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WINNING UGLY(醜い勝者)

 毎週月曜にnoteを更新すると決め、取り敢えずもう何でもいいから5000字程度の訳の分からない文章をやけくそで書きまくっている間に、世間では約半年が経過したらしい事を知った。noteからの告知で。

 何をだよ。この状況の何を、誰に自慢できるのか。教えてくれマジで。相も変わらず何のバズりも無い、マネタイズの糸口すら掴めない、何故…どして……
 いや、俺の文章が何かおかしいんだろう。正直こっちもこっちで「文章なんて別に面白く無くていい」と思っている、開き直っているから始末が悪い。面白く無い文章の方が、読み終わった時に「やっと終わりやがった!!ああすっきりした!!」という爽やかな読後感を得られるからいいんだよ。面白い文なんてXのネタツイに任せておけばいい。長文の役割とは読者から「この変態著者は結局何が言いてえんだよマジ叩き殺すぞこいつ」みたいな静かな怒号を浴びながら、それでもなおお客様方へ一切煮え切らない煩悶を提供することであり、「そうか!そういう事だったんですね!」みたいな、"読者のめいを開く"みたいな仕事は宗教家に任せておけばいい。いや、これでは腕の悪いラーメン屋の店主が「ウチのラーメンはコクも下味も無いのが売りなんでい!下町の味ってえのはそういうもんなんだす!」と主張しているのと一緒か。醜いぜ。つやつやと実っている稲穂よ、お前はあまりにも醜い。
 
 ラーメン屋の事書きながら思い出したけど、最近のコンビニの高いお菓子(250円を超える位のやつ)、本当に食いにくいよね。直径15cm位の円形のカステラ状の生地を半分に折って中にクリームを挟んだやつをこの前買ったけど、あのフォルムをどうやって手で持てば良いのさ。武道の達人ばりに付け入る隙が無いよ。それとか、パッケージの中に巨大なクリームの塊が入ってるだけのやつを「さあさあ!手で掴んで!思っきりガブリと食いついてくんねえ!それが下町のいきってなもんでさあ!!」みたいな感じで提供してくるじゃないですか。袋には紅茶とかペルシャ猫のイラストをあしらっていて、袋を開いたらいきなりそれ?ってなるじゃん。食べやすい様に加工する為の経費を削減する為だけに江戸っ子のふりしてるだけとしか思えない。そう考えるとやっぱり普通のアンパンとかを俺は買うね。ま、それはいいとして、ずっとダラダラ本を読んでます。

 ほぼ毎週こんな写真貼って悪いけど、まあ部屋がこんな感じなので、とにかく一冊でも本を読んで、一冊でも減らしたい。読めば処分できるから。読み終わった後も「あああやっと一冊終わったぞ畜生めぇぇ!!」としか思わないし、多分自分は「愛読家」では無い。むしろその逆。「やっと一冊殺せた…」とか思う、もう「読破」という言葉すら遠く及ばない程に"読書"という行為への憎悪が満ち満ちている思考に己が身を操作されている時もあって、他人事みたいに言っていい事態では無いが、多分ミソジニーの本バージョンみたいな感じなんだろうと思う。本を買う際は「これで現実逃避できるんだ…!」と思って歯止め無く買いまくるけど、実際それらの本が自宅に置かれて「現実」自体と化したら途端に「何なんじゃこの本は…!」とウンザリしてしまうっていう。よくないです。
 ただ、昨日都知事の選挙が終わって、小池百合子が選ばれて2位が石丸伸二っていう人だったんだけど、なんかその人が選挙後のインタビューでインタビュアーに対して高圧的(というより瞬きが異常に多くて余裕が無さそうだった)な態度で質問をはぐらかしてばかりで、その様子について誰かがXで「この様な受け答えをする人物が若者に人気なのは、いわゆる"論破"というスタイルをこの10年に渡って許容してきた全ての大人に責任が有る」みたいな事をポストしているのがバズってて、嫌だっ!!俺には責任は無いっ!!と強く思った。"論破"とは結局、話し合いの際に、自分の意見を通す為のタイムパフォーマンスを良くする用の技術でしか無いだろう。そんな邪なやり方が蔓延った責任を、「その時代に生きていた」という理由だけで全ての大人が被らないといけないのか!?俺は少なくともこの半年間、コスパもタイパも最悪な長文で自分の意見を表明する事で、今現在の「140字内でうまい事言った人間ばかりが識者として持て囃される」風習に異を唱えてきたつもりだし、そもそもツイッターを"正しい意見が得られる場所"として信用した事はここ10年無い。石丸伸二氏のやり口が評価されている原因の大半は「短文でうまい事言って耳目を集める」という技術のみを十数年間に渡って人々に培わさせてきたツイッターが負っているに決まっている。まさに論破厨みたいな事を言うが、「この様な受け答えをする人物が若者に人気なのは、いわゆる"論破"というスタイルをこの10年に渡って許容してきた全ての大人に責任が有る」というポストが評価される地盤にこそ石丸伸二氏が人気を得る理由が有るのだ。140字の時代は終わり。これからは書く方も読む方もタイパの最悪な長文の時代だ。皆で「失われた時を求めて」とかを読んで発狂寸前までイライラしよう。俺は"論破"へのレジストとして、別に面白い訳でも無い本を読み続けているという気概を持っている。という訳で一曲好きな曲を貼ります。一曲10秒くらいの曲ばっかやって持て囃されたナパームデス、を脱退したリー・ドリアンが始めたバンドの"カテドラル"、そのバンドの、長くて暗い曲ばっかり入っているファーストアルバムに収録されている"エボニー・ティアーズ"です。今の政治にはこれが足りない。かもしれない。

Cathedral - Ebony Tears (Official Video) [1991]

 というか、ずっと思ってるんですけど、俺の今の"ちょくちょく好きな曲の動画を貼る"ってやり方の文章でマネタイズなんて出来る訳が無いですよね。だってその場合「ここから下は有料です 300円〜」とか表示されて閲覧を制限されている、まさにその部分で「それではいってみましょう、カテドラルのエボニー・ティアーズです!どうぞ〜」とか「う〜ん、ノッてきたぞ!次の曲いってみよう!"にんじゃりばんばん"!」とかやる訳でしょ?「こいつカテドラルの曲貼って300円貰おうとしてるの!?本物のバカじゃん!??」と読者全員からびっくりされて終わりだよ。著作権的に大丈夫なのかどうかは分からないけど、まあ真っ当な感性の人達からは全員忌避されるわな。名前忘れたけど、藤子・F・不二雄の漫画をトレースした絵で展覧会開いて「僕は藤子先生の絵の素晴らしさを伝えたいんです」みたいな事言ってた人と同じカテゴリーに入れられますわな。でも俺はあの人は「ほぼ単なる模写で金を取ろうとしているだけで狂ってるのに、更にその作品に何故か自らの作家性まで入れようとしている」というめちゃくちゃな姿勢が、昔雑誌のクッキーシーンとかで連載していた漫画家のうんこ次郎に似ているので、そこまで嫌いになれない。別に好きでも無いが。

 昔は本当に人気(いや、今でも)、若者達のオピニオンリーダー的な存在だったんですよ。うんこ次郎先生は。少なくとも俺にとっては。「3回だけ連載やれよだってさ。やる気レス・ザン・ゼロ!!」とか雑誌に掲載されてる漫画の柱に書いてあって震えたもん。本物のROCKがここにあると思って。あれに匹敵するロックな柱は、鳥飼茜が「ドラマチック」を雑誌で連載してた時に書いてあった「ガス代が払えなくなったけど、井の頭公園で似顔絵描きして金を稼いでなんとかしました」位しか俺は知りません。

 ま、そういううんこ次郎という素晴らしい漫画家がいて、ただ単なるらんま1/2の模写で2ページでっち上げたりする真の錬金術師、落合陽一に先駆けた現代の魔法使いだったんですが、でもやっぱりうんこ先生の偉大な点は自らがやっている事を完全な徒花だと知りながらほのぼのレイクで借金して自費出版で単行本を作って売る様な崇高な姿勢にこそあった訳で、そこがエスパー魔美の模写で金稼いでおきながらまだ図々しくモテようとしている人と、やっぱ雲泥の差だよな。
 で自分の話をするけど、俺にはエスパー魔美を模写してる人みたいな胆力もうんこ次郎先生の様な偉大さも残念ながら持ち合わせて無いので、今の書き方でnoteを更新していく以上は全文無料で公開するしかありません…ま、正直、毎週40人位にしか読まれて無いんで、こんな心配しても絵に描いた様な杞憂なんですが。フォロワー4桁になってから考えりゃいいんだよこんな事は。40人位の人達、毎週ありがとう!今度みんなでオフ会しようね!!コンビニの駐車場前で円陣組んで100円のワイン飲んだりして。俺は面倒臭いから参加せずに家で本読んでますが。いや、でも、会場にめんこくらいは差し入れするから。楽しんで。

The Rolling Stones - Harlem Shuffle

 最近ローリングストーンズの"ダーティ・ワーク"を初めて聴いて「これはすごい」と感動したんですが、その中に収録されているハーレム・シャッフルという曲のプロモ見て「あっ、これ高校の頃、友達から貰ったMTVの映像が入りまくったビデオで見たな」と気付いた。アニメのPVを集めた番組でタルヴィン・シンの"OK"とかケン・イシイの"エクストラ"とかと一緒に紹介されていて、多分自分が初めて聴いたストーンズの曲がこれだった。「こ、これがストーンズ…全然よくない…」とたじろいだのを覚えている。こういう地味な曲の良さが分かるようになっただけでも長生きした甲斐はあったのだろう。それにしてもPVのチャーリー・ワッツ全然動かないな、クラフトワークかよと今見ながらウケていたのだが、ウィキペディアを参照したところ、この時期チャーリーはヘロイン中毒とアルコール中毒が重なって大変だったらしい。やっぱな。あのアルバムドラムがちょっとおかしいよね。
 と、アル中だった老人を大したモチベーションもないままに腐したところでこの文を終えたいと思います。ダーティ・ワークに入っていた"ウィニング・アグリー"という曲の歌詞が、「俺達は醜い勝者 きたない手を使って勝負に勝つのさ」というもので、あまりにタイムリーすぎてウケたので今回そのままタイトルにしました。最後に自分の好きなアニメのPV、スリック・リックの"ビハインド・バー"ズの動画貼って終わります〜。

Slick Rick - Behind Bars

では、また来週〜…今仕事行くために外に出たけど、これは本当にとんでもない暑さっすね。あれ思い出したわ、コーネリアスのリミックス盤の96/69。地球あやうしっすよ。しょせんウンコの世の中じゃいっすよ。ほんとそれだよな。マジで。ヤバいっすわ。

 皆様も熱中症にお気を付けください!!


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