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ITニュースWEB 23/03/31

インターネットで飛び交う、今週1週間のIT・科学・経済のニュースを 独自の視点で振り返る「ITニュースWEB」は、、、

2匹の雄マウスから子どもが誕生…人間でも10年以内に男性の細胞から卵子を作ることが可能になるかもしれない、、、

雄マウスから卵子、子も誕生 世界初、iPS細胞で 大阪大など(03/30)
https://www.businessinsider.jp/post-266816

先週あたりからネットはこの話題で持ちきりです。大阪大学の林克彦教授らのチームは、雄マウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子を生成することに成功し、これを孵化させて子供を誕生させることに成功したと英科学誌ネイチャーに発表しました。

動物の性別は、XとYの性染色体の組み合わせで決まることが知られており、人間も含め「XY」なら雄、「XX」なら雌になります。研究チームは「雄マウスから作製したiPS細胞を数代にわたって培養し、Y染色体のない細胞を作ったうえで特殊な化合物を使って「XX」の細胞」にすることに成功したとあります。この雄から得られた「XX」染色体のある細胞に別の雄の精子と体外受精させたところ、さらに別の雌のマウスの子宮に定着させたところ7匹の子供マウスが誕生したということです。この技術が人間でも応用できれば、X染色体が欠けておきるターナー症候群などの治療に役立つほか、一般化されつつあるLGBTQ社会での同性カップルが実の子供を持つことができるようになるのではないかということです。

今週はほかにもバイオテックに関係する話題が多く紹介されています。

臓器を再生、ロボットが血管を修復…寿命を延ばす期待の新技術、いずれ長生きは買える時代に(03/28)
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/032700152/

ここではハーバード大学の研究チームが膝の前十字靱帯(ACL)を自己修復させる技術を開発したことや、入手困難な臓器や皮膚、骨格などを3Dプリンターで作る技術がどんどん進化を始めていて10年以内に実用化されるとあります。

また体内のタンパク質の活動を変化させることで寿命を延ばす技術も進んでいるそうです。タンパク質といえばコオロギなどの昆虫食に注目が集まっていますが

京大生が開発した「虫の糞茶」、クラファン達成が映す未知の昆虫食の可能性 (03/30)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/74572

なんと虫だけじゃなくて虫の糞まで活用するアイデアに脱帽です。そんな中、、、

未来のたんぱく源? アムステルダムの博物館でマンモスのミートボールを展示(03/29)
https://www.sponichi.co.jp/society/news/2023/03/29/kiji/20230329s00042000159000c.html

オランダ・アムステルダムの科学技術博物館ではマンモスの遺伝子をもとに培養肉を再生させ、これを使ったミートボールが展示されて話題になっています。現在全世界では100社以上のバイオテック会社が培養肉の開発を手がけているそうです。因みに牛や豚を家畜して牛肉や豚肉を作り出す必要がなくなると、動物から出るCO2が大量に削減できるため「脱炭素」に役立つとされています。

ところで日本ハムファイターズの本拠地が札幌からとなりの北広島市に移転され、3月30日には新球場「エスコンフィールド」で開幕戦が行われました

「エスコンフィールド」開幕戦で勝利 田中将大6回途中1失点、伊藤裕季也新球場第1号(03/30)
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202303300001324.html

なんとこの「エスコンフィールド」には大型の農業学習施設も開業したそうです。

スマート農業も”プレーボール” 日ハム新球場に大型学習施設(03/31)
https://www.agrinews.co.jp/news/index/146880

施設名は「KUBOTA AGRI FRONT(クボタ・アグリ・フロント)」と言い、農機大手のクボタがサポートしているそうです。施設の敷地面積は約3529平方メートルで、AIを使った農業経営や農業の多様性などが体験できるということです。こうした注目の場所からバイオテックが広まっていくことも重要な要素ですね。

また、声を出せなくなる可能性がある熊本市の大学生、山本栞奈(かんな)さん(25)は、サイバーエージェントなどの協力を得て、AI(人工知能)技術を用いた合成音声を、声を失う前に作成するこころみを始めたそうです。

声失ってもAIで会話 熊本市の大学生・山本さん 肉声収録、合成音声に挑戦(03/31)
https://nordot.app/1014335245315653632

肉声の収録は3月23日に熊本市東区の県聴覚障害者情報提供センターのスタジオで約3時間かけて実施され、今後の病状の悪化に備えて人工声を作成しておくとのことです。

声といえば声優さんの代役として早くもAI音声が活躍を始めているそうです。

声優の不祥事にAIが代役で活躍--中国で進むAI音声の活用(03/31)
https://japan.zdnet.com/article/35201918/

3Dプリンタでの臓器などの生成とともに、声の生成も重要なバイオテックになりそうですね。

最後はさまざまなエンターテインメントを生み出してこられた作詞家・プロデューサーの秋元康さんの取り組み、、、

秋元康氏お次は“メタバースアイドル”をプロデュース (03/31)
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/320828

一世を風靡した「おニャン子クラブ」を始め「AKB48」「乃木坂46」など数々のアイドルを育ててきた秋元康さんが、いま取り組んでいるのは「メタバースアイドル」だそうです。リアルだけでなくインターネット上の仮想空間でも活躍できることをどう活用していくかがポイントのようです。バーチャルアイドルにWEB3やDAOなどのしくみを応用することによってさらなる進化が見られるんでしょうか。これもバイオテックというのかわかりませんが、間違いなく進化することは確実です。

おっとそんな中とんでもないニュースが舞い込んできました。

GPT-4以上のAIの開発停止を求める公開書簡(03/30)
https://www.businessinsider.jp/post-267633

進化が加速中のchatGPTの開発に、アメリカでは待ったがかかりました。イーロン・マスク氏やスティーブ・ウォズニアック氏なども賛同しているとのことです。こうしたAIシステムが「一般的なタスクにおいて人間並みの競争力を持つ」ことになったときどんなリスクがあるのか我々人間はまだ検証できていないため、それを見極めるために一定期間(6ヶ月と言っている)技術の開発を休止しておこうというもの。ただこれはアメリカでの話で、これが実行されるとここぞとばかりに中国がAIの開発を加速することは間違いないのでAIの開発がマル秘事項として裏に隠れてしまう可能性もありそうです。これがバイオテックなどほかのDXに影響を及ぼさないことを祈ります。


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