2024/03/11
両端に羽根をつけたままの、多分構造の関係で噛みづらくて食べ残されたんじゃないかなという感じの付け根の骨で繋がったままの鳥の翼の残骸が、ところどころに赤白の入り混じった肉片を貼り付けながら道端に落ちていて、少しだけ、ほんの15秒ほど見入ってから会社に行きました。あれは食べられた死骸なの、というか、死骸の食べ残しなのだ、と反芻しながら。私の死後にはそれは起こらない可能性が高いのです。私は身体を食べ切られることも、財布や鞄に加工されることもないまま死後を過ごすのでして。そのことがとても不思議、あるいは勿体無いことのように思えて。これだけの肉がただ焼かれて終わりだなんて。だから、とりあえず財布の中の臓器提供意思カードを確かめました。
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