【詩の森】数学と消費税
数学と消費税
こんなタイトルの詩を書く僕が
あまのじゃくなら
読んでみようとする君も
相当のあまのじゃくかもしれない
数学といっても
微分積分のような難しい話じゃない
消費税のカラクリは
一つの数式の話なのだ
それでは解説しよう
ここに一つの数式がある
①(X-Y)×Z ここで
X:売上額
Y:仕入額
Z:消費税率とすれば
この式の計算結果が消費税額
ということになる
ところでこの(X-Y)
(売上額―仕入額)とは
いったい何だろう
例えばパン屋さんなら
小麦粉からパンを作って売るだろう
職人さんが材料の小麦粉を加工して
パンという価値を付け加えているのだ
だから付加価値と呼ばれる
欧米諸国にも
日本の消費税と同じ税金があるのを
君も知っているだろう
向うでは単刀直入に
付加価値税と呼ばれている
付加価値に掛かる税金という意味だ
それが日本ではなぜ
消費税と呼ばれるのだろうか
日本では消費税は
消費者が負担するものだと
一般に信じられている
ひょっとしたら
君もその一人かもしれない
しかし消費税がそもそも付加価値税なら
付加価値を生み出さない消費者が
なぜそれを負担するのだろう
実は消費税法には
消費者という言葉は一切でてこない
それどころか納税者は消費者ではなく
製造・卸し・小売りなど全ての事業者なのだ
そしてその税額は次の式で示される
売上課税額―仕入課税額
この式は② XZ-YZとなり
括弧で括れば式①と同じだ
日本の消費税は
消費税という名の付加価値税である
それを悟られないために
消費税法から式①は巧妙に隠されている
そして極めつけはこのネーミングなのだ
もし本当に消費者が消費税を払っているのなら
小売店が預かった分を納めれば
済む話ではないだろうか
ところが実際はそうではない
司法判断注1ではレシートの消費税相当分は
対価の一部に過ぎず
預り金ではないというのだ
平たくいえば消費税という名前が
僕らにその負担者であると錯覚させ
税率アップによる物価高騰への不満さえ
体よく躱されている訳なのだ
どんな事業者も
売上から仕入を差し引いた付加価値額から
給料を支払い利益を確保しなければならない
その付加価値全体に税率を掛けるのが
付加価値税なのだ
元々利益の薄い事業者にとっては死活問題だろう
いつでも消費税分を価格に転嫁できるなんて
机上の空論でしかないからだ
そればかりではない
式②が独り歩きして
売上課税額を0にしてしまう荒業まで
やってのけるのだ
それは消費税を回収できない外国の税率を
0%にするという方法だ
式①からすれば税率は同じ筈だから
売上税率だけ0%なんてあり得ない
売上税率を0%にすると
式②はマイナスになる
マイナスとは還付される税金のことなのだ
仕入が大きく税率が高いほどその額は巨額だ
この恩恵をもろに受けているのが
自動車・家電などの巨大輸出企業だ
たとえば巨大な付加価値を生み出すトヨタが
毎年何千億もの還付を受けている
そろそろまとめに入ろう
消費税の式は本来
式①(売上額―仕入額)×消費税率
一つだけなのだ これを
付加価値額×消費税率としてもいいだろう
この式で消費税額がマイナスになるのは
付加価値がマイナスになった時
つまり給料すら払えない時だけなのだ
巨大な黒字のトヨタが
消費税を免除されるどころか
還付金まで貰う仕組みとは
式①を式②に分解し
さらに売上税率のみを0%とした
数式の意図的な誤用(詐欺)である
消費税はさらに憲法の応能負担原則にも反し
憲法違反だといわれている
注11990.3.26東京地裁、同年11.26大阪地裁判決