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過去との果たし合い

TWOLAPSの意味

突然ですが、みなさんはTWOLAPSという名前の由来を知っていますか?800mという種目が陸上競技場のトラックを2周(2laps)するからという理由と、人生の2回目の挑戦の意味も込められています。僕にとって、アスリートが1周目、コーチとしてのキャリアが2周目。アスリートの時に見られなかった世界を見ることが僕の2周目(2Laps)。僕がアスリートとして叶えられなかった世界は、世界大会でメダルをとること、ファンの存在を近くに感じられる陸上界をつくること。アスリートとして叶えられなかったことに挑むリベンジマッチがTWOLAPSの活動なのです。

©︎EKIDEN News

新谷仁美のTWOLAPS

新谷は、ご存知の通り、2013年に現役を引退し、2018年に復帰をしました。復帰してからコーチとして携わっていますが、僕が思う復帰後の彼女のテーマは、「過去との果たし合い」だと思っています。悲壮感と焦燥感を身にまとい、常になにかと戦っている。その流れ弾によくあたるのが僕なわけですが、きっとその戦っている相手は過去の自分と過去にあったなにかなんだと思っています。僕はそのことについてはよく知らないし、今後深く聞くこともないと思います。きっとその果たし合いをやり切った先に、彼女が本気で笑える世界があるとわかっていれば十分です(じゃないとやってられない)。彼女のTWOLAPS2周目)が復帰後だとしたら、1周目の自分との果たし合いが新谷仁美のTWOLAPS5000,10000,ハーフは過去を超えた。あともう一つは?最大にして最難関の壁、これを越えないと彼女の果たし合いは終わらないんだろうなと、コーチをし始めてからずっと思っていました。今まさにその時が来たのです。

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TWOLAPSのマラソン練習

リベンジマッチをしてるコーチと、過去との果たし合いを続ける選手。マラソンを知らないコーチと、マラソンで成功しなかった選手。なんかコンプレックスの塊みたいなタッグは普通に考えたら成功する確率は低いでしょう。「順調ですか?」とよく聞かれるんですが、本気でわかんないんで。

©︎HideakiIwakuni

よくわからないときは、思考をシンプルにすることにしています。いろんな人から話を聞くとなにが目的なのかよくわからなくなるのです。僕の中で常にぶらさないで持っているのは、以下の2点です。

・マラソンは走った距離を競う競技ではなく、42.195キロをどれだけ早く走れるかを競う競技であること
・目標とするレースペースを維持できる能力を養うこと

そこに直に繋がる練習を強調して繰り返す。それが僕らがやりたいマラソンです。当たり前じゃんって思うと思うのですが、その通りです。ただ、いろんな人に聞くマラソン練習がインパクトが強すぎて僕の中で目的を整理できないんです。なので、選手とコーチの思考が帰ってくる場所をきちんと置いておく。そして、シンプルにしておくようにしました。この果たし合いが終わったらメニューは何らかの形で公開します。

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毎日が怖い

失敗は許されない。そんな緊張感とともにスタートし、ポイントの日もそうじゃない日もその緊張感とともに毎日を過ごしています。取材・撮影日程調整、タオルの渡し方、給水の置き方、引っ張りのペース、補強・ウェイトのタイミング、食事のタイミング、そんなちょっとしたことも緊張感がバリバリなのです。現状、僕が考えたメニューはほぼ100%こなしてくれています。走れなかったら僕のせいなんです。だから東京マラソンが近づいていく毎日が怖くて仕方ない。来て欲しいようで来て欲しくない。そんな毎日を過ごしています。

©︎HideakiIwakuni

GAMECHANGER

 
TWOLAPSはけっしてエリート集団ではなく、むしろ雑草集団だと思っています。なにかのコンプレックスと反骨心の塊みたいな集団です。だからこそいまの現状に満足はしないし、変化を恐れず常にチャレンジをできるのが強みだと思っています。チャレンジの連続の先に革新的なモノ(GAMECHANGER) が待っていると信じているからです。このチャレンジの先にも僕らが見たい世界がきっとあると信じて。

©︎HideakiIwakuni 



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