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これからのアドベンチャーゲームのあり方

5月12日にスクウェア・エニックスから発売された「春ゆきて、レトロチカ」。
実写で展開されるアドベンチャーなのだが、システムと良い、ストーリーといい、
中々に考えさせられる展開で面白かった。
最後の展開はぶっ飛んでいたのだが、そこに至るまでの経緯も非常にスムーズで、話に入っていける。


レビューは確かな物を見よう。

このゲームをこれからやろうと思う人は、おそらくレビューを見て買う人が多いだろう。
その上で注意して欲しいのは、比較しているゲームタイトルだ。

「428~封鎖された渋谷で~」や「街~運命の交差点~」を比較しているレビューは当てにならない。

よく、実写だからという理由で、セガサターンで発売された「街~運命の交差点~」や、Wiiで発売された「428~封鎖された渋谷で~」を引き合いに出して「春ゆきて、レトロチカ」を評価しているレビューを見る。
しかし、本作は推理アドベンチャー。上記2作はアドベンチャーではあるが、ザッピングをしながら各主人公の行方を正しく変えて行くゲームだ。両者の共通点は「実写」という部分のみ。何故比較するのだろう?
比較するのであればそれこそ多岐に渡るが、「レイトン教授シリーズ」や「逆転裁判シリーズ」、「ダンガンロンパシリーズ」などに近いし、推理の部分と実写という点では「ルートレター ラストアンサー」や「Root Film」等も当てはまるだろう。


個人的評点

では、そういった観点から僕なりの評価をお伝えしたい。ネタバレは極力避ける。

システムの配慮が行き届いている

この作品は、アドベンチャーゲームではあれど、実写で尚且つ動画なのだ。
アドベンチャーゲームをプレイした事がある人なら、テキストを読み進める時に間違ってスキップボタンを押してしまうなんて事はよくあるだろう。
また、もう一度読みたくなっても、ログを確認するに留まる
一方で、今作は、動画なので、アマプラで映画を見るのと同様に、任意で早送りも巻き戻しも可能。この直感的に操作できるシステムは非常にやりやすい。

ボリュームが丁度良い

クリアまでにかかった時間はおよそ15時間くらい。これはアドベンチャーゲームとしては少なく感じるが、動画であるため、テキスト以外からプレイヤーが読み取れる要素が多く、内容としてはそれほど少ないとは感じなかった。推理ゲームとして考えればそれはさらに申し分ないボリュームで、連続ドラマでも映画でも出来ない物語を見事に作り上げているといえる。

推理パートはスキップ出来るべき

事件が起きて手がかりを入手するムービーが終わった後、手がかりを元に推理する「推理パート」に入るのだが、これが非常に中弛みを感じた。というのもいちいち推測を立てる度に、シルエットで動画がスタートするのだが、これがスキップ出来ず、動画を全て見ないと先に進めないのだ。ここは改善すべきだろう。

総評

個人的には、この作品の登場が、今後のアドベンチャーゲームのあり方を変えていくような気がしている。推理ゲームとしては非常に面白い切り口だと思うし、同じ様なシステムで新しい作品を出して欲しいとも思っている。
比較的攻略時間が長くなりがちなアドベンチャーゲームのもっさり感を無くした、という点では非常に評価できるだろう。

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