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20歳(はたち) ②


    彼女おすすめのシトラスティーはおいしかった。渇いた喉を潤すには十分だった。
  
    軽くおしゃべりしたあと、神戸の夜景を見ようと六甲山へと向かった。車で行った。
    車の中で何を話したのかは覚えていない。なにげに初めて行く場所であったから、心に余裕がなかったのかもしれない。


  


    山の天気は変わりやすいと聞いたことがあったが、本当だった。昼にかいた汗も冷やしてしまうほどに、空はどんより、そして風は寒々としていた。
   

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