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「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」見たよ

「ミステリー×多国籍群像劇」という僕の好物が2つ合わさっている。
羽海野チカの「3月のライオン」理論で、"美味しいもの×美味しいもの=もっと美味しいもの"理論がある。

この映画は、結論、凄く面白い映画。

<<上がるポイント>>
・9人前後で、密室風ミステリーは上がる。
・時系列を「近未来」、「今」、「過去」、「古い過去」を説明台詞無しで、時間軸がわかるところが、素晴らしく上がる。
・ケイパーものとしても上がる。
・様々な人がお国の言葉で話して、ある人を混乱させるところが上がる。
・ちゃんと、5.1chとして面白い音響効果を使っているシーンが2箇所あって上がる。
・翻訳者の悲哀がまざまざ出ているところが上がる。(若いときに、プリンタ等の日本語→フランス語、日本語→イタリア語の翻訳していたので、身にしみる。)

これだけで、あれば非常に上がる。
ミステリーが好きなら、面白いと思うけど、ミステリーに対して、ピンとこない方にも見ても損が無いと感じる。

良きストーリのポイント
・初期10分で、なんとなく翻訳者×社長×秘書の性格とミッションがわかる。
・30分ほどを使って、翻訳者が個人からチームとして、最高潮に強固になる。(クリスマスのシーン)
・そこからの事件スタート、疑心暗鬼ターン。
・「近未来」の刑務所での会話(かなり一方的な形で)のため、深まる謎。
・「今」の地獄絵図ターン
・「近未来」のネタバレターン
・「今」の地獄絵図ターン
・「過去」、「古い過去」、「近未来」で、本当の事件の真相(ここラスト10分)
最後の所が最高!!

チームが最高に上がったところを丁寧に見せているので、その後の、地獄絵図ターン最高。この脚本考えた人、天才だわ!!

2つの映画の比較になっちゃうけど、「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」と「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」の差は、

「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」は、古き良きミステリー映画の王道なんですよ。お正月前後に封切りして、スター俳優使って、いい意味で癖の強い演技をさせている所。※「オリエント急行の殺人」的な優雅な感じ。

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」は、豪華さよりも、様々な国籍のステレオタイプの皮肉と、程よいケイパー具合、そして、翻訳者の苦労等々、、、
そして、犯罪と殺しを興味深く見せている淡々と興味を引く作り。


どちらも、面白いミステリーでどちらもお薦め。
だけど、個人的には、"国籍群像劇"が好きなので、2つのうちどちらかだけをお薦めしなければいけないというルールだと。「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」になっちゃう。

これ、今、みてほしい映画でした。

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