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(漫画)信念を変えることの難しさとその事実を知ること

アメリカの奴隷解放記念日に関連して、人が信念を変えることの難しさと、だからこそその事実を知り、少しでも変化を起こすことについての漫画を紹介する。ひとつ前の続き。

元の漫画にはタイトルもなく「You're not going to believe what I'm about tell you」(これから言うことをあなたは信じないでしょう)から始まる。なんの先入観もなく読んでほしいと言う意図も感じるので、できればまず読んでみてほしい

もし原文で読めたら。ここから下はただの引用と抜粋による紹介(とちょっとの感想)。読むかどうかまだ迷っている人、英語に抵抗がある人など向け。でも全訳でもなんでもないので気になったら原文を読んでほしい。

紹介

人間には簡単に飲み込める事実とそうでない事実がある。

ジョージ・ワシントンは歯が悪く総入れ歯だったことはよく知られている(らしい。知らなかった)。

ボルチモアの歯医者がの歯をスキャンしたら金、亜鉛、カバ、馬、ロバの歯などでできていることがわかった。ソースはこちら(1 2 3)。 

ソースもしっかりしているし納得したのではないだろうか。

ではワシントンの歯は奴隷の歯でできていたと言ったら?ソースもちゃんとある(1 2 3)。

ワシントンが実際どうだったかと言うことは大事ではなくて(ソースからどっちの議論も簡単に引き出せる)、ポイントは内容によって感情的に強い抵抗を感じるものとそうでないものがあると言うこと。

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(正直ワシントンについてなんの感情も持っていなかったのだけど、建国の礎として親しんでいるアメリカ人なら強い反応を見せるかもしれない。まあ人によるだろう。ちなみにワシントンは奴隷解放前の人間で、自身は黒人奴隷農場主だった。このあと他の例もたくさん続く)。

心理的に抵抗を感じる議論については、証拠を出すことも逆効果になる。証拠を出せば出すほどより信じようとしない傾向を強める。これはBackfire Effectとしてよく知られて、研究されている。

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これは人間の防衛本能によるもので、心理的、知的な危機に対しても物理的な危機と同じように脳が反応してしまうらしい。

これを回避する簡単な方法はない。できることはこの事実を認識すること。脳に抵抗するのも受け入れて、でもその後ちゃんと聞いて、そうしたら変化できる。強い抵抗を感じたときこそ時間を置く。(自分が強い感情を持っていると思ったら即レスしない)

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感想

これは辛い戦いだと思う。人種主義の問題など、自分が「変えたい」相手がいる場合に、その相手はこの漫画を読んでくれるだろうか。納得してくれるだろうか。

でも、相手がなぜ「わかってくれないのか」を考えることにも意味がある。わからない相手に一方的な攻撃を仕掛けてもBackfireを引き起こす可能性があることも。それでも何人かは分かってくれるかもしれないこと、個人への訴えだけではなく、主義の形成に影響を与えているものに気づくこと、自分にも間違えがある可能性について常に意識すること。考える。

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