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ASD児の姿勢制御に対する介入研究

ASD児の姿勢制御に対する介入研究です。

Short rehabilitation training program may improve postural control in children with autism spectrum disorders: preliminary evidences
Simona Caldani, Paola Atzori, Hugo Peyre, Richard Delorme & Maria Pia Bucci: Scientific Reports volume 10, Article number: 7917 (2020)

姿勢制御のパラメータは、

CoPの面積(単位:cm2)、平均速度(mm/s),姿勢不安定指数(PII)を用いています。

条件として、
Eyes open (EO):モニターに投影されたCOPを開眼でターゲットの枠内にとどめる。
Eyes close (EC):上記を同様に閉眼で行う。
Eyes open with perturbed vision by optokinetic stimulation (OPTO) :前庭刺激として、開眼下でモニター上の画像が回転するという3つの条件を用いています。

どんな介入を行ったのか?

意外とシンプルでWii FitのミニゲームにありそうなCOPをコントロールする課題を2つのみです。枠内から落ちないようにCOPをコントロールしたり、障害物を避けていくみたいな課題を3分ずつの6分のみ…。

で、コントロール群と比較して、有意なCOPパラメータが変化とあったという論文です。

トレーニング効果や反復効果も混在するとは論文に指摘されていますが、短時間の介入で変化が得られている点には驚きです。しかしながら、このパラメータの有意な変化は、今後どのような動作に汎化するのかはわかりません。このようなゲーム感覚で行える視覚-体性感覚の運動フィードバックが得られやすいデバイスを用いた戦略は一つの治療戦略になりえると思いますので、trialしてみたいですね。

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