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こんなお店に行きたい!──【猫と紳士のティールーム】

紅茶が好きだ。
紅茶を好きになったのは、いまは亡き祖母の影響を受けている。
私は中学一年生まで、家族と父方の祖母と猫の五人と一匹で暮らしていたのだが、祖母とよく飲んでいたのが紅茶だった。
祖母のところにいくと、祖母と一緒に大きな箱に詰められたたくさんの紅茶のティーバッグが出迎えてくれた。
私と一緒に飲むために祖母がわざわざ買っておいてくれているのか、それとも単に自分が好きだったから置いてたのか、真相はいまもわからない。
ただ、私が紅茶好きになったのは、確かに祖母との思い出がきっかけだと断言できる。

思い出語りはここまでにするとしよう。
私が最近愛読しているのは、このマンガである。

楽天Kobo電子書籍ストア: 猫と紳士のティールーム 1巻【特典イラスト付き】 - モリコロス - 4910000324501 (rakuten.co.jp)

【簡単なあらすじ】
OLの女・片出は仕事のミスで落ち込んでいたところ、たまたま紅茶専門店「CAMELLIA TEA ROOM」の前を通りかかる。
出迎えてくれたのは、黒と白の毛並みの猫・キームンと、物静かなイケオジ店主・瀧。
店主の瀧が淹れてくれるのは、紅茶にお菓子が付いてくる「本日の紅茶」。
紅茶好きの店主が淹れる紅茶は、訪れた客の心を優しく解してくれる――。

【勝手なおすすめポイント】
このマンガ、なんといっても絵がとっても綺麗!
プロが描いてるんだから当たり前なのだが、登場人物の細やかな表情や小道具、背景までしっかり描き込まれているし、なんといっても食べ物がすごく美味しそう!

イケおじ店主こと瀧さんは接客の時は涼やかで凛々しいダンディなおじさまなのだが、実は人見知りで、紅茶について質問されると本当に嬉しそうに紅茶に関する知識を教えてくれるのだ。

尽きない紅茶トークに花を咲かせる瀧さんを止めてくれるのが、店の看板猫であるキームンくん。キームンくん、すごく人間味があってしっかり者なのだ。時にはお店にお客さんを呼び寄せてくれたりもする。まさに招き猫。

そして、茶葉や産地はもちろん、どの紅茶にどのお菓子を合わせたらより楽しめるか、紅茶に関するためになる知識が盛り込まれているのだ。
「家でミルクティーを飲んでみたら何か違う気がする」
「美味しいレモンティーに出会ったことがない」
紅茶に関するお悩みも、紅茶に詳しい瀧さんが優しく教えてくださる。非常にありがたい。

【個人のおすすめエピソード】
私が好きなエピソードは3巻でお店に訪れる老夫婦のお話だ。瀧さんのお店になにやら不機嫌そうなおばあさんがやってきて、「連れがくる」と前置きした上で一杯の紅茶を注文する。ほどなくしておばあさんの連れであるおじいさんが来店。おばあさんと同じ紅茶を「本日の紅茶」で注文する。おばあさんとおじいさんは同じ紅茶を飲みながら、新婚旅行の思い出に話を膨らませる──。

正反対な老夫婦の過ごす穏やかな時間が堪らない。
当マンガの著者であるモリコロス先生の描かれる、ゆったりとした時間の流れ方が好きなのだが、新婚旅行で行ったセイロン島(スリランカ)の話をする老夫婦の時間の描き方はとても綺麗で、映画のワンシーンを見ているようだった。

「ああ、このお店の紅茶を頂きたい……」

「猫と紳士のティールーム」のお話を読む度に、私は瀧さんのお店に想いを馳せるのだった。

【おしまい】
このマンガを読み終えると、私はいつもお菓子と一緒に紅茶を飲みたくなる。

紅茶沼の方ならより楽しめるだろうし、単に猫とイケおじの組み合わせが好きな方も楽しめると思う。
あくまで私個人の憶測なので、まずは公式サイトで1話を試し読みしてほしい。
https://comic-zenon.com/episode/316190246914016996

「猫と紳士のティールーム」は現在3巻まで単行本化されている。
紅茶好きの方も、猫好きの方も、ギャップのあるイケおじが好きな方も、もちろんそうではない方にもぜひ読んでほしいマンガだ。

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