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とだわらびSDGs通信 Vol.4【株式会社 東京すずらん】

今回取材させていただいたのは蕨市錦町の
株式会社東京すずらん様。

飲食店やホテルなどへのレンタルおしぼりを中心として取り扱っている企業様です。

コロナ禍により社会が大きな変化を迎える中、経営に大きな影響を受けながらも変化に対応すべく新たな取組を次々に行っていらっしゃいます。

そんな東京すずらん様の石川社長と池ノ谷部長にSDGs取組に関するインタビューをしてまいりました!


ただ『いい会社にしよう』と

○それではよろしくお願い致します。
御社では【健康経営優良法人認定】【多様な働き方実践企業認定】【シニア活躍推進企業】など様々な認証を受けられていますが、認証の取得経緯や社長の想いなどをお聞かせください。

石川社長〉
当初は認証を取ろうと考えていたわけではなくて、ただ『いい会社にしよう』という当たり前のことを考えていました。
従業員の方と一緒に仕事をしていくうえで、従業員の方のご家族が弊社に対して、『良い会社だな、自分もここで働きたいな』と思ってもらえるかということを自問自答しながらやってきました。

仕事そのものはもちろん、皆が働きやすい社屋を作ったり、会社の仕組みや規定、制度などもそうですし、コンプライアンスをきちんと守っているかなど、一つ一つ取り組んでいました。

そういったことが認証に繋がると気づいたのはもっと後の話で以前は補助金とかももらったこともなかったんです(笑)
ここ3、4年で認証や補助金については意識して取得するようにしています。

○SDGsはいつごろ知りましたか?

石川社長〉
2018年ごろから意識し始めていました。

もともと環境問題に関してはこの会社に来た時からずっと関心があり、環境負荷を減らす取り組みの一環として『エコステージ』というものに取り組んでいました。

興味があるので色々自分で調べていたところ、SDGsを知ったという感じですね。

メリットがあるからSDGsと向き合う

○会社としてSDGsにどのように向き合っていますか?

石川社長〉
出発点は個人的な環境問題への関心です。
企業だからメリットがないものをやっていくというのは説明が難しいと思います。

私どもがSDGsで一番メリットだと思っているのは、世界や世の中(環境・社会)に対して、企業が配慮しているというのをアピールして、それを地域や社員、そしてこれから入社してくる人に対して企業としての方向性を示すことができる点、また魅力を感じてもらえるという点です。

若い方は働くなら社会貢献を意識している会社で働きたいと思うはずです。
メリットがあると思っているからSDGsに対しても企業として向き合う必要がある。わかりやすく伝えるツールですね。

○SDGsに取組むことで結果どのように利益に繋げていかれますか?

池ノ谷部長〉
現在大手企業を中心に取引業者に対してSDGsへの取り組みをしていることが重要視されているようですので、そういった時に選ばれる会社になっていくのかなと思います。

SDGsで利益を上げようと思って動いているというよりは、こういった活動を通して東京すずらんとしてのブランディングに繋がっているのではないかと思います。

新卒社員を2名採用

石川社長〉
営業活動にSDGsを取り込んでいくといのはあまり考えていません。
新事業に関してはコロナ禍で影響を受けてしまったために始めたものです。

今回一つ分かったことは、長く働いている社員にとって『新しいことはあまりやりたくない。今の仕事をやっていたい』ということです。
新しいことを始めるなら、新しく入社した方に『新事業』を担当してもらう、という方がお互い気持ちよく仕事をやっていけると思っています。

本来はコロナ禍で影響を受けて、社内の配置換えなどをしつつ、ドライバー従業員に営業をやってもらうなど新しいことにチャレンジしてもらい、会社としても新しい事業をやっていくというのが理想だと思いますけど。なかなか難しいですね。

人間関係が苦手でドライバーの仕事を選んだんだから、他の仕事はやりたくない、という人も一定数いると思います。
しかし、彼らのために考えてもそれは発展的ではないですし、なんとか成長させてあげたいと考えています。

環境負荷を下げるために

○環境負荷を下げるための取組はどんなことを行っていますか?

石川社長〉
ボイラーは重油ではなくガスを使用することで、CO2を削減しています。
そして工場内の洗濯待ちのおしぼりを洗濯機に移動する際に、電力を極力使用しない方法をとっています。

(レールの高さを徐々に下げていくことで、自重でレールを移動していく。)

燃費向上のためにデジタコを導入したり、グリーンカーテンなど基本的にCO2削減につながることについては積極的に取り組んできています。

また、一番同業他社と比較してCO2を削減できている要因は【連続式洗濯機】という大型の洗濯機を使用している点です。

通常、洗濯機は洗いが終わったらそれを捨てて、すすぎが終わったらそれを捨ててと一回ずつやりますので、大量の水、電気、ガス、洗剤等が必要となります。

連続式洗濯機の水は洗濯機の中を循環しています。
きれいなすすぎ水のいらなくなったものは洗いの水に利用できるなど、水、電気、ガス、洗剤等の使用量を少なくても1/3削減することができます。

あとエアコンも環境に配慮したものを一部使っています。

地下水式ユニットクーラーといって、地下水を利用することによって室外機などがいらなくなりますので、【排熱がでない】【フロンガスが出ない】【電気代が安い】
など環境に優しく、且つ省エネを実現できています。
今後少しずつ追加していく予定です。


この自然や景色を残したい

○そもそもなぜ環境問題に興味を持たれていたのです
か?

石川社長〉
以前足立区で仕事をしていて、そこからこっちに来た時に若干西側に来たわけですが、わずかに富士山が大きく見えました。
会社の屋上から富士山が見えまして、冬は雪がかかってとてもきれいなんです。

また、戸田駅の近くの用水路に6月くらいになると鮒が上がってきて産卵をするのを以前見ました。

こういった景色を残したい。
環境汚染や温暖化によってこの景色や自然を失ってしまうということは避けたい。
たったこれだけのことですが、これが強い動機になっています。

私たちの理想は

○汚れた排水を減らすためにどのようなことが必要とお考えですか?

石川社長〉
おしぼりは飲食店やホテルなどでお客様が快適に使うためのものです。

しかし、昔からですが店舗の方が清掃などでおしぼりを使用し、汚れが酷いものがあります。

業界全体でですが、この問題に関しては手も足も出ない状態でした。

私達には理想があります。
一つ目は圧倒的な品質、二つ目は汚れた排水を出さない。

数年前からULTIME(ユルティム)というブランド商品を作り、力を入れています。

おしぼりを従業員の方が使わない(使わせない)ホテルや高級店限定の商品です。
この商品を使いたい。
だから従業員は使用しないようにする。
そんな店舗様が増えることで、圧倒的な品質と環境負荷の低減が両立できます。

この仕事で何十年と働く以上は、一生かけてこれを実現させたいと思っています。
また多くの方にこの理想に共感してほしいですし、おしぼりの使用についての日本人の意識や習慣を変えたいと思っています。

メリットは信用・信頼を得れること

○地元企業の皆様へSDGs推進のためのメッセージをお願い致します。

池ノ谷部長〉
学生の方々は学校等でSDGsに関して勉強してから就職活動をするので、面接などでも弊社がどのような取組みをしているかなどを聞いてきたりします。
もし何も取り組んでいなかったり、答えられない場合にそういった会社に入ろうとは思わないと思うので、会社の将来のためにも非常に重要ですね。

石川社長〉
SDGsで世界共通の目標ができたことで、世の中の変化に合わせていくべく、企業として取り組むことは自然な流れだと思います。

また早く取り組むほど、時代に合った企業として評価されやすい。
企業だから利益(メリット)がないと取り組みずらいと思いますが、私はメリットは信用とか信頼を得れることだと思っています。
結果売上にもいずれ結びつく可能性があります。
そして入社する社員に関しては、良心良識をもった方に入社してもらえるという風に思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?
社会課題解決型を実践する企業、株式会社東京すずらん様。
貸しおしぼり業というのは、使い捨てと比べてそもそも環境に配慮のある業態だと思います。
それでも排水やエネルギーなど、少しでも環境負荷を低減できるように真摯に取組む企業としての姿勢に感銘を受けました。

コロナ禍で売上の影響が大きい中で、変化に立ち向かい自社で出来ることは何なのかを追求され、布団の洗濯や医療機関等のスリッパの洗濯・除菌など新たな取組もされています。

またマスク需要が増えて大変な時に、独自のルートでマスクを販売されたり、積極的に地域貢献をされ、様々なメディアに取り上げられるなどご活躍されています。

皆様も是非参考になさってください!

石川社長、池ノ谷部長
ご協力いただきまして、ありがとうございました!

株式会社東京すずらんHP
https://archway.jp

YouTubeチャンネル
https://m.youtube.com/channel/UC99FEZ5uVAa92tkB6sxkQtg

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