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エレガンスと芸術の至宝 ピアジェ

こんにちは!

 今回は筆者が男性の方、女性の方どちらの方々にもオススメしたいイチオシの時計ブランドであり、筆者も大好きな「ピアジェ」についてお話しさせていただきたいと思います!

 ピアジェという時計ブランドご存知の方、そうじゃない方どちらもいらっしゃるかなと思いますが、知ってるよ!って方はどんなイメージを
お持ちでしょうか?
薄型のドレスウォッチ?
はたまたジュエリーウォッチ? 

…どちらも合ってます!w
ですが、このピアジェというブランド
その両方が合ってこそ輝きを放つ時計業界の 
中でも屈指の実力者であり挑戦者なブランドなんです!
 ぜひその魅力をみなさんにも知っていただきたいと思い、今回はピアジェのはじまりのお話と薄型時計、ジュエリーウォッチどちらについても一挙執筆させていただいた意欲作となっています!

それではいってみましょう!!

・寒村からの若い息吹

 スイス・ジュラ山脈のラ・コート・オ・フェ
という小さな集落で、代々農家を営む家がありました。その家に生まれた「ジョルジュ・エドワール・ピアジェ」は、1874年に弱冠19歳で農場の敷地の一角に工房を建てて時計作りに取り組みはじめました。

 雄大な自然を臨むこの地は、スイスの主要な
場所からは離れ、冬は厳しい寒さに見舞われる孤立した環境でした。そんな厳しい土地の中で家族と共に、時計の部品作りや時計の心臓部のムーブメントの組み立てに取り組んだジョルジュ氏にはある信念がありました。 
 それは、「常に必要以上の良いものを作る」という志の高いものでした。この信念には、この
厳しい環境に身を置くが故に何事にも耐え抜ける備えがないといけないという意識と、
ただ普通な事を当たり前にやっていてはこの先何も変えられない!という強い想いがあったからこそ、この志の高い信念があったのではないかと思います。

 この信念を胸に、ジョルジュ氏を中心にこだわり抜かれて作られた時計の部品や、ムーブメントは高い性能を誇り、ジョルジュ氏たちピアジェの名前はやがて山を超えてスイス中の時計メーカーに広まり、さらにその噂はスイスからヨーロッパ中に伝わって注文が雪崩れ込んでくるようになりました。 

 こうして順調に成長していったジョルジュ氏
たちピアジェは、1911年にある転換点を迎えます。 ある日ジョルジュ氏が奥さんのために
懐中時計を作った事がきっかけで時計作りに目覚めて、これを皮切りにこれまで部品とムーブメントの組み立てだけだった作業を、部品作りから
ムーブメント組み立て、ケース作り、時計完成まですべてを自分たちで行うようになり、本格的に時計メーカーを目指すようになりました。

 1943年には当時経営を引き継いでいたジョルジュ氏の孫で3代目の「ジェラルド・ピアジェ」と  「ヴァランタン・ピアジェ」兄弟が
「ピアジェ」を商標登録して正式に時計ブランドとしてスタートしたのでした。

・類稀なる個性の創造

 ピアジェといえば「薄型時計」と言われるようになった始まりは、1957年に現在もスイスで行われている時計見本市バーゼルフェアにて当時最薄の厚さ2mmの手巻きムーブメント「9P」を発表した事が始まりでした。 
 これまでピアジェには高い技術力はあっても、 ブランドの個性と呼べるものがありませんでした。 そこでジェラルド氏とヴァランタン氏たちピアジェは創業者の「常に必要以上に良いものを作る」という信念を受け継ぎ、まだ誰も本格的に取り組んでいなかった限りなく薄い時計作りへの挑戦が幕を開けたのでした。

 バーゼルフェアで発表した9Pは反響を呼び、
このムーブメントを組み込んだピアジェの腕時計の中で伝説的なモデルと言われる「エンペラドール」は厚さ7mmだったとされていて、ここから現在に至るまでにピアジェの腕時計はさらに薄型化の実現へと突き進んで行きます。 

 1960年に自動巻きムーブメント「12P」を開発して仕組み上厚くなりがちな自動巻きで厚さ2.3mmを実現します。 その後薄型時計の性能的な問題点だった精度と耐久度を克服するために少し厚さを増して全体の性能バランスを整えた手巻きムーブメント「430P」(厚さ2.1mm)を1990年に、自動巻きムーブメント「1200P」(厚さ2.35mm)を2010年に開発するなど様々なムーブメントを生み出していきます。 
 そしてこれらのムーブメントを使用した薄型腕時計が、現在もピアジェの代表的なドレスウォッチとして進化し続けている「アルティプラノ」です。

 ここまでに○○mmと連呼してきましたが、
数字で言われても困っちゃいますよね?w
身近な物で比べると500円硬貨が約1.85mmなのでコインくらいの厚みのムーブメントということになります! 

 こうして限りなく薄くて、精度など信頼性も高い薄型ムーブメント作りに挑戦し続けて、時計業界で「薄型ムーブメントのパイオニア」と呼ばれるようになったピアジェですが、現状に満足することなくここからさらに薄型腕時計の高みを目指し続けて、2014年に驚異的な発明をして時計業界に革命を起こします…

・究極的高みへの到達

 これまでの腕時計の構造はムーブメントをケースに入れてガラスと裏蓋で閉じるような形で設計されていましたが、ピアジェはこの裏蓋に直接部品を並べてケースに取り付ける事でケースとムーブメントを一体化するという突飛もないアイデアから開発されたのが「アルティプラノ アルティメート オートマティック」です。 

 この時計全体の厚さは、1957年に開発したエンペラドールの約半分の厚さ3.65mmという驚愕の時計でした。 このアイデアを実現できたのは時計メーカーを目指し出した1911年の時からケース作りも行っていてノウハウが身についていた事からこそのアイデアだったのだと思います。
 まさしくこの超薄型時計は創業者の理念を脈々と受け継いできたピアジェの努力の結晶のような時計です! 

 さらにさらに2018年にはさらなる進化系
「アルティプラノ アルティメート コンセプト」を発表します。その厚さはなんと2mm!!
時計自体が500円硬貨くらいまで薄くなっちゃいました!w
 発表当初は実験的に作られただけではないか?など話題にあがりましたが、実用化に向けて様々なテストを行って2020年に正式に商品化されました! そしてこの年の「時計界のアカデミー賞」と呼ばれるジュネーブウォッチグランプリにて最優秀賞である金の針賞を受賞! 

 これにより名実共に時計界屈指の名工の仲間入り果たして、創業者の信念を受け継ぎこだわり抜いた薄型というコンセプトを世に定着させて
「薄型時計といえばピアジェ」と呼ばれるようになったのでした!

・芸術的色彩の目醒め

 ピアジェといえば薄型時計と言われるのと同時にもう一つ代表的なものを作っています。それがジュエリーウォッチです。

 ジュエリーブランドが時計作りも行って成功した例として前回お話ししたヴァンクリーフ&アーペルやカルティエが挙げられますが、時計ブランドが ジュエリーウォッチ作りも成功している代表格が ピアジェなのです。 

 なぜピアジェがジュエリーウォッチ作りを行うようになったかというと、ジョルジュ氏の孫で3代目経営者のヴァランタン氏が掲げたピアジェのもう一つの信念があったからです。 
それは「今までになされてこなかったことをする」
という信念でした。 ヴァランタン氏は創業者である祖父の信念の本質にあった「物に付加価値を付ける」という事に加えて、「他の物と差別化をする」という事にも目を向けるべきではないかという想いがあったのではないでしょうか。 
 このもう一つの信念の元、ピアジェは1959年にスイス・ジュネーブに新たな時計工房を建てて、さらに金細工を行っていた工房を買収しました。 ここからピアジェは薄型時計作りと並行してジュエリーウォッチ作りをはじめます。

 ピアジェは薄型時計の開発に情熱を注いでいたと同時に技術力もさらに磨きがかかった事で、
これまで時計の装飾に使われてこなかった素材を使って時計作りを行います。
 その素材とは天然石です。 

1963年からルビーやラピスラズリ、ヒスイなど天然石をダイヤル(文字盤)に加工して時計に組み込んだジュエリーウォッチを発表していきます。 この天然石ダイヤルは石なので金属ほどの強度がないため加工に相当な技術が必要です。
 そのため強度を保つために通常使われるダイヤルより厚みがあるため、通常の厚さのムーブメントを使った時計には厚みがありすぎて使う事が困難でした。 ですが、ピアジェの薄型ムーブメントであれば薄い分時計内にスペースが出来るため使うことができたので、ピアジェが積み上げてきた努力もあって実現できた時計でした。

 またこの当時色付きのダイヤルは主に塗料を使った物しかありませんでした。ピアジェの天然石ダイヤルは色や模様など石特有の表情があるのも魅力で、他のジュエリーウォッチにはない芸術的な色彩を持つこの時計は、女性からの人気が絶大でした!
 そしてこの天然石ダイヤルは今でもピアジェが作るエレガントな腕時計を飾る象徴的なピースの1つとなっています。
 

・繊細さと大胆さの融合

 こうしてピアジェはジュエリーウォッチ作りでも順調に成功して、ピアジェの芸術的な時計達は世界のVIPたちを魅了し、著名な文化人たちとの交流を生むきっかけにもなりました。

 1960年代〜80年代の間にこの時代を代表する芸術家たちから評価されて、人間の無意識の中にある内面の領域を作品として表現して描くシュルレアリズムの巨匠「サルバトーレ・ダリ」とコラボレーションしたジュエリーコレクションを1967年に発表します。 また顧客の1人だった ポップアートの旗手「アンディ・ウォーホル」は複数のピアジェの時計をコレクションしていたほどの大ファンでした。

 1973年にはアシンメトリー型のベゼル
(ガラスを固定している枠)にダイヤモンドが
セッティングされ、細かな彫金が施されたブレスレットなどを大胆に取り入れられたジュエリーウォッチ「ライムライト ガラ」を発表して、今もピアジェを代表するジュエリーウォッチの一つになっています。
 1980年には4代目となる「イヴ・ピアジェ」へ経営が引き継がれてジュエリー製作にさらに磨きをかけていきます。 

 1988年にピアジェはリシュモングループに仲間入りした事でさらにジュエリーブランドとしての名前が広く知られるようになっていった事を受けて、1990年にダイヤモンドが丸型のラウンドケースの 外周リングにあしらわれ、リングを指でくるくると回転させられる時計の装飾にも「動き」を持たせたユニークなジュエリーウォッチ「ポセッション」を発表してピアジェのアイコニックな時計になりました。

 また90年代からはポセッションのコンセプトを踏襲したジュエリーの発表や、イヴ氏が自分で品種開発をするほどのバラの愛好家であった事からバラをモチーフにダイヤモンドを贅沢に散りばめられた ハイジュエリーコレクション「ピアジェローズ」を発表するなど、ピアジェのジュエリー作りは最盛期を迎えました!

 こうしてピアジェはブランドの個性の一つの薄型時計にジュエリーの要素を取り入れる事でジュエリーウォッチブランドとしても成功して、2006年の ジュネーブウォッチグランプリにてレディースジュエリーウォッチ賞を受賞してジュエリーウォッチ界でも名実共に認められるブランドとなったのでした!

・まとめ

 ピアジェのはじまりから、薄型時計の開発の歩み、ジュエリーウォッチの発展と芸術との関わりなどお話しさせていただきましたが、いかがだったでしょうか?

 スイスの片田舎からはじまり、志の高い信念を持って今まで他の時計ブランドたちがやってこなかったことに価値を見出し、発展させて独自の成長を 遂げていった名工であり、アーティスト
それがピアジェなのです!

 ピアジェは薄型時計以外に独創的な特徴はなく、ジュエリーも他で似たものを見たことがある。
このような印象は確かにあるかもしれません。
 でも、今回お話させていただいた彼らピアジェの物語には不遇な環境であっても諦めず、信じた道を突き進み、唯一無二の存在となった素晴らしいストーリーがありました。


 みなさんも時計やジュエリーなど物を購入する時にさまざまな想いがあると思います。

これからも仕事を頑張ろう!
この素敵なアイテムが似合う自分になりたい!
大切な人へ気持ちを伝えたい!

 購入する人それぞれに想いがあって、生い立ちや考え方、経験してきた事などその人その人にも  ストーリーがあります。 
 世の中にはそれを選ぶ人に共感してもらえる素敵なストーリーを持った物がたくさんあります!そんな素晴らしい物の中からみなさんの人生や想いに寄り添って、かけがえのない思い出を一緒に作れる。
そんな物とみなさんが出会えたなら、
私はすごく嬉しいです!!

ここまで読んでいただきありがとうございます!
名前しか知らなかったけど面白かった!、気になる!など思っていただけたら幸いです。
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よろしくお願いします!


#ピアジェ
#腕時計
#ジュエリー
#美術

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