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「日本刀展 武魂 さぬきの呼応」

コロナ第3波が騒がられる直前に2泊3日で香川県と岡山県にお邪魔しました。

一部内容を書いていきます。まずは高松市の刀剣展について。

概要:「日本刀展 武魂 さぬきの呼応」

会期:2020年9月29日(土)~2021年11月29日(日)
場所:高松市香南歴史民俗郷土館
入館料:無料
音声ガイド:なし
写真撮影:一部除いてOK(注意書あり)

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町の小さな資料館かと思っており、実際そうではあるのですが、建物と庭園が立派で目を疑いました。城跡とのことで、館の内外で説明が掲示されていました。

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建物の2階の展示室とその前の廊下に刀や刀装具が並べられていました。廊下は環境上ライティングが不十分でちょっと見づらいのですが、国貞の短刀や地元讃州産の名品がずらり。刀装具は画題の説明もあり、展示品を深く楽しめます。

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展示室内は刀が10振りほどと、一部に付随する拵が並んで展示されていたかと。

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近江京極家伝来の青江刀(兼次)と、その拵もありました。洒落た形状の鍔と凝りに凝った鞘は圧巻。

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ライティングは覚えてませんが、廊下ほど見づらい印象はありませんでした。

展示としては小規模の部類と思われますが、刀、刀装具ともに名品揃いです。無料でかつ一部を除いて写真撮影も可能なので、近くにお立ち寄りの方には強くおすすめします。

私的感想:青江と堀川派と直江志津(※いつも通り)

好きな刀が多くて幸福度が高かったです。まずは中青江の貞次。

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青江派、また青江派と目される刀は妙に好きで、ガラスケースを越えて近づきたくなるのですが(笑)、この刀を前にした時も危うく額をケースにぶつけそうになりました。姿のバランスや肌の雰囲気はたしかにニッカリ青江に通じるものがあるような。

それから冒頭でも掲載した堀川派の国貞。

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華やかな皆焼の刃文で長谷部派を思い出したのですが、あちらより雰囲気が穏やかだった気がします。廊下展示で見づらかったのが残念。

それから今回一番よく眺めたのが、直江志津の磨上脇差でした。

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「堀川国広の作刀は直江志津の意図を思わせる」と言われるようで、ちょうど直江志津を観てみたいところに出会えました。なるほど似ている……! 茎は特に山姥切と重なる印象でした。

ただ左隣にあった直江志津の刀にはあまり国広を感じず。「古刀期は同じ刀工でも作風は幅広い」とは聞いていましたが、実感できた気がします。そうなると銘や書面で「ウツスナリ」「迫」など記されていないものへの「写し」という評価は主観に過ぎないのかも。むしろここで展示されていた直江志津の2振りとも無銘なので、実はどちらか(あるいは両方)直江志津じゃない可能性だってあり。

つくづく刀剣鑑賞は難しく、面白い世界だと噛み締めました。

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