるというし、売れているし、お金は気になるテーマだし、なので、読んでみました
親子三世代が、それぞれが見つめることになる「お金」のこと。
お金が必要だから、節約する。金利だって計算しちゃう。

お金は、ねぇ。
あればあるだけ出ていくし、無ければ無いで我慢するしかないからなんとかなるし。
……などという、流されるカンジじゃお金って貯まらないんだろうなぁと、この本の登場人物たちの言動を読んで、猛省しました。
ちゃんとお金と向き合って、三千円をどう使うか意識して、日々、過ごさないといけないですね。どんぶり勘定じゃ、お金は飛び立つばかりです。
そんな気持ちにさせてもらいました。

とはいえ、決して説教臭い小説ではないんです。
出てくる女性たちは、それぞれの年代でお金について悩んでいるので、自分に近いカテゴリーのキャラクターに感情移入しつつ、また、自分がこれからたどり着くであろう年齢のキャラクターにも感情移入しつつ。
それぞれが悩みを抱えているけど、それぞれの解決方法で前向きになっていくので、爽やかな読後感です。


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