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『2gether』第6話レビュー:そのとき歴史が動いた!TineがSarawatに「嫉妬だよ」と告白したから、第6話は嫉妬記念日!

世界中を涙と胸キュンの沼に落とし込んだタイ発のドラマ「2gether」。7月31日より楽天TVで配信がスタートしたことを記念して、最終話までの全話レビュー連載をスタートします! 書き手は、ご自身もタイドラマ沼に落ちた、ライターの横川良明氏。プロの書き手として冷静と情熱の間を彷徨いながら、横川氏が「2gether」と共に毎週金曜を駆け抜けます!

文/横川良明

よこがわ・よしあき●演劇とテレビドラマを得意とするライター。初のインタビュー本『役者たちの現在地』(KADOKAWA)が発売中! 電子書籍『俳優の原点』(ライブドアニュース編集部)も発売中。

<前回までのレビューはこちらから>

なぜでしょう。私がいま住んでいるのは間違いなく日本のはずなのに、どんどんタイのイベントに詳しくなる。

9月2日は、東南アジア最大級のECサイト・LazadaのイベントにWinくんがご出演。ファンの温かい声援を浴びながらトークと歌を披露してくれました。ちなみに何を喋っているかは相変わらずわからねえ。でも可愛いからいい。それでいいのだ。

指ハートが似合いすぎ。ありがとう、Lazada。日本で展開するようになったらガンガン使うので言ってください。


その頃、Brightくんといえば…。

髪を切ってた。どうしよう。似合いすぎて震える気持ちの行き場がない。早く担当した美容師さん、Amazonのほしいものリスト公開してほしい。秒で送るから。

髪を切る=しばらくSarawatを演じることはないということ。その事実にほんのちょっぴり痛みを感じながらも、だからこそTineとSarawatとして生きてくれたふたりの時間を記憶に焼きつけるべく、第6話をレビューしていきます。このレビューでは物語の内容にガンガンふれていきますので、ネタバレを避けたい方はすみやかに避難してください。


アルハラも肖像権侵害もオールスルーのSarawatがヤバい

<第6話 あらすじ>
Sarawat(Vachirawit Chiva-aree/通称Bright)にキスをされたTine(Metawin OPAS-iamkajorn/通称Win)。だが、翌日、Sarawatは酔っていて何も覚えていないと言い、キスの真意は謎のままに。
Sarawatの本音が知りたいTineは、友人に相談を持ちかける。すると、Fong(Thanawat Rattanakitpaisan/通称Khaotung)から「嫉妬をさせればいいんだよ」とアドバイスが。早速、Tineは作戦を立てるも、逆に自分が言いようのない嫉妬に翻弄されることとなり……。

第5話のポイントがSarawatの独占欲なら、第6話のポイントはTineの嫉妬。胸に芽生えた初めての感情に戸惑うTineが可愛すぎて、クッションを八つ裂きにしてしまいそうです。

事の発端は、前回のキス。しかし、翌日、Sarawatを問いつめても、酔っ払っていてまったく記憶がない様子。あのときのキスはただ酔っ払っていただけ? それとも…? Sarawatの気持ちがわからず、ちょっと距離を置こうとするTine。

しかし、Sarawatが試合中に骨折をしたと聞き、思わず駆けつけます。が、骨折というのはManの出まかせで、実はただのすり傷。拍子抜けしつつも、TineはSarawatの傷の手当てをします。

出ました、タイドラマおなじみの「お世話」シーン。傷薬を塗る手が震えるTine。そんなTineにSarawatは言います。

「俺もだよ。震えてる、心臓が」

恋しくて胸が震えるなんて、J-POPで100回聴いたフレーズなのに、Sarawatの口から聞くと名言に聞こえてしまう。こんなに何でもかんでも名言に思えるのは、Sarawatか瀬戸内寂聴くらいです。

そして、まんざらでもなさそうにはにかむTine。だから早く付き合えって。

いい感じになったふたりは、その夜、チームの勝利を祝っていつもの酒場へ。そこで、友達の力を借りてTineを潰れさせるSarawat。ガッチガチのアルハラですが、Sarawatに関してはコンプライアンスも無効です。

そして、酔い潰れたTineのあられもない姿を写真に撮ってInstagramにアップするSarawat。ガッチガチの肖像権侵害ですが、Sarawatに関しては六法全書も味方です。

もはやGreenよりSarawatの方が脅威では? そんな軽口にFongが「でもGreenがつきまとわなくなった。Sarawatとの芝居をやめたら?」と冷静なひと言。そして、そんなやりとりを立ち聞きしていたGreenは自分が騙されていたことを知り、Tineに真相を問いつめます。

そこへ現れたSarawatがTineと付き合うことにしたのは「Tineが好きだからだ」と宣言。その気持ちが嘘でないことを証明するために、Greenの前でTineにキスをしようとします。

寸前のところでふたりのキスを止め、「信じるわ」と立ち去るGreen。もしGreenが止めなかったら本当にキスをしたのかとTineが聞いても、Sarawatは「本気で俺がするとでも?」と挑発。「誰がお前にキスなんて」と言い捨てます。

もはやこれ、「べっ別に、あんたのことなんか好きじゃないからね!」という古のテンプレワードと完全一致じゃないですか? わかりやすくツンデレなSarawatに、観ているこちらは悶えが止まりません。


嫉妬している男の子の顔はどうしてこんなに可愛いのだろう


しかし、当のTineはSarawat の本心がさっぱりわからないご様子。そこでまたもや登場するのが、親友・Fongです。もし相手が自分のことを好きかどうか確認したいんなら嫉妬させればいいんだよとアドバイス。さすが2gether界の水戸洋平。常に的確なアドバイスでTineをアシストします。

そして、ここからがこの第6話最大のキュンポイント!

Sarawatを嫉妬させようと、知り合いの女の子に彼女のふりをしてもらいます。ところが、当の女友達はSarawatに一目惚れ。作戦なんてすっかり忘れて、黄色い声をあげる始末。それどころかステージでパフォーマンスをするSarawatに店内のあらゆる女子が夢中。Sarawatを大勢の女の子たちが囲んでいるのを見て、Tineはつい面白くない気持ちに。

「恋のライバルが現れると、どんな奴だってやきもちを焼く」。甦るのは、そんな Fongの言葉。苛立ちを振り切るように店を出ていこうとするTine。「Tine、どうした」と問いつめるSarawatについ「嫉妬だよ」と本当の気持ちをぶつけます。

Tineが嫉妬しおったで〜〜〜!!!

この感動、冨田が伸身の新月面を決めて日本が28年ぶりの団体金を獲って以来です。Sarawatに対して何も思っていなかったように見えたTineが、自分の中に生まれた新しい感情を初めて自覚する、歴史に残る名場面。よくわかんないけど、頭の中で『栄光への架け橋』が流れてる。いやまじでこんなん言われて、Sarawat、ちゃんと寝れた? 一晩中、Tineの「嫉妬だよ」がリピートしない??

そんなSarawatの睡眠不足を勝手に心配したくなる、まさに歴史が動いた瞬間でした。


何があってもめげないPhukongにSarawatの血を感じてヤバい


TineとSarawatの恋に大きな進展があった一方、サブカップルにも動きが。特に注目は、Mil(Sattabut Laedeke/通称Drake)とPhukong(Thanatsaran Samthonglai/通称Frank)のふたりです。

チューターになってもらうべく、Milをつけ回すPhukong。そっけない態度に何一つめげる様子もなく、アルバイト先までやってきて、描いた絵に感想を言ってほしいと頼みます。どんなに冷たい対応をされようと、一切人の話を聞かない極太メンタルにSarawatと同じ血が流れていることをそこはかとなく実感しますが、そんなPhukongをあきらめさせるためにMilが出した条件は、明日の朝までに人と車の木を全部で100枚書いてこいというもの。

このふたり、お互い好戦的な性格がめちゃめちゃいいケミストリーを起こしてる。

当然、PhukongはSarawatの弟ですから、そんな無茶振り程度で引き下がるタマではありません。翌朝には大学の壁に100枚の絵を貼り出し、「先輩も約束を守ってください」と勝利宣言。

年下なのに生意気で強気とか最高やないかPhukong。しかし、MilはどうやらTineに気があるようで、こちらのカップルも一筋縄ではいかなさそう。続編である『Still 2gether』が放送されている今もなお決着の見えない左右問題含めて、このMilとPhukongの行方も見逃せません。

6話ラストは、学内で開かれたScrubbのライブシーンへ。TineとSarawatはふたりで仲良く参戦します。「ありがとう。一緒に見てくれて」「楽しかったな」。そんなやりとりを交わし、ちらりとSarawatの横顔に目をやるTine。Tineが前に向き直った瞬間、今度はSarawatがTineを見つめて微笑みます。そして、三度目で合うふたりの視線。目で会話ができるようになったらそれは恋だよ、と日本からそっとアドバイスを送っておきますね。

そして最後にSarawatが聞き逃せない一言をうっかり漏らしたところで終了。いよいよ次回、大きなターニングポイントを迎えます。まさに前半戦最大の山場、どうかご期待ください。

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