あみちゃんへ

あみちゃん、元気ですか?今も時々あみちゃんのことを思い出しては、ふたりで作った面白い思い出に浸っています。逢いたいよ、あみちゃん。

あみちゃんとカヤノは中学校で出逢ったわけですが、最初立場は今と真逆でした。あみちゃんは後にこう語っています、

「いやあ、カヤノはね、ゴマすらなきゃいけない人間だと思ったよ、ヒエラルキー的にね」。

うふふ。カヤノはちょっと幅をきかせているような風貌がありましたから、空気を読んで身の処し方を瞬時に察知する技能を持つあみちゃんには何も隠せませんでした。でも実のところカヤノもあみちゃんもヒエラルキー上位者にびくびくする立ち位置だということがわかると、あみちゃんは掌を返すようにカヤノをいじりはじめました。そんなあみちゃんにカヤノはいつもこう思っていました、

「それってカヤノへの愛情の裏返しだよね?」(このセリフ、あみちゃん覚えているかなあ…)

そんなあみちゃんとカヤノが今の今までつながっているのはパパのおかげです。パパがあみちゃんをつなぐ中継地点となってくれました。カヤノが入退院を繰り返していた暗黒のティーン時代、たまたま家に電話をかけてきてくれたあみちゃんにパパはこう言ったそうです、

「あみちゃん、うちのカヤノのことよろしく頼むな」

母はその横でそんなこと、あみさんに言わないでよ!と怒ったそうですが、なんとも親の愛と、その言葉を愚直なまでに遂行してくれたあみちゃんには感謝しかありません。ありがとう、あみちゃん。

パパは様々に中継地点となってくれました。あおくんとのこと、パパが株式投資をしていなかったらあおくんのことを面白いとかステキとか、あおくんの勇気や決断力に対して尊敬するという感覚は持てなかったと思います。朔さんとパパは愛し方が似ています。見守ってカヤノのタイミングをみてくれるのです。そして「カヤノが幸せならいい」という愛情を向けてくれます。パパの愛を知らなければ、朔さんには到達しなかったと思います。また、救い主を信じることもパパの一助がありましたから、朔さんとの出会いの場に誘導してくれたのもパパでした。

パパは今のカヤノの人間関係のすべての中継地点となっています。そんなこともありパパは大切な存在なのです。

あみちゃんとの思い出は山のようにあります。きゃっきゃしながら埼玉のショッピングモールで買い物をしていた時、あみちゃんは「ちょっとパーカー買ってくる!」と意気揚々とレジに行ったのに、買い物後「ねえ…カヤノさん、私なんでパーカーに8000円も使ってるんだろ…」と聞いてきました。10分前まではあんなに幸せそうにパーカーを握り締めていたのに、、、ああ、だめだ、今思い出しても笑えてくる。

語り尽くせないほどに面白いエピソードがあるわけですが、あまり話しすぎるとゲンコツだけではすなまくなりそうなのでとりあえずはこのくらいにしておきます。

あみちゃん、朔さんという人はね、あみちゃんがずっとカヤノに伝えてくれていたことをわかりやすい言葉で伝えてくれた人なの。だからカヤノは今少しずつ変わってきている。その変化はゆっくりで、三歩進んで二歩下がるような着実な一歩ずつだけど、それでも、あみちゃんがずっと心配してくれていたことが朔さんによって私は今理解できているの。すごいの、朔さんって。

元夫は私と離婚調整中のとき、分が悪くなって付け焼刃の法律用語とネットで調べた法律の知識で防衛しながら攻撃してきた。「君は慰謝料払わないといけないんだよ」って。あの一瞬で私の気持ちは冷めたの。ああ、結局お金なのねって。結婚指輪も結婚式も結納金もなかったのに、離婚調整中二言目には「祝福してくれた人たち、特にお父さんやお母さんの気持ちはどうなるの?」って。

朔さんは私とどうなりたいということよりも、「カヤノがもし旦那ともめて泣いていたら避難場所になれればいい。そのためには近くがいいだろう」、たぶんそんな算段も働いてこの部屋のすぐ上に引っ越してきたんだと思う。朔さんはカヤノが離婚しようがしまいがどっちでもよくて、ただカヤノが笑って幸せならそれでいいって本気で思ってくれていたの。本当だよ、あみちゃん、これが朔さんなの。

今でもそう、泣いていればすぐに来てくれる。自転車を飛ばして、自分がゲームに熱中していても、カヤノが泣いていれば中断して来てくれる。まさにスーパーマンだよ。まだSUVが活躍するほどカヤノの行動範囲は広くないからね、おしゃれなマウンテンバイクでどこへでもかけつけてくれるの。時にリュックにPCを入れて、時におしゃれなランニングスタイルで。これが朔さん。東京のど真ん中で暮らしていた人だから、この街ではスタイリッシュすぎて浮きまくっているけれど、どうやら作戦を考えたらしくて、いい加減なスタイルも覚えてきたみたい。変な色のスニーカーとかね。

カヤノにとって朔さんはなんでも言えちゃう人。本音をぼろぼろ言えちゃうの。疲れたって言えるし、行きたくないって言えるし、今日無理って言えるし、休むって言える。カス!って言っちゃうし、もう朔さんバカじゃないの?って言えちゃったりもする。朔さんは私が愛しているって言えば3倍に返してくれる人。でも「嫌い」って言ったら3倍自分のことを引っ込めちゃう人。すごく思いやりのある人なの。

あみちゃん、仕事どう?つらくない?大変だと思う、また冬が来るから。たまにはあの場所で毒はきなね?カヤノなら大爆笑してあげられるから。

無理しないで、また会えること祈っている。

いつもありがとう。いつも大切にしてくれて。大好きだよ、あみちゃん。

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