データと感覚の話

感覚をデータで補助するみたいな話をします。

 データ派か感覚派か、なんて話はひと昔前のスポ根漫画などではよく見る対立構造でした。
 しかしながら今のスポーツというのはそんな時代はとうに過ぎていて、データを使って感覚で行った良いプレイの再現性をあげるといった練習法などデータと感覚というのはしっかり結び付けられ取り入れられています。

 これはカードゲームでも同じなのかなと最近他のプレイヤーと話していて思いました。
 話の内容は大雑把に述べると、調整や練習の際に以前は戦績をしっかりつけずにデッキを評価していたが、戦績をつける、相手の練度を考慮するように調整等を行いデッキを評価した場合、感覚でのデッキ相性と実際の戦績との差が見えて来てデッキの捉え方が変わった。といった話です。


 これは当然の話といえば当然の話で、何もできず負けた時やブン回って勝った時などは頭に強く印象に残るので実際の勝率と体感の勝率はずれが生まれます。このような感覚によって発生してしまう誤差を把握し修正するためにデータを取る事は必要です。

 データと感覚をすり合わせるというのは、認識違いを防いだり、理論の一般化を大きく助けます。カードゲームでは確率が重要な要素です。この確率というのは先も述べた通り、正しく取り扱わなければ感覚の影響を受けて誤りを孕んだままになってしまい、認識違いや考えの誤りに繋がります。
  
 デッキの勝率のような話は他にはメタゲームを読む際などにも発生します。例えば、地元のプレイヤーが多く参加するようなCSでは土地柄などがデッキ分布に影響します。このような大会ではあの大会ではこういうデッキばかりいる、といった話が上がります。しかしながらこういう議論をする際もそれが正しい認識か確かめるためにはデータが必要になります。
 過去のCSのデッキ分布からアーキタイプごとに分類して、母数の変遷を追う、ここまでして初めてその大会ではこういうデッキばかりいるといった論に正当性が生まれます。またデータを取って調べてみると下位卓にそのようなデッキタイプを使う人が固まっている(勝率が高くないプレイヤーがその時期そのようなデッキ選択をしていた等)だけで分母自体は対して大きくなかった、存在はするため考慮するべきではあったが母数が多いと言える人数ではなかったという場合も存在します。

 またデッキを組む際もデータを上手く利用する事ができます。カードゲームの確率というのはとても難しく、分岐が細かくあるので確率だけ追ってデッキを組むというのは至難の技です。
 プレイヤーはこのカードは3枚、みたいな感覚にうまく頼る必要があります。そしてこのカードは何枚、といった評価の補助をするために確率を利用する事ができます。


 例えば2cの初動が何枚かといった議論があります。
 こういった議論の際に確率が有用です。初動が6枚、7枚、8枚のデッキを以前使った事があるとします。この時に初動をどれくらいプレイできたかといった感覚を覚えておき、確率を比較します。6から7、7から8へと枚数を変化させた際の引ける感覚の変化がその確率の変化と対応します。このように確率が10%変化した場合の体感の変化というものを覚えておけばこのような議論が発生した場合に理論的に枚数を決める事ができます。
 またこの枚数の体感はその時の勝率に依存するため、先に述べたようなバイアスがかかった状態で確率を認識してしまうと他の確率を比較する際に誤差が大きくなってしまうため、このように確率の差を体感で覚えておくためには感覚に依存しない勝率というのも必要です。
 このようにして、確率と感覚を紐づけておけば、枚数で悩む際などに、引ける確率を計算し、その確率は自分が体感で覚えてるどの確率に近しいか、といった情報を元にして枚数を決定する事ができます。

 カードゲームの確率というのは重要な要素ですが、直接勝利へと繋がることは少ないです。また、ポーカーなどと違い、結果が値で返って来ない場合が多く、期待値の取り扱いも難しいです。しかしながら、デッキを組むときの理論や、プレイ、メタ読みの評価には必ず関わってきます。なので何か疑問に思った時に確率と向き合って捉えられるようになりたいなと思い、思考の整理も兼ねて本稿を書きました。頭でまとまってない事勢いで文字に起こすと脈絡がやばいことになってやばいね。

 


確率計算したり、シュミレーションできるツール自作とかしたら面白いのかもしれないと思いながら半年すぎたので時間に余裕できる4月あたりには手をつけたいね。

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