杉作J太郎「ラジオを楽しみにしてくれている人のために、人生を賭けてマイクの前で喋っている」【年末年始ラジオウィーク5日目】
現在発売中の「TV Bros. 2月号 ラジオ特集号」で掲載されている特集から、誌面に載せきれなかったお話をピックアップ!
5日目の今回は、首都圏以外の番組・パーソナリティーを特集した「ローカルラジオスター特集」から『電撃! 杉作J太郎のドッキリないと5』(愛媛・南海放送)杉作J太郎が登場! ラジオへのアツい思いを語っていただきました。
さらなるアツい思い、パートナー・ひなた狼との対談などが掲載された完全版は本誌でご覧ください。
取材・文/やきそばかおる
個人的な話をみんなが聞くことによって世界が広がるのがラジオ
杉作J太郎がとんでもない挑戦をしている。杉作の故郷、愛媛の南海放送で夜のワイド番組『電撃! 杉作J太郎のドッキリないと5』を担当している彼。現在は週に5日の放送だが、2019年4月からの1年間は『痛快! 杉作J太郎のどっきりナイト7』と題して基本的に“毎日”マイクの前で喋っていた。「既にやってきたことはやりたくない」という思いを貫く杉作は「コーナーを決めると面白くないから」と、内包番組以外はコーナーを設けていない。選曲も杉作の自由だ。「時間以外は何の制約もありません。選曲も『好きに選んで良い』と言われたのではなく、何も制約がないから僕が自由にやっているだけです。ストレスはないです」と杉作。お便りはハガキで郵送することを歓迎しており、多少は長い文章のものも紹介する。行き当たりばったりの進行であるが、番組にかける情熱は尋常ではない。
――番組では杉作さんに宛てて書いたお手紙が紹介されますが、投稿者の人生が垣間見られるような内容の手紙が多いですね。
やっぱり、個人的な話は面白いし、聴いていても楽しいと思います。僕が大学生だった頃、松山に帰ってきた時にラジオを聴いていたら、「好きな女の子と待ち合わせをしたのに何時間待っても来なかった。結局、僕のことはなんとも思っていなかったと思うけど、僕はあなたのことが好きです…」と書かれたリクエストハガキが紹介されていました。失恋に対する思いを綴ったお便りを読んで、ディスクジョッキーが励ましながら音楽をかけていました。それを聴いて「東京で聴いているラジオと違う」と思いましたね。松山にいる時はそういう番組をずっと聴いていたので、身近な話題のお便りが届いたら、なるべく読むようにしています。個人的な話を聴いたところでリスナーが共感するわけではないと思うけど、そういう話でいいんです。個人的な話をして、それをみんなが聞くことによって世界が広がるのがラジオだと思っています。ラジオって、共有や共感を求められるところがあるけど、あまりそこにこだわると世界が狭くなっていくのではないでしょうか。
――リクエストも独特な曲が多いです。
みんな聴きたい曲じゃなくて「俺が聴きたい曲」でいいと思うんです。だから、ラジオ局にないかもしれないと思う曲も、どんどんリクエストしてほしいです。選んだ理由が書いてあると想像が膨らむのですが、何も書いていない人も多いので、ぜひ何か書いてください。
――愛媛の街の話もよく出てくるので、想像するだけでも楽しいです。それに、今はradikoで全国どこからでも聴けますので、愛媛以外のリスナーも多いですよね。
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