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溶接ビードから見える情報

 タイトルの写真はあのホリエモンさんが出資している会社のロケットの溶接ビードである。私の故郷である北海道の企業であるため、応援しており、Twitter等でチェックしている。その中でロケットの溶接部の写真があり借用させて頂いた。

 溶接に関する仕事をしている人ならわかると思いますが溶接ビードからは下記のような様々な情報を得ることができる。
  ひとまず、①溶接方法はTIG溶接であること。
これは言葉に表すのは困難であるが、表面にツヤがあり、大きなウロコのような波を形成していることから推測できます。
 また、溶接ビードと鏡面のような母材(被溶接材料)の間に白く鈍い面がある。これは母材の酸化皮膜が除去されたこと(クリーニング作用)を表しており、酸化皮膜の除去が必要な金属であるからです。 結論から言うと②アルミ合金になります。アルミは酸化皮膜と母材の融点の差が大きいので皮膜を除去しないと上手く溶接できないからです。
 最後にビードのピッチや高さが不連続であることがわかります。これはなんとも分かりませんが、③高い応力や摩擦を受けない部分かも知れません。腕の良い溶接士は重要ではない箇所の溶接を丁寧さよりスピードを重視します。

 溶接を生業にするものは何気なく街中の溶接部を見ていろいろと考察するものです。新しい鋼構造物と古い鋼構造物の溶接方法の違い。人目につくところと人目に着かないところの丁寧さの違い。様々な情報が見えてくる。


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