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何度だって生まれ変わる

vivid undressの最後のライブが終わった。年内で活動終了とは言っているけれど、実質的には今日のライブで終わりってことでいいんだと思う。この、解散ではなく活動終了ってところ、違いは分かっていないけれど、メンバーの口から1度も解散って言葉が出てこなかったから、自分も絶対に解散とは言わないようにしている。活動終了。

vivid undressには何度も救われた。好きって言葉では表現できないほどの存在になっていた。特に、ボーカルのkiilaさんが何度も言っていた、「死にたいと本気で思うなら、死ぬ前にどうせならと死ぬ気でなにかをやればいい」って考え方がなければ、人生は多少なりとも違うものになっていたと思うし、この言葉のおかげで今の自分がいる。

8年弱の活動の中で、自分がvivid undressを知ったのは3年前くらい。2018年の秋に偶然知って、ライブに行って、こんなすごい人たちがいるのかと夢中になって、そこからずっと今まで応援し続けてきた。毎日移動中は必ず音楽を聴いているけれど、vivid undressを知ってからは、ほぼ毎日vivid undressの曲を聴いていたと思う。聴く曲には自分の中で流行りとかがあるけれど、vivid undressを聴かなくなる時期は1度もなかった。歌詞も演奏も歌声も、全てが大好きだった。

活動終了を聞いた時はかなり動揺したし、ショックだった。でも、そこから気持ちを切り替えて、kiila&yu-ya含め、4本のライブを見ることができた。どれも素晴らしくて、最後のライブが終わった今でも、もうこの先2度とライブがないなんて信じられないでいる。

vivid undressについてはいくらでも語れちゃうけれど、話の照準を今日のライブに合わせる。

コロナ禍において、vivid undressはライブ面で大ダメージを受け続けた。度重なるツアーやライブの中止。自分の記憶が正しければ、大々的な東京でのワンマンライブって、実はメジャーデビューしてから初めてなんじゃないかって。メジャーデビューしてからのツアーの最後の東京公演がコロナで延期になって、次のアルバムのツアーでリベンジを果たそうとするも、そのツアーは全公演中止になり、今年に入ってからのツアーも最後の東京公演で、スタッフの体調不良の関係で当日急遽ライブが中止になった。全てを把握はできていないけれど、少なくともツアーの中でのワンマンはかなり久しぶりだった。活動終了を発表した後のラストツアー。全公演無事に完走できたことがまず何よりも良かった。最高の形で最後を迎えることができた。これがどんなに当たり前のことじゃないか、この2年弱で痛いほど知らされた。

なにはともあれ、無事に迎えた最終公演。初めて来るライブハウスだったけれど、今まで来たライブハウスで1番大きく、人数制限がかけられた中でもたくさんの人がいた。

先週の日曜日の名古屋公演が終わってからずっと、情緒が不安定というか、泣きそうで、人前で泣くことのない自分もさすがに泣いちゃうのかななんて思っていた。ライブが始まって、いつもの登場曲が流れ始めて、これで最後なのかと思った瞬間、急にうるうるし始めて、メンバーが出てきた瞬間涙が溢れた。そして、最後のライブの1曲目、流れてきたのはまさかのyours。涙腺が崩壊した。

yoursは、vivid undressが最初に作った曲であり、1番人気な曲であり、ライブでも定番の曲。でも、今回のツアーでは1度も披露しておらず、最後のライブじゃ絶対やるだろうなとみんなが待っていた曲。それがまさかの1曲目だった。おそらく、会場のファン全員が、まだ心の準備ができてないと思った。なんなら、最後にやると思っていた。当然のごとく泣いた。本当に名曲。

yoursで、完全に喰らっていた中、2曲目はこの流れでまさかのパラレルワ。初期からある曲で、ライブでアレンジを加えて、進化し続けて、1番盛り上がるようになった曲。会場に漂う涙の雰囲気をぶっ飛ばすかのように、盛り上げる。ただ、この楽しい曲もこれで最後だと思うと泣きそうになる。パラレルワは特に、ライブで進化しまくった影響で、ライブの満足度が高すぎて、音源では再現できない。これを聴けるのはこれで最後、そんな意識が強まっていく。

とはいえ、ここら辺で涙も止まり、シーラカンスダンス、ファンファーレ行進曲、yeah!yeah!yeah!と盛り上がるダンス曲が続く。ダンサーも登場して、楽しい雰囲気が続く。MCで、今日はハッピーエンドにしましょう。悔いがないように楽しみましょうと言って、どんどん進んでいく、まさかの醜いお姫様に驚き、次のシンデレラに納得する。間違いなく、今回のツアーでは、過去のアルバムでカウントダウンしてたんだなって。

中盤で、さよならジレンマを皮切りに、ララ、バイバイ。にコンキスタドールの現実闘争と一気にたたみかけて、シンガーソングライターまで駆け抜けていく。どれも最高潮に盛り上がっていく。ここでkiilaさんが一旦はけて、戻ってくると衣装はいつもの白kiilaさん。出会えたんだは何回聞いても泣けるし、本当に、メジャーデビューしてからのこの数年のvivid undressを表現し続けた曲だと思う。そのまま終盤に突入して、そばにいてを披露した後、最後の曲はオリジナルカラー。このオリジナルカラーがvivid undressとしての最後の曲。この曲が生まれたことで、物語の終わりが見えた。未来への希望を歌った曲なのに、その視点があるから、歌詞に泣きそうになってしまう。本当に終わってしまうんだと。yoursから始まった不幸な物語が、オリジナルカラーで最高の結末を迎えた。ずっと応援していたからこそ分かるこの感覚。好きでよかった。

終わった直後から鳴り止まないアンコール。しばらくしてメンバーが戻ってきて、1人ずつ演奏に加わっていく。そして披露されたRAINBOW。そういえば、vivid undressを聴き始めた時、1番最初に好きだなーってハマった曲はRAINBOWだったなー。とそんなことを思い出した。サビでみんなで手を振る時、誰かが、この日配布されていた旗を振り始めた。それを合図に会場のみんながvivid undressのロゴが書かれた旗を振り始める。記念として配られたものの、特にアナウンスがなかったグッズで、会場の一体感が生まれる。vivid undressのバンドとファンのいい関係性が発揮された瞬間だったと思う。

RAINBOWが終わってから少しMC。終わりを目の前にしても、いつも通りの演奏からはとても想像できないほどのゆるいトーク。この、いつも通りのゆるさに、なぜか涙が止まらなかった。面白くて笑っているのに、でも、本当にこのまま終わってしまうと。永遠に終わらないでくれと。ただ、その空気を察したのか、kiilaさんにこのままずっと喋っちゃう?と聞かれたリオ様が、いや、レンタルの延長料金が、、、って言ってたのはものすごく笑っちゃった。そりゃそうだよねって。

そして、アンコール最後の曲。主演舞台。今日でvivid undressは終わるけど、何度だって生まれ変わりましょう。また会いましょうというメッセージとともに曲が始まる。vivid undressにしては珍しくポップで明るいはずだったこの曲も、この日だけは違って聞こえてしまう。新しい私を始めよう。何度だって生まれ変わる。ポジティブな終わりなのに変わりはないけれど、それでも終わりは悲しい。今までそんなに意識してなかったけど、この曲も、これから先ずっと聴いていくんだろうなと確信した曲でした。

アンコールが終わった後も鳴り止まないアンコール。そして、しばらくして2度目の登場。Wアンコール。最後だしこんなことをあまり言うのも、、、って言いながら、物販の宣伝が始まる。正直、アンコールの時は、物販なかったし、まだあるかもしれないって期待があったけれど、これでもう、本当に終わってしまうんだなと。そして、最後の曲は、ウララ。最後の曲なんになると思う?ってアンケートを取ったらおそらくトップ3には入ってたであろう曲。いや、みんなきっと、ウララが最後になると思っていたんじゃないかな。ウララが終わって、メンバーがはけて、それでも鳴り止まないアンコール。でも、本日の公演は以上になります。本当にありがとうございました。というリオ様のアナウンスによって、終了。また谷園!!!の言葉に、会場からは割れんばかりの拍手。こうやって、最後のライブが終わった。

それから1日経って、色んなことを考えた。色んなことを感じた。メンバーからもさまざまな最後のメッセージを受け取った。そうやって今、感じていることは1つだけ。

vivid undressのことを好きになって本当によかった

心の底からそう思う。kiilaさんは何度もありがとう以外の言葉が浮かばないって言っていたけれど、こっちだって変わらない。本当にありがとうございました。終わりはものすごく悲しいけれど、好きにならなければよかったなんて微塵も感じない。この人たちのことが好きでよかった。それしか、考えられない。

自分は基本的になんでも1人で好きになって、みんなが好きだからとかは一切ない。そして、好きになったものに対しても、その中でそんなに群れたり仲良くなったりはしない。それでも今回、初めて少しだけ繋がった部分もある。それが、寄せ書きプロジェクト。

vivid undressの活動終了を嘆いていたら、一通のDMが届いた。みんなで大きな横断幕に寄せ書きをしませんか?と。過去のワンマンでも見たことはあったけれど、最後のツアーで、各地で書いてもらって回ろうと思いますが、あなたも書きませんか?と。当然、参加することに決めた。

最後は人が多そうだからと一足先に名古屋で書いたけれど、新宿でまた書いてる場所に行った時、あの時の!って顔もちゃんと覚えられていた。そこで最後少しだけ手伝ったりもした。

そうやって完成したのがこれ。いくつかのバンドのライブに参加したことがあるけど、ファンが協力して、サプライズでこんなものを作り上げるのなんて初めてだった。vivid undressはファンに愛されたって言うけれど、本当に愛されてたと思う。単純にすごくないですか?かなり大きいんですよこれ。こういう形で愛を伝えることに参加できたこと、人生の素晴らしい思い出の1つになりました。

なにかをやめるときの決意や葛藤を多少は知っているつもりだから、また復活してほしいなんて言えない。言いたいのはやまやまだけれど、本人たちがどんな気持ちで終わらせることを決めたかを想像すると、とても、口には出せない。それでも、もし、戻ってくることがあれば、泣いて喜ぶので、一生、待ち続けるし、それぞれの他の活動も、これから先追い続ける。5人全員が大好きだったので。これからどうなっていくのかは分からないけれど、一生大好きです。8年弱本当にお疲れ様でした。

vivid undressに出会って本当に幸せでした。

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