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箱根駅伝2022振り返り

箱根区間エントリー発表前の29日に記事を一つ書いたが、実際に結果が出揃った今振り返りの記事を書きたいと思う。自分の予想のずれを招いた原因を絞っていくつかみていきたい。

ブレーキ

いくら強豪校でもブレーキがあるとすぐに順位が3つ、5つと落ちる。ブレーキの定義をここでは「区間5番以内も期待できたが15位以下に終わった」とするとこれが明らかに無かったのは大差で優勝した青山学院のみだと気づく。
特に2つ以上、もしくは往路でこれが起きると挽回が非常に難しくなる。例えば3位になると予想していた國學院大学は往路を4位で終えたものの、7区の木付琳が区間20位で順位を6位から10位に落とした。また帝京大学は往路を2位で終えたが8区の橋本尚斗が区間16位に終わった。優勝候補の駒澤大学は鈴木芽吹が8区で区間18位で順位を2位から6位に落とした。いずれの選手も往路で起用が予定されていたが、怪我明けで仕方なく復路に回されレース中に痛みが出てしまい予期せぬ遅れが出た。

実際の順位と予想がずれた大学

  1. 青山学院 予想:1位 ピタリ

  2. 順天堂 予想:4位 2ズレ

  3. 駒澤 予想:2位 1ズレ

  4. 東洋 予想:5位 1ズレ

  5. 東京国際 予想:6位 1ズレ

  6. 中央 予想:10位 4ズレ

  7. 創価 予想:8位 1ズレ

  8. 國學院 予想:3位 5ズレ

  9. 帝京 予想:11位 2ズレ

  10. 法政 予想:なし 割とずれ

  11. 東海 予想:12位 1ズレ

  12. 早稲田 (13位)予想:7位 6ズレ

  13. 明治 (14位)予想:9位 5ズレ

大幅なずれを3ズレ以上だとすると、これに当てはまるのは國學院大学、早稲田大学、明治大学と法政大学、中央大学となる。最初の三校はいずれも予想より大幅に順位を下げた形となった。國學院に関しては4区までは期待を上回る流れで2位となったが、激坂王で学生1位に輝いた殿地琢朗が区間9位と思ったほど速く走らず、6区の区間17位、7区の区間20位が痛かった。期待していた平林が9区で5位に押し上げるも、最後の10区が区間16位で8位でゴールした。下りの隠し球は思うほど走れず、事前に情報を聞いていなかった木付琳の怪我があり大きなズレが出た。早稲田大学は怪我明けの主力選手が多く、報道されているほどこれらの選手の調子が良くなかった。一番痛かったのは昨年6区区間8位だった北村光を使えなかった点だ。貧血が長引いていたらしく、代わりに使われた選手は区間19位に終わった。ちなみに6区で区間11〜20位しか取れなかった大学はどれも最終的な総合順位を上げれてはいない。法政大学は予選回6位だったものの、エースの鎌田航生が予選会の時と比べ調子を上げ、2区で区間9位の走りをし、6区を区間2位で走れたのが良かった。一人も区間17位以下がおらず、終始シード権争いに絡むことができたのが良かった。中央大学は1区の吉井大和が想像以上の区間新記録を出し、一旦順位を下げたものの、3・4・5区を区間7・5・6位で繋いだ。また復路は6・8・9区を区間5・3・3位で繋ぎ、7区・10区をいずれも区間17位以下で走ったが最終的に6位と大幅に予想を上回る順位を出した。後からの付け足しだが、確かに全日本大学で久しぶりのシード権をとって以降は一番といっても過言ではない良いチーム雰囲気が出ていた。明治大学に関しては謎が多いので別のコラムに書く。

明治大学

今年も昨年を彷彿させるような期待を裏切るパターンになってしまったのが明治大学である。昨年同様にトラックシーズンで好タイムを次々と出し、予選会を好走し、全日本でトップ5に入り、箱根でシード権を逃す。今年も往路は最初から出遅れ17位で終わり、復路で3位と巻き返すも最終的には14位で終わる。10000mで平均タイムが3位、全日本大学駅伝が5位だと考えると非常に不思議な現象である。

一つ目の原因は1区・2区で戦える選手がいない事だ。今年はそれぞれ区間13・16位で、2区終了時点で15位。また2区終了時点では明治より低い順位だった順天堂大学のように3区で大幅に順位を上げられる選手がいなかった。その他に往路を区間5番目以内で走れるような選手が一人もいなかったも痛い。往路を10位以内で終えたチームは東洋大学を除きどの大学も区間5位以内で走れた選手が二人以上はいた。(東洋も一人はいた)これは他の往路を10位以内で終えられなかった他の大学にも当てはまる共通項だ。

二つ目の原因は5区・6区に強い選手がいない事だ。明治が多くの大会で接戦を繰り広げ、多くの場合勝てていた中央大学が山を区間6位と5位で走ったのに対し、明治は区間18位と12位に終わった。ここでの両校の差は合計3分36秒にものぼる。

後これはあくまでも推測なのだが、選手のピークが11月あたりに来てしまっているのではないか。長い距離の適正では確かに10000mのタイムを見ると悪く見えるが、箱根予選会で高いレベルのタイムで走れていることを踏まえればシード権を取るぐらいの実力はあってもいいはずだ。

まとめ

  1. 往路を10位以内で終えるには二人以上、最低でも一人区間5位以内で走れる選手が必要。

  2. いくら有力な選手でも怪我で不安があるならたとえ復路でも起用をやめた方が良い。今の時代の駅伝ではブレーキが一つでもあるとまず優勝は不可能。

  3. 6区はタイム差はつきにくいが、総合順位を上げるには区間10位以内で走れる選手が必要。(6区を区間11〜20位で走った10校のうち往路順位と比べ7校が最終的な総合順位を下げ、1校が現状維持、2校が順位を上げた(明治大学、東京国際大学))


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