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『闇の子供たち』主題歌『現代東京奇譚』の替え歌

悪魔的儀式虐待/Satanic Ritual Abuse(SRA)に関する洋書『Child for the Devil』を読んでいたら、サザンオールスターズ桑田佳祐さんの曲『現代東京奇譚』を思い出した。

梁石日氏の小説『闇の子供たち』が映画化された際の主題歌で、その歌詞に共鳴したことを。

物語は臓器移植や児童性虐待のために世界中の大人たちの餌食にされている子どもたちで、舞台はタイ。

それに起用された「現代東京奇譚」は題名からして皮肉さが絶妙。

子どもへの虐待は、古代から、世界中で、日常的に起きていて、決して珍しい話てはない。

明るいメロディが印象的な桑田佳祐さんの楽曲の中でも異色な名曲。

ただ個人的に唯一引っかかってる箇所がある。

「この胸に響くのは母の大切な言葉」という部分。

世の中には、産まれた瞬間から親に捨てられ「母の言葉」さえ聞き覚えのない子どもたちが大勢いる。

私の母は、母親がいなくなった日、玄関に置いてあった「水玉模様の傘」しか覚えていないそうだ。顔も覚えてないという。

私は、自分の母親の般若みたいな表情も、その言葉も覚えてるから、恵まれてる方なのかもしれないが、それらを「胸に響く」「大切」と言えるかどうか自信がない。

「あんたはオカシイ」「信じられない」「バカだねぇ」「なんでそんなこともわかんないの」「自意識過剰」……私を否定する言葉しか思い浮かばない。

極みつけには「お父さんにメゴメゴしてもらったの、よかったねぇ(幼児期に初めて性虐待を受けた直後に言われた)」。

私が歌う場合は、「この脳に響く母の否定的な言葉」などと替え歌にしないと……と思っていたけど、全て皮肉なのだとしたらその必要もないのか。

作詞・作曲:桑田佳祐    

明日(あす)の行方も知らない
羊達の群れ
都会の闇に彷徨い
身を守るだけ

娼婦(はな)が無情に散った日も
顔を背けるようにして
傷ついた者だけを
置き去りにした

街の灯りに佇む
欲まみれの亡霊
笑みを浮かべた狼が
手招きしてる

飼い慣らされた僕は
一人じゃ立てそうもない
川は流れ ただそれを
見つめるばかり

淋しくて 淋しくて
魂(こころ)に死化粧
忘られぬ面影が
逝くなと呼び止める

愛し合う悦びを
もう一度噛みしめて
この頬を濡らすのは
熱いひと筋の涙

人間(ひと)はあてなき旅路に
疲れ果てたまま
己れの仕掛けた罠に
堕ちてゆくのね

幼き日見た夢が
全て嘘と言うのなら
世の中は裏表
何故か教えて

階段を下りるように
沈む夕陽を見て
やるせない運命(さだめ)だと
言うのは易いけど

生まれくる子供らに
真心を伝えて
この胸に響くのは
母の大切な言葉

淋しくて 淋しくて
魂に死化粧
今は亡き面影が
泣くなと呼び掛ける

愛し合う悦びを
誰かと分かち合い
この命燃やすのは
赤い血の如き涙

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