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「ユーザー“T”の場合」


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#うたすと2

 この話は【うたすと2 課題曲】「ウチの彼ピはインプレゾンビ」から作らせていただきました。
 ぜひ、最初にこの素晴らしい曲を聴いてみてくださいませ。

 では、始まりです。


「ユーザー“T”の場合」


インプレゾンビは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス「X(旧Twitter)」で広告収益を得ることを目的とし、インプレッション(閲覧回数)を増加させるための迷惑投稿を行う利用者の日本における俗称。特定のアカウントによる投稿の表示を抑止するミュート機能やブロック機能でも、それらの表示を抑止しきれずゾンビのように次々と表示される。

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

・インプレゾンビ考察(013)

 インプレゾンビとは何であるのか。それはSNSに現れた漆黒の“G”であると言っても良い。退治しても退治しても、限りなく湧いてくる新種の生物“IZインプレゾンビ”である。彼らは、意思も主張もなく、ただバズり投稿に寄生する害虫だ。我々は長らく、この寄生虫に悩まされてきた。限りなく“ブロック”を繰り返し、その中で精神に異常をきたしてしまったユーザーもいると聞く。
 鬼リプを繰り返された女性や、港区女子、サレ妻の愚痴まで引用された事件は広く知られているし、“彼”を愛してしまった挙句あらゆる関係を壊してしまった女性の告白も、当時社会問題となっていた。
 しかし、202X年、遂にこの状況を打開する変革が訪れた。

 天敵“KILLer”の出現である。

 “KILLer”がいつから現れたのか、それは明確に記録されてはいない。しかしソレは、1人焼肉で爆食いしていた“彼女”が、A5のメンズを見つけた時期と一致している。どのような関連があるのかはわからないのだが…。
 “KILLer”はSNSに潜むトラップと言って良いかもしれない。しかし、単なるAIというような感じでは無く、むしろ能動的に動き“IZ”を絡めとるように捕食する。“KILLer”に囚われた“IZ”は、その後いかなるエリアにも出現することは無かった。まるで、本当に世界から消滅してしまったかのように、痕跡が無くなるのだ。“IZ”は、1年も経たないうちに駆逐されていった。

 “IZ”たちがどのような最期を迎えていったのか、それは誰にもわかっていない。

 さて、ここで疑問に思うのは、やはり“KILLer”の存在である。“IZ”が絶滅種となった今、“KILLer”の存在に迫ろうにも、もう出現することが無くなってしまった。もはや都市伝説の扱いである。“KILLer”とは一体何者だったのか。“IZ”を考察するうえで、やはりこれは避ける事の出来ない、理解しなければならない壁なのだ。
 “KILLer”と接触するため、今日も、これからも、私はこの“考察”を続ける事にしたい。

 ~・~・~・~・~

 …
 カタカタカタ…。
 …

 いつものように“ハッシュタグ”を付けて、っと…。

「よし、投稿完了~!」
 私は椅子に座ったままノビをした。長時間座りっぱなしで記事を書いていたので、すっかり肩から背中からコリ固まってしまった。ちょっとだけ、そうしてストレッチしている間に、インプレッションの数字はどんどんと増えていく。
「よしよし、良い調子~…と、ん? DM?」
 DMが入ってる。通知気付かなかったな…。
 とりあえず開いてみた。差出人は…“ケイ”…か。知らん人だなぁ~。なになに?

「こんにちは、ゾンビさん。そして、さようなら。」

 ?
 息づきを感じて、モニターから目を離す。振り返ると、ソコにh

(終わり)


 ということで、「ユーザー“T”の場合」でした。今回は「チェシャ猫~」とは真逆で、ほとんどセリフはありません。まあ、記事ベースのお話ですし、登場人物1人だけですからね~。

 主人公の結末は、それぞれご想像くださいませ…(私の想像ではスプラッタ…)

 さて、これで【うたすと2】、リーチです!…まだフライング期間ですけどね…。残る1曲は「Bouquet de muguet」ですが、これが、厳し~! もう、歌詞が綺麗なんですよね。私にはキレイすぎる…💦
 こちらは少し、時間をかけて、お話が降りてくるのを待ちたいと思います。今は、ちょっとこの世界は眩しすぎるよ…。


 そんなところで…。
 今回も最後まで目を通していただき、どうもありがとうございました。