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独学と通学。「時間」という家庭教師の価値。

趣味でエレキギターを始めて20数年が過ぎました。
人についてちゃんと学んだことはなく、上手な人やプロの卵のような方にアドバイスをもらったりして急激に上達する経験もありましたが、なんとなく「ギターはいちいち人に教わるものではない。」という思いがあり(エレキギタリストには多い考え方です)、ここ数年はなかなか殻を破れずに思い悩んでいました。

下の子供が大きくなって手が離れてきたこともあり、上の子供と妻がパソコン教室に通ったりと習い事に励み始めたのを見て、私も最近生まれて初めてギター教室というものに通い始めました。
近くで個人で開いている小さなギター教室です。

今まで自分で積み重ねてきたものもあったためか、きちんと習うと見る見るうちに自分の演奏の幅が広がるのを実感。「やっぱプロってすげえなあ!」と感心しきりでした。

しかし、私もオンライン家庭教師として人にものを教えてお金を頂いている身。感心しているばかりではなく、この「生徒」という立場にたったことで、自分の価値を再確認することができました。

塾や家庭教師は必要なのか?

これは塾の講師を始めたころからずっと私が考え続けているテーマです。

需要があるのは間違いありません。しかし、なぜ需要が生まれるのでしょうか。
学校があれば教育の機会が与えられるはずなのに、です。

その理由として考えられるのは、
・学校がまともな教育の場として機能していない。
・学校で教えられていることが入試に直結しない。
・学生が教師に見てもらっていないと勉強しない。
・塾や家庭教師が必要であると刷り込まれている。
このどれかでしょうか。あるいは、これらがからみあっているのでしょうか。(学校に馴染まない、など個々の事情はもちろんあると思いますが。)

しかし、ギターも学校の勉強も自分でやろうとすればいくらでもできます。完全に独学でプロのギタリストになった人も、東大に行った人もたくさんいますから。

こう考えると、最低限学校というものさえあれば、塾や家庭教師など必要ないようにも感じます。
では本来であれば必要のないはずの、私のような家庭教師の存在価値とはなんでしょうか。

ギター教室でわかったこと

長年独学でやってきたギターを、きちんと先生について学んだことでわかったのは、「圧倒的に時間的な効率が良い。」ということでした。

いろいろと今まで私はギターの教則本なるものを買い込んで読みふけり、練習に生かそうとしましたがどうにも消化しきれないことが多かったのです。私の理解力の問題もあるでしょう。もしかしたら、本の質もあったのかもしれません。(ほとんどの教則本は、読んでいてたいへん楽しく勉強になるものでしたが)

しかし経験に裏打ちされた実力のある先生に指導してもらうと、自分の苦手なポイントがよくわかり、新たなアプローチ、練習の取り組み方を短時間で発見できたのです。

要するに自分が悩みまくった問題はすでに先生は解決していたのです。そこからさらに悩みまくり、試行錯誤すれば突破できたのかもしれませんが、先生に教わったほうが一発でした。
先生も同じように悩んで試行錯誤されたのでしょう。別の師についていたのでしょう。私はお金を支払ってその悩む時間を肩代わりしてもらい、その経験を受け取ったのです。
金で解決したような物言いですが、「教わる」ということの否定できない一面ではないでしょうか。

家庭教師の価値は、生徒さんの時間を守ること

結局、私は家庭教師として、生徒さんの時間のために働いていると思うのです。
教えるのが上手、などというのはもはや最低限の前提条件です。上手くて当然なのです。プロですから。

それよりも価値あるサービスは、「学校の勉強」などという答えが明確に存在する問題に対して効率的な解決方法を提案し、スケジュールし、マネジメントすることだと思います。

生徒さんは日々、友達のこと、好きな人のこと、家族のこと、自分のこと、将来のことなど、もっと大事なことに頭を悩ませているのですから。

もちろん、塾や家庭教師につかずに勉強に取り組む学生を否定するつもりは毛頭ありません。
独学で学んだことは本物の自分の力です。その過程でつかんだものは、時間に代えがたい価値があります。
その中には、もしかしたら、自分以外の誰も気づかなかった斬新なアイデアがあるかもしれないのですから。

でも私はいいだけ自分でやってきて、改めて「先生に教わる」ということで上達が飛躍的に早くなるということに気づきました。

ある意味ではそれは「諦め」だったかもしれません。

しかし学校の勉強という、ある意味つまらないことは、なるべく少ない時間で効率的な勉強方法をつかみ取って、もっと大きな勉強を行い、考えられるようになってもらいたいと思っています。
将来間違いなく訪れる「答えのない問題」という試練に対応する力をつけていってほしいと思っています。

家庭教師の価値は、「学校の勉強」に割く時間をなるべく減らし、自分自身についてより深く考えてもらう時間を確保すること。

学校という教育の機会を均等に(一応)与える組織があるなかで、塾講師や家庭教師が存在する価値は、突き詰めればここにあるのではないでしょうか。


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