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【詩の森】国の生き方

国の生き方
 
人に生き方があるように
国にも
国の生き方というものが
あるだろう
人の生き方が
他人に対して示されるように
国の生き方は
他国に対して示される
 
いま巨大な姿見に
この国の姿を映してみれば
憲法の精神とは程遠い
おぞましい姿が見えてくるはずだ
1947年
憲法で戦争放棄を誓ったこの国は
いまや世界第5位の
軍事大国だ
 
キューバ危機の教訓から
中南米33か国は
メキシコの主導で非核地帯を実現させ
この国より2年遅れて
憲法で軍隊を廃止したコスタリカは
核兵器禁止条約で
世界の核廃絶を牽引している
掛け声だけのこの国とは
大違いだ
 
この国の政治の歩みは
平和憲法を覆す歩みだった
のではあるまいか
しかしその国の生き方を
他国が干渉することはできない
内政干渉は他国を蹂躙することだからだ
それができるのは
唯一その国の国民だけだ
 
この国の生き方は
詰まるところそこに生きる人々の
総意の結果なのだろう
しかし
国政選挙の投票率が50%で
はたして総意といえるのかどうか
問われるべきは
私たちの生き方
そのものだろう
 
憲法前文には
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と
偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる
国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」
とある
私たちの先人たちが
高らかに謳いあげたその地位に
私たちはいつになったら
辿り着けるのだろうか
 

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