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ジャニー喜多川氏の性被害の告発と歴史についての動画を見ての感想(中田敦彦のYouTube大学)

どうもひでです。
先日「中田敦彦のYouTube大学」にて下記のような動画が投稿されておりました。

『【ジャニーズと児童虐待】(Johnny's child abuse)初代ジャニーズから岡本カウアン氏まで児童虐待と告発の歴史を完全解説。日本最大の芸能事務所による戦後最大規模の「連続児童虐待」事件。』


先ほどまではこの事件の情報をほとんど入手していなかったこともあり、「テレビでよくあるただのスキャンダルじゃないの?」と考えていました。
ですが、この動画を見て事の大きさを知りました。衝撃的でした。

ということで今回はこの動画を見ての感想になります。まだ疑惑の段階ですので、それを踏まえたうえでご覧ください。
下記のような流れで大まかに動画の解説が行われていましたので、動画の中身を軽く説明し、後で感想を語ります。

  1. ジャニー喜多川氏とジャニーズ事務所、及び告発の歴史について

  2. 性被害に関する現在の法整備

  3. 性加害者が行う行動「グルーミング」

かなり感情的になる部分もあると思いますが、最後まで見ていただけますと幸いです。なお、法律の内容にも触れますので上記の動画を見ていない方は是非見てください。

また、この一連の騒動についてこの動画の内容しか分かっておりませんので、「もっと違う法律もあるよ」とか「もっと違うニュースもあるよ」等ありましたら是非教えていただけますと幸いです。
勇気と覚悟を持って今回この動画を作成していただいた中田敦彦さんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。


まずは動画で述べられていたことをサラッと説明します。


ジャニー喜多川氏とジャニーズ事務所、及び告発の歴史について


ジャニー喜多川氏は1960年代頃ジャニーズ事務所を立ち上げ、数多くのアイドルグループを輩出してきました。日本でこの事務所を知らない人はいないでしょう。
ですが、1980年代後半から初代ジャニーズの方などから性被害の告発やそれに関する本が出版されるなど、ジャニーズ事務所を辞めた方からの告発がたびたび行われます。
転機が訪れたのは1999年。週刊文春が14週にわたってジャニー喜多川氏の性被害に関する記事を取り上げると、それに対してジャニーズ事務所が名誉棄損として訴え裁判が行われます。2003年に東京高裁がジャニー喜多川氏が性加害を行ったと認定し裁判に幕を閉じます。未成年への性加害とのことなので普通は大スキャンダルになりそうですが、ジャニーズ事務所のテレビへの影響力が強かったことで、テレビでは全く報道されていませんでした。
その後も性加害の記事がたびたび週刊文春に取り上げられた中、ジャニー喜多川氏が2019年に死去。2023年にイギリスのBBCにこの件がドキュメンタリーとして取り上げられたり、岡本カウアンさんが記者会見を行ったりしたことで事態が大衆の方へ表面化し、現在に至っています。


性被害に関する現在の法整備


一度性被害が認められる判決が下りましたが(先ほどの2003年の東京高裁の判決)、ジャニー喜多川氏には処罰がありませんでした。2017年までは性加害に関する犯罪は強姦罪という罪に問われるのですが、女性しか適用されなかったため男性に対して性加害を加えたジャニー喜多川氏にはお咎めがなかったということです。

2017年に改正され、現在は性被害に対しては強制性交等罪という罪に問われます。ですが、暴行や脅迫が立証されなければ罪に問われることは無いそうです。お偉いさんの権力や拒否できないような状況に追い込まれたとしても、暴行や脅迫を行っていなければ罪に問われることはありません。
この罪では性同意年齢(性行為の相手との同意に関して判断できる年齢)が13歳以上と規定されています。つまり13歳以上は上の法律が適用されるため、暴行や脅迫を受けなければ罪に問われることは無いのです。

にも関わらず、日本の教育指導要領では中学1年生で妊娠の仕組みを学ぶことはありません。妊娠について学校で教わることが中学2年以降ですし、避妊などに関して言えばもっと学ぶ時期が遅くなるでしょう。
現行の制度では13歳以上の性被害は年上の人の圧力や逃げられないような状況に置かれたとしても暴行や脅迫が無ければ罪に問われないにもかかわらず、性教育は13歳で行われない、何なら避妊に関しては妊娠の学習よりももっと遅いであろうというとつもない矛盾を抱えた制度になっています。

ちなみに先進国では性同意年齢は16歳以上で設けられているところがほとんどで、日本は一番年齢が低いとのことです。またユネスコの国際ガイドラインでは、9~12歳で妊娠の仕組みを教えることが適正であると明示されており、このような性教育に関しても国際的に後れを取っている状況です。

また、強制性交等罪では監護者からの強制性交に関しては暴行や脅迫がなくとも罪に問えることができますが、監護者の範囲が「家族・扶養者・養護施設の職員・親戚」と非常に狭く、学校の先生やスポーツクラブのコーチなどの指導的立場の人は含まれないとのことです。

そのため今回のジャニー喜多川氏の性加害は男子中学生を狙ったものが多いこと、また監護者に含まれないため暴力や脅迫がないと罪に問われないこと、実際には暴力や脅迫を行っていないため強制性交等罪に問われないという点があるため、非常にグレーゾーンな問題であると言えます。


性加害者が行う行動「グルーミング」


性犯罪者が行う行動パターンとして「グルーミング」というものが挙げられます。これは性犯罪用語の一つで、4つの過程から行う逮捕されにくくする予備行為とされています。いい人を演出することで、幼い児童たちの強制性行をうやむやにし、むしろかばってもらうような心理状態に持っていくことが目的だそうです。

1.観察する

まず対象を品定めします。引っ込み思案であったり精神的に弱いといった脆弱性を持つ人を探します。

2.孤立させる

家族や友人、親戚といった保護者から孤立させることで、対象が守られないような空間を作ります。

3.信頼させる

相手を信頼させるため贈答品を渡したり、秘密を共有させることで信頼させます。

4.触れていく

まずはくすぐったりマッサージをするなどして接触に慣れさせ、最後に性器への接触を行います。


証言によるとジャニー喜多川氏も例にもれなくこのような行動を行っていた可能性が指摘されています。

  1. 観察する :レッスンやオーディションに正体を隠して見に行く

  2. 孤立させる :東京と大阪に寮を作ってそこに住ませる、多忙なスケジュ       ールで心身を孤立させる

  3. 信頼させる :自宅の合鍵を渡す

  4. 触れていく :マッサージを行い、複数回後に性行為へと変わっていく



この動画を見ての感想


ここからは上記の内容をふまえての僕の感想です。
正直絶句しました。性被害にあった方は私たちには到底想像できないとてつもない辛い思いをしたでしょう。このような常識的には考えられない不都合な真実を力で抑え込んでいたこと、またこのような不都合な真実を国民全員で黙殺していたこと(芸能界は枕営業が当たり前みたいな風潮)を考えると日本という国の恐ろしさを感じました。特に、未成熟な男性が好きなジャニー喜多川氏は男性としての成長を遅らせるため女性ホルモンの注射を行わせたことがあったという証言を聞いたときは、不快感が沸騰したお湯のように沸きあがりました。

それと同時に、日本の今の現状はとても危ういと感じました。テレビやニュースでも大々的に報道することは無く、Twitter等で調べても大々的なニュースとしてまとめられているとしても事の大きさからしたらとても少ない。
報道がされず国民が何も反応しないとなると、とんでもない数の未成年者への性被害を黙認することが日本の民主主義であることを世界に知らしめることに繋がってしまいます。そんな国であってほしいとは到底思えません。

また、「ジャニーズを応援する気がなくなるからこのような報道は止めてほしい」という方もいますが、ジャニーズを応援することと性被害の審議を明らかにすることは別問題だと考えています。そもそも未成年の性被害があったら常識的に考えたらいけないことだと分かると思います。人を応援することも大切ですが、人として何が正しいのかを心に問う必要があるのではと考えます。


この問題に関しては性被害も大きな問題なのですが、法律の方がより大きな問題なのではと考えました。ですがこちらに関しては今年に入り大きな進展があったようです。
Wikipediaの情報にはなってしまうのですが、3月14日に強制性交等罪から不同意性交等罪へと名称を変更し、改正することが閣議決定されました。
従来の暴力や脅迫に加えて、お酒や薬による加害、虐待などの心理的支配、瞬時に抵抗できないような心理状態、権力や社会的地位を使った性加害などを適用範囲としております。
性同意年齢は16歳に引き上げられ、性器や性交、下着の撮影および拡散に対しては撮影罪を新設し新たに罰則を付加することとなりました。時効期間も10年から15年に延長されます。早ければ今年の夏ごろに施行とのことです。

この閣議決定が成された際のニュースをYouTubeで見ていたのですが、コメント欄には「冤罪が増える」や「後から不同意と言われたらどうすればええんや」とか書かれており炎上してました。ですが、今回の騒動や強制性交等罪の不十分さを鑑みると暴力や脅迫以外で性犯罪を罪に問えない世界線の方がやばいと思うので、だいぶマシになったとは思います。

ですが問題点もあります。

1つ目は13~15歳までは5歳以上の差がある場合にのみ不同意性交等罪が適用される点です。
中学生の間では学年が1つ違うだけでパワーバランスが大きく異なるためそのような立場を利用しての性加害や、同年代のいじめ等による性加害は該当しません。謎制度ではありますね。
性教育を学校に任せておけない場合は親自身が教えることも検討する余地がありそうです。ゲーム実況者の加藤純一は中学生に上がった瞬間、看護師の母親からコンドームの付け方を強制的に教えられたと言っていました。(どの生放送かは忘れました。)

2つ目は適用範囲がかなり増えたものの適用の表現が曖昧のものもあるという点です。捉え方によっては罪に問われてしまう可能性があり、刑事弁護側からは冤罪の増加を引き起こすという懸念が指摘されています。

3つ目は時効期間の短さです。15年と言われるとは長いように思われますが、性被害にあわれた方の心の傷はとても根深く、人に話せるようになるまでとても長い時間がかかることが少なくありません。実際今回ジャニー喜多川氏に性的被害を受けていると公言した岡本カウアンさんも被害を受けてから公言に至るまで10年以上かかっています。より深刻な心身的ダメージを受けた方は公言することでさえもそれ以上時間がかかると考えられており、時効期間をもう15年伸ばしてほしいという意見や無期限にした方が良いという意見もあります。


まとめ


今回の騒動は単なる大手芸能事務所の社長が性加害者だったという点だけではなく、日本人のモラルや道徳観も試されているなと感じました。

今回の騒動ような大きい何かに立ち向かうこと勇気と行動力は僕にはないのですが、自分にできることを少しずつ見つけて行動していきたいなと思います。




参考文献と今回調べていく中で見つけたSOS


参考文献



性被害にあわれた方、及びそのような環境に置かれる可能性のある方のSOS一覧


何かお助けになれば幸いです。(サイトの内容は確認しましたが使用経験はないのでその点ご了承ください)



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