人生最大の失恋をした話　9.解放する

努力すれば何でも叶うと
信じていた

努力しないで叶うはずない
でも
努力したから必ず叶うわけではない

人の気持ちなんて
誰にもどうすることもできない




「私のこと好きじゃなくてもいいから付き合って」
そう放った自分の言葉に苦しめられた



気持ちがないから、仕方ないよね
と思うことが増えた

メールはこない
デートもない

でも付き合ってるだけでしあわせ？？



そんなはずはなかった

明るくて楽しい毎日がくるんじゃなかったっけ
私が幸せにするんじゃなかったっけ

自分が幸せじゃないのに
誰かを幸せにするなんて可能なんだろうか？



彼はどんどん元気がなくなっていった

消えてしまいそうだった

もう放してあげなきゃいけないと思った




中央線に乗って彼に会いに行った
友達に戻ってもいいよ、と別れを告げた

戻れるはずもないけど


結局、私は彼に大切な関係を失う経験を
二度もさせてしまったんだ




こんなに誰かを好きになると思わなくて
どうしたらいいのかわからなかった


どうしたら良かったんだろう

どこかで何かを間違えなければ
彼は私のことを好きになってくれたんだろうか？

別れたあの夜
井の頭公園のベンチで見上げた月を
私は覚えている

満月にはまだほど遠い形をしていた