ぐるぐる回ってバターになった日記

4/28 日
起床。
何だか気分が優れない。そういう時はたまにある。
朝食後、朝の分の薬を服薬する。
もっとも劇薬のように効果を発揮するものではないので、ゆるやかな不安をずっと感じていた。
 
こういう時は身体を動かすか、家事のようなもので手を動かすに限る。
天気がいいので徒歩移動で買い物に行くことに決めた。つまり、身体を動かす方を選択したわけだ。
11時ころ家を出る。
 
隣町の駅ビルで靴下とかを買う。
無印良品も覗く。
今、服で何が必要かよく考えて、白無地Tに決めた。
ちなみに、昨日良いなと思った緑の鹿の子ポロシャツは実際に手に取ってみると、それほど着たいと思わなかった。
 
お昼なので昼食を近くの好きなラーメン屋でとる。
僕はここのジロウインスパイア系のラーメンが大好きだ。
食券を渡し待っている間、また妙な考えが浮かんだ。
キビキビと働くスタッフに何か、怖さのようなものを感じてしまったのだ。果たして自分はそちら側(厨房側)にいたとして、店に貢献できる人材なのかと自問し怖くなった。
まったく今日はどうしたというのだ。
 
ラーメンは美味しかった。
けっこうスープも飲んでしまったが完食するころには、さっきの不安も消え大満足だった。
 
食後、自宅にはすぐ帰らず自然公園に寄る。
体重が増えてきたと自覚があるのにも関わらず、ジロウインスパイア系ラーメンを食べたんだ、運動をしよう。そう思い、公園の外周をウォーキングした。
 
青々とした草が茂る公園の景色は初夏だった。
青臭い草のにおいが鼻をつくが嫌いじゃない。

ハナミズキの白い花が綺麗だった。


僕のように運動なのか歩いている人は多くいた。
電動車椅子の人。自撮り棒の人。ハンズフリー電話なのか一人で喋っている人。
何周も歩いていると覚える気がなくても、彼らだと思うようになる。
そして、その人達に周回するごとにすれ違うたびに、自分が算数の問題になったのかと錯覚して、頭の中で笑う。
道のり・時間・速さを割り出して、問題を解かなくちゃいけない。
 
結局、40分くらい僕は外周を歩き続けた。


帰宅して冬のコートをクリーニングに出そうと急に思いつく。
新しく買った白無地Tを着て、外に出たいための理由付けである。
 
汗ばんだTシャツは脱ぎ、無地Tに袖を通す。厚くて頼もしいなと思う。
靴下も今日買った新しいものを履く。
無地Tにはジーパンだろと、ブルージーンズに脚を突っ込む。
そして、ウォーキングシューズから久しぶりに、コンバースオールスターに履き替える。
こうして、僕が考えうる最高の夏のコーディネートが完成した。

 
足早にクリーニングの要件を済ませ、家の近所をふらつく。
 

僕は無地Tを誇示するかのように胸を張って歩いた。
そして、歩きながら視線を少し下げ、ジーパンとオールスターの組み合わせの格好良さに目をやった。
無地Tとジーパンとオールスター。
幾つになっても、この格好をしていたい。
そう強く思ったし、その恰好で歩いている自分を誇らしく思った。
 

夕方が夜になる前に帰宅し、良い気持ちで日記をつけた。
 

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