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0円劇場(1)

2018年から「サッポロ・ダンスボート・プロジェクト」というのをやってます。ダンス箱舟企画です。私が好きなダンサーを呼んで、ワークショップとか、公演とかやってもらうんです。
惚れっぽいんです。好きになるとすぐに会いたくなっちゃう。岩名雅記さん、鹿児島のC.I.CO.、モノクロームサーカス、Mei Kuang Li、皆呼んじゃいました美味しいものはみんなで皆で食べるノリです。
2018年くらいからは色んな所からお金をもらってやるようになりました。助成金ってやつです。国、自治体、企業、色んな助成金があります。私たちが活動している300席以下の小劇場文化ってのは、助成金を貰わないとやっていけないらしいんですよ。なんでなんでしょう?まぁ私は劇場経営者じゃないのでわかりません。
近いところからいきましょう。はい、私の団体の場合です。
私の団体は事務所兼自宅なので、家賃0という解釈です。企画ごとに動くので決まったお給料もないです。リスク0ってやつです、理想的です。だから仕事が0になっても稼働費がかからないので大丈夫です。0×3です。はい、どこまでいっても0です。
団体で公演をやる場合、予算をたてます。
劇場費、照明、音響費、広報費、演出費、出演料、、、総予算が100万円だとすると、
場所に3割、人に3割、声かけ(広報とか)に3割、あとその他って感じの割合になります。0じゃないんですね。劇場を借りて公演をするって決めて場所をおさえた時点でマイナスからのスタートになります。
そうなるともう、作品を作っていても、頭のどこかでは「お客さんいっぱい入れてペイしないとな」、なんて考え始めるんです。そうなると作品の種ってのはなんかスルスルっと隠れちゃうんですよ。
最近坂口恭平の0円ハウスを読みました。東京のホームレスのフィールドワークを通じて、3万円弱のモバイルハウスを作った人です。
「モバイル劇場作ればいんじゃね?」ってなりますよね。そう、惚れっぽいんですよ。坂口恭平に惚れましたね。
仮にモバイル劇場を作ったとしましょう。0円がモットーですので、劇場費は0円です。でも、7割のお金はまだかかりますね。もう少し深く潜ります。
3割の人件費ですが、30万円の内訳とすると、スタッフ費が一番高くなります。だから舞台監督費10万円、照明費10万円、音響費10万円、演出費20万円くらいです。あ、予算オーバーです。なので、これは自主公演という想定でいきましょう。演出家は私、音響、照明できる範囲でやるってことにして、スタッフ0円(チケットの売り上げに対して歩合)にします。舞台が生まれた時代に戻っていきます。昔は歌舞伎も河原でやっていたんです。川原乞食に戻りましょう。0に戻りましょう。
あとは、広報費の3割(デザイン、印刷、、、)ですが、これもSNS等に頼ってとりあえず0円にしておきましょう。
そうすると強引ですが、0円にできました。
スタートラインです。攻勢に立ちました。次はこの条件でやってくれるスタッフ、出演者を探す、劇場の場所はもう決まりました。友人の敷地を貸してもらえることになりそうです。

はい、これは「助成金なしで公演を行う」ための企画書です。これも坂口さんの影響ですね。妄想を企画書にって言ってました、なんかの本で。

あ、息子たちが起きてきたので今日はこの辺にしておきます。
日曜日です、息子たちと魚釣りに行ってきます。それでは皆さまごきげんよう


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