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『Bar南国の夜』マスター・よこちゃん、半生を語る【全国ラジオ特集 発売記念①】【無料記事】

※現在発売中の「別冊TV Bros.全国ラジオ特集powered by radiko」で掲載中の特集から、未公開トークや追加取材を交えた特集を今後お送りします。

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ガタイのいい体に緑のモヒカン。一見、怖そうに見えるものの、どうでもいいような話の面白さはハイレベル。“よこちゃん”こと與古田忠さんは沖縄にある『Bar 南国の夜』の陽気なマスターだ。アメリカの大学から帰国後、21歳の時に店を開いて今年で25周年。ユニークな人柄が噂となり、いつしかラジオに出演するように。’14年にスタートした『ラジオBar 南国の夜』(RBCiラジオ)は、ラジオが好きな爆笑問題の太田光も絶賛。嘉大雅アナウンサーとのオトナの会話がウケて全国にファンをもつ。お店にも注目が集まり、今や伊集院光をはじめ、各地からラジオファンが訪れるようになった。ところが、マスターのよこちゃん自身のことはあまり知られていない。そこで謎多きご本人に話をうかがった。

取材・文/やきそばかおる 撮影/福澤卓弥


ハメを外しすぎた初の生放送
「いつまでも、あると思うな。親とタイムフリー」

本編の前に『ラジオBar 南国の夜』をおさらい。

‘14年、仲田紀久子アナウンサーとのコンビで30分番組として開始。仲田アナはよこちゃんに対して「なんだ、このおっさん?」というスタンスだったが、’17年8月、『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)で太田光が「面白い番組がある」と紹介。その後も太田が毎週のように『ラジオBar南国の夜』の話をしていったことで全国に知れ渡った。’18年には『伊集院光とらじおと』(TBSラジオ)の「アレコード」にメールを送ったことがきっかけで伊集院が収録のため来店。

その後、仲田アナは社会人留学のため休職。嘉大雅アナウンサーにバトンタッチした。嘉アナは大きなプレッシャーを感じつつも、いつしか2人による自由すぎるオトナのトークが人気を呼んだ。初の生放送ではハメを外しすぎてradikoのタイムフリーを放送の2日後に止められることもあった。この時に生まれた言葉が「いつまでも、あると思うな。親とタイムフリー」。

5月3日には、5月2日に迎えたばかりのよこちゃんの誕生日をZoomで祝うオンラインパーティーが開かれ、有料にもかかわらず120人を超える人々が各地から参加。中には名古屋や広島、大分などで活躍するパーソナリティーも参加、登場した。


原価計算すらできてなかったが
Barを出店


奇跡を起こし続ける男、よこちゃんはどんな人なのか。聞くところによると、アメリカの大学に通った動機は意外なところにあった。

「実はアメリカで医療を学ぼうと思ったんです。30年くらい前、日本では患者を救急車で運ぶ間は救命行為ができないことが法律で決まっていて、救命行為をしてしまうと罰せられたんです。一方、アメリカでは救急車は“走る病院”と呼ばれているほど搬送中に命を助けようとしていることが分かって、僕もアメリカで医療を学んで帰国すれば日本でもアメリカと同じように救急車で命を助けられると思ったんです。そこで地元の消防士のおじさんにそのことを話したら『法律が違うからできないと思うけど、勉強して帰ってくるのはいいんじゃない?』と言われて行くことにしました」

晴れてアメリカの大学に進学したものの、英語が話せなかったよこちゃん。まずは英語が話せない人のための授業で英語を学ぶところから始めた。

「メキシコやベトナムなどの移民者と授業を受けてました。本来なら10年間医療を学ぶ予定だったけど、母が倒れたこともあって4年で戻ったんだよね」

母はスナックを経営していた。そこで休業中のスナックのカウンターにターンテーブルを置いてレコードをかけたところ、その楽しさにハマり、Barを立ち上げることしたという。

「勢いでお店を始めたから原価計算すらできてなかった。数日で家賃と同じ売り上げを出さないとマズいって言われてたけど、楽しかったからそういうのは気にしなかったの。ただ、開店当時はウチの店のようにレゲエやボサノバのイベントをする店は珍しかったから、人がたくさん来たんだ(笑)」

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いつか爆笑問題に
Barに遊びに来てほしい


よこちゃんがすごいのは、「南国の夜」の仕事以外にも様々な仕事をしていたこと。塾講師、デザイナー、イベント関連の代理店、雑誌の編集者など、トータルで7種類にも及んだ。

「イベントの仕事をしていた時は、深夜3時頃にお店の営業が終わって那覇市内に移動して、会社の近くにあったラブホテルに泊まってました。2〜3時間経ったら、ホテルの顔見知りのおばちゃんに電話で起こしてもらって、シャワーを浴びて会社に行ってました。忙しかったけど、若かったし仕事が面白かったからできたんだよね」

よこちゃんは好奇心旺盛で興味のある事には飛びつく。デザイナーをしていた頃、沖縄で初めてコシノジュンコがファッションショーを開催することになり、知り合いに「写真、撮れる?」と聞かれて「撮れます」と勢いで答えて撮影の仕事をしたこともあった。もともと写真は趣味として撮ってはいたものの、カメラマンとして仕事をしていたわけではなく、知り合いに詳しく教えてもらったという。雑誌の編集の仕事も「面白そう」だからと、出版社に勝手に顔を出して手の開いている編集者からパソコンの編集作業を習った。

「人間がやることに無駄はないよね。今までやってきたことの積み重ねがあって、120人以上も集まったZoomの飲み会があったと思う」

よこちゃんは新しい電気製品にも興味津々だ。それはお父様の影響を受けている。

「小学4年の時には父に100万円もするパソコンを買ってもらいました。父は40年も前から『これからは家で仕事をする時代がくるぞ』って言ってたの。今でいう『テレワーク』だよね。ただしウチは金持ちじゃなかったから、いつもローンを組んでいたの。買う時にお父さんが紙に何かを書いてたから『あの紙に“パソコン”って書いたら買えるのか。すごいな!』と思ってたけど、あれはローンを組むための申込書だったんだよね(笑)」

なんでも明るく話すよこちゃん。縁があって尊敬する爆笑問題や『平成ラヂオバラエティ ごぜん様さま』『ザ・横山雄二ショー』(ともにRCCラジオ)の横山雄二アナウンサー、『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)の安住紳一郎アナウンサーなど、会いたい人に会うこともできた。

「太田さんが俺の番組を見つけて番組で言ってくれたことでいろいろな人と繋がっていったから爆笑問題にはいつかお店に遊びに来てほしいな…。実は田中さんのお兄さんは、仕事の縁があって25年前にお店に遊びに来てくれたことがあるんです。そのことを田中さんに話したら『マジで?!』ってめちゃくちゃ驚いてたけどね(笑)」

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<プロフィール>
よこだ・ただし●’72年沖縄県生まれ。高校卒業後、ノープランでアメリカの大学に留学。アメフト、クラブ、レコード掘りで4年を費やし、帰国。その後、奇跡的に銀行の融資を受けて「南国の夜」をオープンする。『ラジオbar南国の夜』などに出演中。


<お店情報>

店紹介_YU_0648

「南国の夜」
沖縄県宜野湾市真栄原3‐4‐7‐2F
後9・00~前4・00(水曜定休)
電話:098-988-8200
●ラジオ好きはもちろん、音楽好き、ゲーマー、釣り好き、そのほかマイノリティーな趣味を持つ人が集まるBar。みんなでラジオを聴きながらツイートし、その反応をテレビ画面で楽しめる。

<よこちゃんの出演ラジオ番組>

『ラジオbar南国の夜』
沖縄・RBCiラジオ 毎週土曜10・00~11・00
出演 與古田忠(よこちゃん) 嘉大雅

『blank.』
沖縄・エフエム沖縄 毎週月~金曜前10・45~10・55
出演(月)NANAE (火)むぎ(猫) (水)與古田忠 (木)伊是名優子 (金)ターナー

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