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【詩の森】543 特権

特権
 
三権分立の三権というのは
立法・司法・行政権のことです
日本が実質的に三権分立かどうか
とても怪しく思えるのは
総理の任命権が最高裁長官や
NHKの経営委員にまで及んでいるからです
そして
第四の権力と呼ばれるマスメディアには
世論を形成したり誘導したりする
力があります
 
しかし
この四つ権力が束になっても敵わない
もう一つの絶大な権力があります
それが通貨発行権なのです
僕らがこの言葉に余り馴染みがないのは
それが無意識化されているからです
実は殆どの民主主義国では
この通貨発行権は銀行の既得権なのです
銀行は信用創造という打出の小槌で
無からお金を作っているのです
 
この通貨発行権は
まさに特権中の特権ではないでしょうか
普通は汗の代償としてしか得ることのできないお金を
民間の銀行が帳簿に記入するだけで作れるなんて―――
しかしそんなお金でも
借り手の方はその返済のために
みな汗水たらして働くのです
資本主義経済が発達したのは
だれもが借金に追われて勤勉になったから
とさえいわれています
 
貧乏暇なしといいます
国が通貨発行権を持たない限り
銀行からの借金でやりくりするしかありません
その先に見えてくるのはやはり
銀行権力による単一独裁政府なのでしょうか
グローバル化はいわばその地均しといえましょう
今や実体経済の数倍から数十倍といわれる
金融マネーが世界中を席巻しています
まさに金・金・金の世の中を創り出したのは
他ならぬこの銀行特権ではないでしょうか
 
2023.9.15

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